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獣人辺境伯の心配は尽きない~白耳うさぎは黒狼を翻弄する~  作者: 朝比奈 呈
ヒーロー目線(⊃-_-)⊃ 
47/107

47話・俺のリズは人を貶めるようなことはしませんから


「あなたさまは年端も行かない子供に怪我をさせて平気なのですか? 王女だからなんでも許されるとお思いならお目出度いですね」

「無礼な。このわたくしに意見を申すなんて。お黙りなさい。牢に入れるわよ」

「いいえ、黙りません。あなたは酷い御方です。自分の思うように事が進まないと、誰でも牢に入れるのですか? それでは暴君でしかない」

「お黙りなさいっ」



────アイツ!



リズを叩こうというのか? 俺は慌てて二人の間に割り込み王女の手首を掴んだ。



「お放しなさい。アーサー」

「嫌です。私の許婚に何をする気ですか?」

「これは────、この子が悪いのよ。わたくしに逆らうから」



 逆らうだと? リズが何をしたって言うんだ。王女は憤慨した様子で言う。



「これではわたくしの気が済まないわ。この子はわたくしを侮辱したのよ。不敬罪で訴えるわよ」

「どうぞ。そんなことをなさったなら我が黒狼一族は黙っていませんよ」

「な。なによ。アーサーはわたくしよりもそっちの女の言い分を信じるの?」

「当然だと思いますが? 俺のリズは人を貶めるようなことはしませんから」



 俺はリズの無実を信じる。そこへ姉命の五つ子達もやってきた。



「そうよ。そうよ。アーサー、そんな女、やっちゃって」

「お姉さまはあなたが木の上からわざと突き落としても、何かあったのかしら? ぐらいにしか思わないお人よしなんだから」

「そうよ。あなたのついた嘘にころりと騙されてしまうほど純情なのよ」

「お腹の中が真っ黒のあなたとは違うの」

「お腹真っ白なんだから」



 五つ子達は相変わらずだった。こいつらは可愛い顔して小悪魔な一面も持っている。敵と見なしたものには容赦がない。王女相手にも引かないな。


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