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chapter5:悪魔聖女との再会(アルカ視点→サフィーア視点)

今回も新キャラ投入。

………ある意味定番のキャラクターで、ある意味では定番じゃないキャラクターですね。

………歴史上の人物にオリジナル設定足しちゃうのはありなのだろうか…………


2018/7/16→内容の一部及びあとがきの小ネタを改稿

…………あれから、わたしの生活はちょっとだけ変わった。


元々フェイより起きるのは早かったけれど、もっと早く起きてフェイの為に朝食を作る様になったんだ。



「~♪~♪」



鼻歌なんてしながらフェイの為に朝食を作っていたら、なんだが身に覚えのある優しい気配が………



「あら……貴女はもしかして、勇者様…いえ、魔王様の妻になったというアルカさん、ですか??」


「えっ……?」



手を止めて後ろを振り向くと、そこには銀髪のロングヘアー…………じゃない!?ツインテールになってるし!?

切れ長な紅い瞳の、凛とした雰囲気の女性が立っていた………東の島国の料理着であるカッポウギで。



「って、ジャンヌさん!?なんでカッポウギ!?しかもツインテールになってるし!!」


「何故、と言われましても私が魔王メイド部隊の料理長だから、ですが………


「わぉ。知らなかった………って説明になってない!!」



因みにこのジャンヌさん、魔王討伐(笑)の旅に同行していた悪魔聖女様で、わたしの料理の師匠だったりする………

ジャンヌさんは悪魔なのに聖女、聖女なのに悪魔なんだよね。

なんでも、『ゼンセ』?で祖国を救う為に戦ったのに最期は傾国の魔女として処刑されたのだとか。

その影響か、聖魔法を使える悪魔としてこの世界に生まれたらしい。

それと、ゼンセでの最期は火刑だったらしいけど火は苦手ではないとか。

でも得意魔法は聖魔法と水/氷魔法である。


そんな生まれの割には人間を怨んだりはしていない、優しいお姉さんで人気者なんだから本当に聖女様だよね〜………

王命に逆らえない位で国王達を怨んでいたわたしが恥ずかしい。


そんなジャンヌさんは相変わらずの聖女スマイルで話を続ける。



「アルカさんは、朝食作りですか?」


「うん。フェイに朝ごはん作ってるの!」


「なるほど、お手伝いはいりますか?」


「あはは♪流石にもう大丈夫だよ!」


「分かりました。」



わたしが調理を再開すると、ジャンヌさんも近くで調理を始めて話を続ける。



「ジャンヌさんは何を作るの?」


「そうですねぇ……お米を炊いて、お味噌汁と焼き魚、ですかね。」


「………ジャンヌさん、見掛けに依らず東方料理………『ワショク』………だっけ?が好きだよねぇ………


「ええ!この世界に転生して、精霊神(サフィーア)様から頂いた【和食】と言う物を味わってからすっかりはまってしまいまして♪」



ん?そう言えばジャンヌさんは誰のを作ってるんだろ??

他の人達の分はここでは無く【食堂】で料理人達が作っているはずだから、ジャンヌさんが作る必要は無いのだけれど。

まぁ、気になるなら聞けばいいよね。



「そう言えばジャンヌさんは、誰の朝ごはんを作ってるの?

自分の分??」


「え?精霊神(サフィーア)様と旦那(ユーキ)様のですが。」


「……あー…うん、理解した、ものすごい理解した。

なんでカッポウギでツインテールなのかも理解した。

そう言えば旅の間もそうだったもんね…………



ジャンヌさんが旅に同行していたのって、大体にして神の声が聞こえなくなったらしい彼女の目の前に精霊"神"(の化身)であるサフィーアさんが現れたから、なんだよね。

それからはサフィーアさんと、その旦那さんであるユーキさんの従者として共に旅をしたんだ。

………その旅の間、ジャンヌさんはサフィーアさんに色んな意味で可愛がられていた………


そんなジャンヌさんはフェイや四天王の皆と違って、最初からパーティーメンバーだった訳じゃないんだ。

最終的に勇者パーティー(笑)のメンバーは結構いたからなぁ…………同行していなかった仲間も含めたらそれこそ星の数ほど。

そんな中、ジャンヌさんは旅の始めに出逢ってそのまま最後までついてきた仲間の1人だったりする。



確か、そんなジャンヌさんとの出会いって…………














あれは、さっきも言ったように本当に旅が始まってすぐの事。

わたしと皆が打ち解けてきた(実際はわたし以外は最初からフェイの仲間だったし)辺りだったかな。

ある街を訪れた時だった。



「ルリさん(サフィーアの偽名)、次の街【アルマトーレ】はどんな所なの?」


「そうね、本来ならば水が綺麗で食べ物が美味しい所なんだけれど………どうにも様子がおかしいわね。」


「………フェイ、どうする?」


「……僕個人としてはとても介入したい気分ではある、だけどそれにアデルを巻き込みたくはない。

と言った所だね。」


「そうか……なら、答えは決まりだろう?」


「………ああ、君なら介入する、を選ぶだろうね。」


「ははっ!分かってるな!流石だぜ相棒!」


「はいはい、行こうか、相棒。」


「皆もそれで良いか?」


「ああ、俺達からは特に異論はない。」


「ミューさんとしてもあれは気になるしねぇー。」


「お姉ちゃんはアルちゃんに従うだけよー?♪」



フェイ達初期メンバーは、皆あの愚王から紹介された王国最強ギルド、【紅の氷華】のメンバーだったんだ。

今にして思えば、フェイ達はこうなる事を知ってて最強ギルドになったのかも、だけれど。

因みに、ダークエルフさんを嫁にもつギルドマスターさん(人間)もグルだったりする。

そのダークエルフさん、実はフェイの妹に当たる人なんだけど、それは今は別の話だね。


そんな訳でアルマトーレに近付いたわたし達を待ち構えていたもの、それは…………



「っ!はぁぁっ!!氷よっ!」



『!?』



大量の魔物に対して1人で大立ち回りを繰り広げる、聖なる光を纏う漆黒の翼を生やした銀髪の少女だった………



「っ!?フェイっ!すぐに加勢するぞ!!」


「ああ!」



わたし達は一斉に散らばり、魔物達を倒しにかかった!

皆、そこいらの魔物相手なら単騎でも挑んでも負けない程度には強い。

それにわたしの背中にはフェイが居る。

だからその当時の全力で戦った!



「はぁっ!うらァっ!」


「テトラスラッシュ!っと!屈めアデルっ!」


「っ!」


「魔剣空破!」



わたしが屈むと頭上をフェイの剣戟が横切り、敵を両断する!

わたしは立ち上がりつつ下からの切り上げで別の魔物を切り裂いた!



「フェイっ!」


「ああ!」


「「っらぁっ!」」



更にそのままフェイとすれ違いざまにそれぞれ魔物を切り伏せ、わたしは別の魔物に蹴りを、フェイは更に無詠唱で土の槍で魔物を複数体貫き、氷の剣で広範囲を薙ぎ払った!



「とりあえず粗方片付いたかな!?」


「銀髪の()は!?」


「ルリとユウ(ユーキの偽名)が向かったはずだ!」





→→視点変更→→サフィーア→→



………あたしとゆぅちんは今、【前世】の世界史で、そうでなくともあたしとゆぅちんの居た()()()()で、かなり有名な聖女様と対峙していた。

いんや、そうだと分かったのは、今のあたしが【精霊神】なんて人外になり、この瞳に【鑑定眼】が宿っているからなんさ。

今のあたしは、みかみーやあっきー、あたしが前世で出会った女の子達の【アルカナスキル】が全て使えるのだから。


同様に、ゆぅちんは男の子達のアルカナスキルが宿っている。

だからゆぅちんも気づいたはず。


目の前に居る、銀髪紅目(ぎんぱつせきがん) の女の子は…………









【ジャンヌ・ダルク】

種族…悪魔〔(!)狂戦士※本来は聖女〕

性別…女

状態…神の依代、狂化トランス

得意武器…剣/旗


スキル一覧

悪魔聖女(ジャンヌさんマジ聖女)】→死して悪魔になっても尚、その清らかな心は失われてはいなかった。

※闇魔法と光魔法、暗黒魔法と聖魔法に完全耐性、自身も同魔法を使用可能

(!)スキル【血塗られた手】【主よ、導きたまえ】の効果により現在無効化中


傾国の魔女(オルレアンの魔女)】→魔法威力にプラス補正、火耐性上昇、水/氷魔法習得


導き手(流石ジャンヌさん!)】→武器種【剣】を使用時、味方全員の攻撃力上昇、武器種【旗】を使用時、味方全員に自動回復状態付与


血塗られた手(マチガイサガシ)】→人を殺す事に慣れてしまった………だから……私は…………私は……………!(状態異常:神の依代)

※自我の崩壊により自らの意思と関係なく戦う。


主よ、導きたまえ。(聞こえない神の声)】→【血塗られた手】の効果を狂化。(状態異常:トランス)

※更に自我の崩壊が進み、殺戮を愉しむモノに成り果てる。

殺戮効果にプラス補正がかかり、殺せば殺すほど狂化されていく。

(!)現在狂化が進みすぎて自我が完全崩壊しているので【悪魔聖女】の効果が無効化中

(!)本来の【主よ、導きたまえ(信奉者)】は味方全員に恐怖・絶望耐性付与であった。






…………聖女、【ジャンヌ・ダルク】の姿をした、()()なんだと。

あー。うん。

スキルのルビとか、どうにかなならないのかにゃ〜………

シリアスな雰囲気ぶち壊し…………

まぁ、いいや。

シリアスブレイカーなのはあたしやミツミツと同じだし〜。

とりあえずあたしは、手早くハーブティーをいれてジャンヌさんに近付いた。



「……。」



因みに、仮にも精霊神の化身であるあたしがいれるハーブティーは普通とは違う効果をもたらすトンデモ茶になっていたりするんだよねぇ〜

だからゆぅちんもあの凶行状態のジャンヌ・ダルクに近付くことを止めなかった。



【瑠璃茶〔鎮〕】

種類…回復アイテム〔お茶系〕


効果…【精神特効(リラックスティー)】→精神系状態異常に対して完全回復効果あり

香りだけでも軽微な異常であれば治癒可能で、重篤(じゅうとく)であれば軽減可能、落ち着かせた所で飲ませよう。



「うぁぁぁぁ!!」



聖女サマは暴れる様に剣を振り回し、魔法を乱射しているぅ………

ちとこえーなぁ……………



「……あ、そーだ。」



ジャンヌ・ダルクと言えば『神の声が聞こえなくなった』系の話が定番だよにゃ〜?

んで、あたしは()()()

なら、やる事はひとつっしょ〜?



[聞こえますか?人の子よ。

今、貴女の心に話しかけています。]


「っ!?」



おっ。

はんのーあったねぇ〜。

あたしは茶の香りを漂わせながら更にジャンヌさんへ近づいて行く。

ついでに結界を張って魔物をはじき飛ばしたった〜♪

お膳立ては完璧かにゃ?♪



「……貴女…は……?」



あたしに気づいたジャンヌさんは、剣を下ろしてあたしを見てきたから、あたしは無言で茶を差し出した〜。



[そこに居るのは現界した我が化身。

聖女よ、荒ぶる事はありません。

貴女に声を届けられなかったのはこの娘を貴女に遣わす為に準備をしていたからです。

これからはその娘が、貴女を直接見守ることでしょう。

勿論、これからも私は貴女を見守りますよ。]



んぅ……ジャンヌさんの【神様】がこれで合ってるかは分かんない。

けど、あたしだって神様なんだから、ウソにはならない………よにゃ………?

そのジャンヌさんはあたしの差し出したお茶を飲むと、蕩けるような笑顔で祈りを捧げた〜



「………あぁ……(しゅ)よ……ありがとう、ございます……!

悪魔に身を堕とした私を、主は見捨てないでいて下さるのですね………!」




【ジャンヌ・ダルク】

種族…悪魔〔聖女〕

性別…女

状態…健康

得意武器…剣/旗


スキル一覧

悪魔聖女(ジャンヌさんマジ聖女)】→死して悪魔になっても尚、その清らかな心は失われてはいなかった。

※闇魔法と光魔法、暗黒魔法と聖魔法に完全耐性、自身も同魔法を使用可能


オルレアン(魔法少女まじかる)の魔女(じゃんぬ☆)】→魔法威力にプラス補正、火耐性上昇、水/氷魔法習得


導き手(流石ジャンヌさん!)】→武器種【剣】を使用時、味方全員の攻撃力上昇、武器種【旗】を使用時、味方全員に自動回復状態付与


女神(女子力)()(化身)】→魅力値は常に最高値をキープ、あらゆる家事行動にプラス補正、【天使の笑顔】【悪魔の魅力】【家事万能】の複合スキル


主よ、導きたまえ(信奉者)】→味方全員に恐怖・絶望耐性付与


神との邂逅(隣のロリ神様)】→近くに精霊神が居る限りジャンヌ・ダルクは精神系状態異常に完全耐性を得る



よし、ステータスも治ったっぽいにゃ〜♪

………なんか、よけ〜なもんついた気もするけど〜…………

まぁイイや〜♪



「さて〜、落ち着いたかにゃ?ジャンヌちゃん♪」


「あ……はい、ありがとうございます。

あの、貴女様のお名前は…………?」


「あたしは精霊神のサフィーアよ〜!

でも、今は訳あってルリって名乗ってるから呼ぶ時はルリでよろしくぅ〜♪」


「精霊神のルリ様ですね……?

あの、不束者ですがどうぞよろしくお願いします……!精霊神様!!」


「ん〜……堅苦しいのはあたし嫌いだから〜、ジャンヌちゃんもルリって呼んでほし〜な〜?」


「えっ……ですが……


「おねが〜い………



あたしが目をうるうるさせて見詰めると、根負けしたように微笑んだジャンヌちゃんは改めてあたしに頭を下げた。



「では、ルリさんと呼ばせていただきますね?」


「うん。よろしくぅ〜♪」


「聖女様は落ち着いたか?」


「おー!ばっちりだじぇ〜!」


「……お前、聖女様に対する配慮は無しか?」


「あ、いえ、神様にも色々あるとは前に聞いた事がありますので。」


「………そうか。俺はコイツの旦那で、ユーキという。

今は訳あってユウと名乗っているから、呼ぶ時はそちらで頼む。」


「旦那様……!?では、ユウ様も神様であられるのでしょうか……?」


「………まぁ、そうだな。狐が神格化した者と思ってくれて構わない。」


「~~~~~!」



おやおや〜……ジャンヌちゃん、恍惚とした顔をしてるねぇ…………

まぁ、神様が直接、しかも2人も現れたんだから無理もないかぁ~………






→→視点変更→→アルカ→→



そんな訳で、ジャンヌさんはサフィーアさんとユーキさんの従者として共に旅をする事になり、かなり女子力が高いジャンヌさんと、同じく家事スキルが高いノエルさんを先生にしたわたしも料理が上達し、旅路での食事とは思えない程の料理を振舞ったのだった。




「………あの、もしかしてジャンヌさんもわたしが死んじゃった時に…………


「……あの事ですか。

はい、悲しかったし、沢山泣きましたよ……?だって、貴女は私にとって家族の様な存在でしたから。」


「……サフィーアさんからは何も聞いてないの……?」


「………精霊神様が言うには、『1人くらいガチ泣きする人が居ないと信憑性が無い』のだとか………

【ガチ泣き】、の意味は何となくで理解しましたが………神様の言葉は難しいです。」


「うん、それ神様語じゃないからね!?」



あえて言うならサフィーア語だよ!!



「っと。出来ました♪」


「…ジャンヌさん話しながらなのに手際良すぎだよ………



まあ、かくいうわたしも朝食は出来てるんだけど…………



「ではまた!会えて良かったです♪」


「………あ、うん。わたしもまた会えて良かった♪」



いけないいけない………同じ女の子なのに見惚れちゃったよ………

ジャンヌさんの笑顔は、本当に魅力的過ぎる………

あれのおかげで旅の間何度かトラブルになったけど、同じだけ助けられもしたんだよね………




さて!フェイに朝ごはん届けなきゃ♪

今日もまた、楽しくなればいいなぁ〜♪



因みに、ジャンヌさんは準レギュラーポジです。





サフィーア「ねぇ〜?ジャンヌちゃん。

ツインテールにしね〜か〜?」


ジャンヌ「精霊神様が仰るなら喜んで!」


サフィーア「わぁ〜い♪ツインテ聖女様〜♡」


アルカ「ジャンヌさんで遊ばないっ!!;

後ジャンヌさんはサフィーアさんの言う事を真に受けないで!?;」


ジャンヌ「精霊神様に喜んでいただけるなら私は何でもします!」


サフィーア「ん?今なんでもするって言ったね??

ならジャンヌちゃんは料理をする時はこの、日ノ国伝統の料理着である【割烹着】を着なさい!」


ジャンヌ「精霊真様からの贈り物……!ありがとうございます!大切にしますね!!」


アルカ「もうやだこの精霊神と聖女様っ!!;」

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