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地球侵略なら、やっぱり猫だろう  作者: 猫洞 文月
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4 宿命のライバル

4 宿命のライバル


 子猫というのは便利であって便利でないところもある。

 小さいので、ジャンプしてもイマイチ高いところに届かない。まあ、成長とともにジャンプ力も増すのだろうが。


 テーブルの上になんだかうまそうな物が乗っているのだが、さっきからなかなか届かない。

 この家の住人は何故、椅子の背をテーブルにぴったりくっつけておくのだろうか。


 くそう、椅子までは乗ったものの、背もたれが邪魔で机に乗れない。


 俺様、地球について調べたところ、確か、最もジャンプ力を持つ生き物はノミだったと思う。しかし奴らはもっと小さいので何百倍ジャンプしても机には届かない。


 俺様の仲間に確かノミに転生した奴がいたようないなかったような。今頃は苦労していることだろう。


 どうでもいいけど、最近、妙にかゆい。


 バリバリバリ。


 いてて、掻きすぎた。


 「おっと、キャトル、ちったあ手加減しろよ」


 ん? なんだか聞き慣れた声がしたぞ。誰だ。


「俺だよ俺。フリーだ。久しぶりだな。元気か」

「うるせえ、誰かさんのおかげでかゆくてしょうがねえ。おまえ、もしかして俺様に寄生したりしてねえだろな」


 「へへへっ、まあ、そう怒るなよ。俺だって食べて行かなきゃいけないんだしさ。いいじゃん、一緒にいれば情報も共有できるし。それにしても、なかなかうまいな、おまえの血。O型か」

「んなこと知るか! とっとと離れろ。かゆいんだってば!」


 「フーッ!」


 ああ、かゆいかゆい。


 バリバリバリ。


 ばり掻きすぎて血が出ちまった。っきしょーっ!


 「あらやだ。ダグラスったら、これ、ノミじゃない? やっだー」


 大きなお世話だ。誰が一番やだと思ってる。


 しかし、勝負はあっさりついた。

 ある日、「ノミ取りシャンプー」なるもので、俺様、洗われた。


「助けてー!」


 と、流れていくフリー。


 ふう、ようやく離れたか。


 安心しろ、この世界で死んだらまたNEKO星に戻れる。

 今度はどっか別の星でがんばるんだな。

 二度と俺様の縄張りに顔出すな。


 しかし・・・。


「フギャー!」


 こら、耳に水入れるな! 鼻にも!

 死ぬー!

 

 「ほらあ、大人しくしてダグラス。もうちょっとだから」


――――――――――――――


読んでくださってありがとうございます。




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