表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球侵略なら、やっぱり猫だろう  作者: 猫洞 文月
6/12

6 スパイの末路は悲惨なのだ

6 スパイの末路は悲惨なのだ


 スパイ。


 あくまで敵の目を欺き通し、冷徹に味方に情報を流し続ける。


 地球ではスパイといえば、かっこいいと思われているフシがあるが、本当のスパイはかっこよくなどないのだ。背は高すぎても低すぎてもいけない。女にもてまくるなどありえない。華々しい活躍など決してしてはいけない。


 本物のスパイは目立たず遅れず逆らわず。

 

 そして、おまえ。


 完璧に隠れたつもりだろうが、俺様の目はごまかせない。

 棚の上にたたずんで、うっすらとほこりをかぶったその姿は、まさにベテランスパイそのもの。

 

 俺様に見つかったのが運の尽きだったな。

 いくらかわいいクマのふりをしたって、わかる奴にはわかるのだ。


 えいっ! ジャンプして棚から落とし、まずは軽いジャブから。


 ガブガブ。バシバシ。


 うむ、まだ口を割らないつもりか。

 それならば、こちらも本気出す。


 猫パンチ猫パンチ猫パンチ猫パンチ!

 猫キック猫キック猫キック猫キック!


 はあはあ。


 意外としぶといな、おまえ。

 スパイとしてなかなか見所、あるじゃねえか。

 怪我をしたって血を流さないで、フワフワの雲みたいなやつをはみ出させるなんて、なかなか高等技術じゃないか。


 どうだ、NEKO星に忠義を尽くす気はないか。

 場合によっては好待遇で採用してもらうよう、俺様が交渉してやるぜ?


 「あっ、ダグラス! なにやってるの!」


 しまった、邪魔が入ったか。


「もーっ! ひどい! ダグラス。死んだおばあちゃんにもらった大事なテディちゃんがーっ!」

 

 え? ・・・いや、そいつ、スパイなんだってば。騙されるな、美奈。


「許せない許せない。もう、今日はご飯抜き!」


 え? だからスパイだよ?

 悪いのあいつだよ?

 なんで、俺様ご飯抜き?


 「ミウー」


 悲惨なのは俺様の末路だった・・・。



――――――――――――――――――


読んでくださってありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ