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地球侵略なら、やっぱり猫だろう  作者: 猫洞 文月
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8 地球防衛会議をぶち壊す

8 地球防衛会議をぶち壊す


 基本的に狭くて暗いとこは好きなのにゃ。

 四方が壁で囲まれている、とくに背中をくっつけていられるのは快適なのにゃ。

 

 俺様、今日は、パパさんの部屋で休憩中。

 パパさんの大事そうな、そして俺様のベッドにちょうどいいサイズの箱にすっぽりはまっている。

 たまには戦士も骨休めが必要なのだ。


 ん? 


 ばさばさと布と紙が大量に振ってきたぞ。

 臭くないから洗濯機ではなかろう。


 俺様のお布団? なんか、ちょっと気が利かない感じだが・・・。


 バタン。


 うっ、しまった閉じこめられた。

 何事だ。


「ニャーッ! ニャーッ!」


 おい、何故答えない。

 中に俺様がいるということがわからんのか。


 かなり長いことニャーニャー言っていたが全く無駄なあがきだった。

 真っ暗な中、俺様、閉じこめられたまま横倒しになり、どこかに運ばれていく様子。


 やばいやばい。


 例の、あの、ぶすーって、なんか刺されたとこじゃありませんように。


 いや、怖がってないからね、ほんとに。


 ほんとだってば。


 「山田君、資料を出してくれないか」


 聞いたことない声がする。


「はい、ただいま」


 パパさんの声が初めて聞こえた。


 ぱか。


 やっと蓋が開いた。


「ニャーッ!」


 ばたばたっ!

 どどどどっ!


 「あっ、猫・・・?」

「うわっ、資料が・・・」

「早く誰か捕まえてくれ。山田君、君の鞄から出てきたぞ!」

「えっ? いや、そんな筈は・・・。どうして鞄から?」


 見たことない部屋に長い机がたくさん並んでいる。目の前には巨大なスクリーンに映し出される映像が。

 そうか、ここは地球防衛会議の会議場だな。

 今まさに、作戦会議の真っ最中というところか。


 よし! 休日返上!

 妨害してやるー。


 俺様、なんて職務に忠実なんだろう。過労死しちゃうかも。


 どどどどど!


「捕まえろ! 松本君、そっちだ。まずい、プレゼンの資料がぐちゃぐちゃだ」

「えっ? 猫は、私はちょっと苦手でして・・・、えー、アレルギーが・・・」

「山田君、君の猫だろう!」

「は、はい、ただいま・・・。すぐ捕まえますから・・・」


 どどどどど!


 「ウニャッ!」


 くうう、ついに捕獲されてしまった。


 しかし、地球防衛をかなり攪乱できたとみえる。 

 地球人戦士たち、相当ぼろぼろの様子。


 「・・・というわけなんだ。美奈か母さん、ダグラスを引き取りに来てくれないか。まったく、いつの間に出張鞄なんかに入り込んだんだろう・・・」

「ウニュー」


 俺様、すっごい怒られた。

 俺様、職務に忠実なだけなのに・・・。


「ミウー」


――――――――――――――――――


読んでくださってありがとうございます。

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