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獣人辺境伯の心配は尽きない~白耳うさぎは黒狼を翻弄する~  作者: 朝比奈 呈
ヒーロー目線(⊃-_-)⊃ 
34/107

34話・背中がまる見えだ


「おまえら」

「あなた達っ」


 リズが慌てて部屋に踏み込んで来た。俺の無残な上着を見て顔が強張る。


「なんてことしたの!」

「そう怒ってやるな。リズ」



 こいつ等はリズが大好きっ子なのだ。その姉に怒られることを非情に嫌う。そのことを知る俺は、こいつらも反省してるから許してやってくれとリズに言った。



「もうしないから~」

「アーサー、許して~」

「ぐすっ。怒んないでぇ。お姉さま」

「わざとじゃないのぉ」

「皆とアーサーの取り合いしてて……」



 どうしたら取り合いになるのか俺には不明だったが、五つ子ならではの通じ合うものがあるらしい。リズは眉根を寄せていた。怒り顔も可愛いな。



「あなた達、アーサーに何か言うことあるでしょう?」

「「「「「ごめんなさいっ」」」」」


 リズのいつも側にいる侍女が気を利かせてくれた。



「アーサーさま。上着を脱いで頂けますか? お袖はこちらの方で縫いつけておきますので」

「そうしてもらえると助かる。頼むよ」

「さあ、あなた達。お部屋に戻って大人しくしてなさい」



 侍女に続き、リズに退室を促がされた五つ子達は「ごめんね」と、言いながらすごすごと耳を垂れて退出して行った。

リズが五つ子達を送り出す為に俺を背を向けたときに、背中が見えてドキリとした。よほど慌ててきたのだろう。ドレスの背中のチャックが開けっ放しだ。



「あのアーサー?」

「ドレスのチャックが開いてるぞ。背中がまる見えだ」

「……!」


 背後に立つとリズが驚く。背中のチャックのことを教えてやると、顔を真っ赤にしていた。チャックを閉めてやるとぴくりと背中が反応する。


「ほらまた油断しすぎだぞ」


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