表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
獣人辺境伯の心配は尽きない~白耳うさぎは黒狼を翻弄する~  作者: 朝比奈 呈
ヒロイン目線 ̄(=∵=) ̄
4/107

4話・おまえの許婚は誰だ?


 わたしの発言に顔をしかめるアーサー。てっきり反対されるかと思ったけど、彼の言葉は意外なものだった。



「いいんじゃないか? 行っても。アザリアさまがご一緒なら問題ない」



 アザリアさまと言うのは、カミーレのお母さまでこの国の王妃さまだ。もとは黒狼族のご令嬢でアーサーのお父さまと同母の兄妹なのだ。この国では子供は父親か母親のどちらかに似る。カミーレは父親が金虎陛下で母親が黒狼族出身だが、父親の遺伝子を濃く受け継いだようで、金虎の獣人だ。


 物知りの庭師の爺やから聞いた話では、大体男子は父親の特性を引き継ぐらしい。言われてみればカミーレの側室腹の二人の兄殿下たちはそれぞれ金虎の獣人なのに対し、王女殿下達は金猫や、赤犬、桃色リスの獣人の愛らしい姿をしている。


 わたしやアーサーの両親は同族同士で婚姻したので、わたしは白耳兎でアーサーは黒狼の獣人なのだけど。




「じゃあ、当日馬車で迎えに来るね? リズ」

「それはいらない。俺の家の馬車で送るから」

「了見が狭いね、お兄ちゃん」

「おまえの兄になったつもりはない。さっさと帰れ。リズは俺の許婚だ。俺が責任持って送る」



 アーサーは取り付く島がなかった。カミーレがお手上げといわんばかりに両手をあげた。



「そう。分かったよ。ハイハイ、お邪魔虫は退散するよ」


 そう言うとそそくさと退出していってしまった。カミーレの後ろ姿を見送ってドアを閉めれば、両脇からドアに真っ直ぐ腕が伸びてきた。

 ドアを前に、背後から彼の腕の中に閉じ込められた形となる。



「おまえの許婚はだれだ?」

「アーサーよ」



狼さんといえば、思い浮かぶヒロインは世間一般的には赤ずきんちゃん? でもわたしはウサギしか思い浮かばなかったんだよなぁ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ