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46話・リズの憤り
「きゃあっ。何してくれてるのよっ」
「わああっ」
遠くでパメラ王女が一緒に遊んでいた子供たちのうち一人の子を非難しているように聞こえた。その後、すぐに子供の泣き声が聞こえてきた。
「やだ。汚れが落ちないじゃない」
「痛いぃいい~」
「ハリー! まあ、大変」
「早くお医者さまをっ」
その時、他の子供たちと叔母上や、カミーレ、五つ子達と何組かのグループを作って鬼ごっこをして遊んでいた俺達は、リズ達に何事か起きているようだと顔を見合わせた。
「ハリー。今シスターがお医者さまを連れて来るからね。頑張って」
「もう、嫌だわ。お気に入りのドレスだったのにぃ~」
痛いと泣き喚く子供を宥めているのはリズのようで、シスターは医者を呼びに行ったようだった。
「パメラさま。こんな時でもあなたさまはご自分のドレスの心配ですか?」
「それのどこが悪いの? この子はね、わたくしのドレスで手を拭いたのよ。汚い」
「汚いとはご自分のドレスが汚れたことに対してですか?」
「もちろんそれもあるけど、孤児なんて汚いじゃない? そんな子にわたくしのドレスに触れて欲しくないわ」
「パメラさま。あなたって最低ですね」
「わたくしを侮辱する気? たかが伯爵令嬢の身分で」
滅多に怒らないリズが憤りを見せていた。王女は何か仕出かしたようだ。俺は二人の元へと急いだ。




