表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
獣人辺境伯の心配は尽きない~白耳うさぎは黒狼を翻弄する~  作者: 朝比奈 呈
ヒロイン目線 ̄(=∵=) ̄
3/107

3話・大人げないんだから


 彼にその態度は乱暴ではないかと言えば、適切だと返ってきた。わたし達の住む獣人の国ブランでは、王族の金虎族を筆頭に、黒狼族や銀狐族を始めとした、赤犬族、金猫族、白耳兎族と様々な獣人が暮らしていて、十四歳になると成人とみなされていた。


 アーサーは、わたしがカミーレを構うのを良く思っていないのだ。わたし達は幼馴染同士だというのに。幼い時から三人仲良く遊んできた。よく二人で「リズをおよめさんにする」と、言って取り合いになっていた頃が懐かしい。


 わたしは物心付いたときより、父からアーサーは自分の許婚だと言われて育ってきた。成人したらアーサーのお嫁さんになるものと受け止めていたし、カミーレのことは、年の離れた弟のような存在ぐらいにしか思っていなかった。


 カミーレはこの国の王子だ。成人すれば他国の王女、もしくはそれなりの高位貴族のご令嬢と婚姻を結ぶことになる。

 幼い子の発言ほどあてにならないと言うのは、妹たちの存在で身をもって良く知っていたわたしは、カミーレは憧れの従兄のアーサーに張り合って言ったものと認識していた。

 でもその一件からか、アーサーは極端にカミーレとわたしを接触させることを嫌がるようになった。こんな風に屋敷に乗り込んでくるくらいに。まったく────。



「大人げない」

「そういうきみは隙がありすぎだ」




 何に警戒しているのか全然分からないわ。あなたの従兄は狭量ですね? と、カミーレをみれば苦笑いを返された。




「アーサーが来ちゃったから、僕帰るね」

「おう、帰れ、帰れ。迎えなら外で馬車を待たせている」

「アーサーっ」



 年下相手に本気で相手をしなくとも。と、言えば腰に腕を回された。それをみてカミーレは「お邪魔しました」と、言って踵を返しかけ振り返った。




「そうだ。今週末、孤児院を訪問する予定なんだけどリズも来る?」

「えっ? わたしもいいの?」

「うん。非公式のものだし、前にリズが焼いてくれたチョコチップ入りのクッキーを孤児院の子供たちに差し入れたら好評だったんだ。母上もリズに会いたがっていたよ」

「じゃあ、窺おうかしら?」




でもウサギさんが自分の作品に登場するのは初めてです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ