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chapter7:帝国の元皇女(アルカ視点)

またもや不定期更新、時間も半端です………

救難信号があったと言う帝国のとある主要都市に転移したわたしとフェイは、すぐに索敵魔法を使って敵を探した……



「……敵対反応は街の外かな。」


「うん。だけど強大な()()の気配が一緒にあるね?」


「やっぱり罠だろうか?それとも、()()()をどうにか出来てしまう様な手練が、あの王の配下に………?」


「とにかく行ってみよう!」


「ああ。」




敵とあの人が居るであろう場所に来ると、案の定、銃を両手に構えた少女が多数の騎士と戦っていた!

だけどおかしいな………なんで、()()()が生身の人間である騎士達に劣勢なの………!?


わたしはすぐに精霊剣四振りを召喚して二振り向かわせ、わたし自身も割り込んだ!



「四 精 乱 舞 ッ!」


「っ!?ゆ、勇者さん!?」


「なっ!?勇者だと!?」


「助太刀するよ!()()()のアリアさんッ!!」


「感謝します!っはぁぁっ!!」


「ぐぁ!?」

「がぁっ!?」



わたしが切り込んだ事で生まれた隙にアリアさんが2人撃ち倒すと、リーダー格の男は逃げの態勢にはいったな



「チィィッ!おいテメェら!引き上げるぞ!」


「逃がしませんよ!!」


「図に乗るのよ魔物と偽勇者がッ!!【聖剣】よッ!」


「くはっ………!うぅ………


「っ!?」



【聖剣】!?

嘘でしょ!!なんでそんなモノをあんな奴らが!?

そりゃあ苦戦するよ!聖剣は只でさえ高威力兵器なのにリッチのアリアさんじゃあ相性が悪すぎるッ!!

現に逃げ際に適当に振るっただけの剣戟(けんげき)がアリアさんに致命的な一撃を与えているし、【土の壁】が出現して剣戟を防いだから【即死】効果まで付与されてるみたい……。

まぁ、リッチだから致命的なだけじゃ倒せないんだけど。

だってリッチって死人だし。致命的云々言っても元々死んでるから意味無いし。

でもわたしがあれで斬られたら死んじゃうよッ!!


リッチって言うのは死者系魔族達の中でも高位の存在。

たとえ聖剣でもリッチを()()させるにはそれなりの技量が要る。



「シルフィード!ウィンディーネ!!」



すぐさま二振りの剣を飛ばすと、件の【聖剣】とやらを弾いてわたしの方へ飛ばしてくれたから手に持っていた二振りを消してキャッチした。

どうやら使い手の方は弱いみたい…………ますます謎が深まったね……?

なんでそんなのが聖剣なんて伝説級の宝剣を?

そもそもこれ、本物??




「たはは……ボクの出る幕が無かったね………


「フェイ……


「でも、ここは下手に魔王が出なくて良かったかな…?」


「っ!魔王様っ!!」


「………こうなるし?」


「あはははは…………



アリアさんはすぐさま平伏した………

対するフェイは苦笑いだ………

もぉ……フェイはそんなの気にしないから良いのになぁ…………

アリアさんの場合、戦闘中でも平伏しそうになるから困りものだよね!

まぁ、そのあいだに攻撃されても不死身(既に死んでる)なんだけど。

そんなアリアさん、実はさっき呼びかけた通り、フェンリル帝国の皇女様で現皇帝であるクラウスさんの姉だったんだけど、当時皇帝の座を狙っていた奴に攫われ、洗脳され、クラウスさんと現皇后であるステラさんに襲いかかってきたんだ………

クラウスさん、ステラさん、アリアさんは互いに仲が良かったから……2人はアリアさんを殺せなかった………

だけど洗脳されてるアリアさんは躊躇無く2人を殺そうとした。

そんな時だ。


『ァ……ガ……ワタ…シ…ハ……』


パァァン


『姉さぁぁぁぁんッ!!』

『姉さまァァァァッ!!』



ふと一瞬、我に返ったアリアさんは自殺してしまう。

深い後悔や、最愛の弟や将来の義妹と争わされた恨みを抱えたまま…………

まぁ、結果的に言えば…………ご覧の通りアリアさんはリッチ少女として第2の人生(?)を歩んでいるのだけれど。


そんな出来事もわたしが死ぬ前だから最早10年以上前、クラウス皇帝陛下とステラ皇后陛下はもう30代近いし子供も居る。

そんな中、1人だけ永遠に18歳のまま身体年齢が止まってしまったアリアさんは…………

うん、考えるのはよそう。

今のわたしだって、精霊化した影響で成長が極端に遅くなり、半永久的に16歳の身体のままになったのだから。

但し、わたしの場合は恋人のフェイが魔王様であるから同じく不老。

かなり恵まれてるんだよね。


閑話休題。



「そんなに畏まらないで良いよアリアさん。」


「いえ、貴方様のおかげで私は私のまま、こうして現世に留まれるのです! どれだけ礼を尽くしても足りません!!」



フェイはやっぱりそう言ったけれど、アリアさんはリッチとして蘇り、暴走していた自分に理性を取り戻させてくれたフェイには頭が上がらないみたい…………


っと、それはそうと聖剣だよ!

わたしは手元の聖剣を鑑定してみた。



武器名【聖剣〔封〕】

武器分類【不定形】

属性【聖】

ランク【?】


魔を屠(人間にとって)る剣(都合がいい)

→【魔族】特効あり

→【人間】が装備している時は【魔王】に対して超絶ダメージを与えられる

→【勇者】が装備している時は【魔王】から受けるダメージが80%カット


悪を屠る剣(独善的な剣)

→人間の敵に対して超絶ダメージを与えられる

→装備者が【悪】と断じたモノに超絶ダメージを与えられる

→装備者に敵対した相手に50%の確率で【即死】付与


【封印剣】

→【????】が解呪を行うことで【???】が装備可能になる

→かつて【????】が【???】の為に用意したが盗まれた剣の様だ

→現在その効果の全てが違うものに変質している



「おや?その剣は………


「知ってるの?フェイ。」


「うん、付与されたスキルが変わってるけどそれはかつて母が父の為に作った剣……の試作品じゃないかな。

尤も、父の武器は【警棒】や【ナックル】だったから剣の形になる事はほとんどなかったと思うけど。」


「へぇ………って!ならこの剣は先代魔王様のモノなの!?」


「そうなるね。

2人を知らないアルカには3つ目のスキルが上手く読み取れないんじゃないかな?」


「あ、うん。名前っぽいところがクエスチョンマークで埋まってるよ。」


「そうだろうね。

因みに、母の名は【ティエサ】、父の名は【ユウキ】だよ。」


「お父さんの方はユーキさんと音が似てるね?」


「実際同じ名前で顔も同じだからね。

ただ、分かりづらいからニュアンスを変えて【ユウキ】と【ユーキ】って呼んでるんだ。」


「でもそれ、あまり違いがないよね…?」


「まぁね、だから父を呼ぶ時は【先代魔王】とか【先代】、【御隠居】と呼ぶとわかりやすいかな。」


「なるほどー?」



うん、名前も顔もおなじヒトが居るってややこしいね!?

でも実の姉弟でも無く実際は親戚なんだって。



「っと、それはそうとアリアさん。

地面に座っていないで立ってくれないかな……?

畏まらないでほしいんだ。

………魔王命令だよ?」


「はい!魔王様!!」


「呼び方もフェイ、もしくはフェンネル。」


「…はい、フェンネル様。」


「…………まぁ、それでよし。」


「あはは…………



なんだろ、ユーキさんが【魔王様】って呼ぶ時は真面目モードかお怒りモードだから良いのかな?

アリアさんの畏まった【魔王様】呼びは嫌みたいだね?



「アリアさん。

とりあえず僕達は1度、()()()()()()の所へ行こうと思うんだけど、ついてくるかい?」


「あ、はい!私も弟に会いたいですから。」


「んぅ……?」



皇帝陛下をさん付け呼び………

仲がいいとは言えそう呼んだということは。



「ねぇ、フェイ?」


「ん?」


「今からわたしとフェイは、元勇者と魔王じゃなくて………


「うん、クラウスさんとステラさんの友として向かう。

魔王と勇者が帝国の救援に向かったとなると公国や日ノ国が支援せざるを得なくなるからね。

公国も日ノ国も魔族が守護をしている位に戦いとは無縁の国だから。」



まぁ、あの2つの国はそれぞれが文化の役割だからね。

特に日ノ国の文化は独特で、【さぶかるちゃー】?も面白いし。


とにかく、2人が心配なわたしとフェイ、アリアさんは帝都へと転移した。

きっと帝都にはユーキさんとサフィーアさん、ジャンヌさんが居るはずだし。






アルカ「そう言えば日ノ国にアリアさんと同じ名前の主人公な【あにめ】?があったよ?」


アリア「まぁ!それはどんなあにめですか??」


アルカ「なんかねー、アリアさんみたいに二丁拳銃で戦うんだけど、その主人公はカタナも使うんだー。」


フェイ「アルカ、それ以上は語ってはいけない。」


アルカ「そう?まぁ、とりあえず日ノ国の人達はアリアさんを『リアルアリアで皇女とか萌えるわぁ!!』とか。」


フェイ「日ノ国は本当に独特過ぎる……;」


アルカ「見た目は違うのにね?」(絵を見せながら)


アリア「なら私もこの髪型にーー


フェイ「それ以上はいけない。」





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