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地球侵略なら、やっぱり猫だろう  作者: 猫洞 文月
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3 最初にして最強の敵

3 最初にして最強の敵


 温かいところでまどろんでいたら、俺様、いきなりなんかハコに入れられた。 


 「アオーン、アオー」


 怒っているが、ハコから出れない。なんて堅牢なハコなのだ。そのまま、俺様、どっかに拉致らちされた。

 

 ななな、なんかヤバイ雰囲気。


 この薬臭さは何なのだ。

 それに、動物たちの悲愴な嘆き声。

 帰してくれ、俺様、お腹すいたなり。さっきの家でいいから、なんか食べ物くれ。


 「山田ダグラス様ー、中待合いでお待ちください」


 何を言ってる。俺様の名字は山田じゃねえ。

 キャトル・バステトという由緒正しい名前がある。おいっ、あるっつうの。


 うっ、この明るすぎる白い光は何なのだ。

 

 「出ておいでー、ダグラス。怖くないから」


 怖くないと言われて本当に怖くないものなどあるものか。

 いや、こここ、怖がってないぞ。絶対に怖がってなどいないってば。ほら、俺様、最強戦士だから。


 「アオーン、ナーローウ」

 

 ずるずる。


 ハコの底に引いてある毛布にしっかり掴まってみたが、毛布ごと引きずり出された。


 「じゃあ、山田さん、顔のとこ、しっかり押さえといてね。はい、予防注射混合ワクチン打ちまーす」

「お願いします」


 おい、お願いするな、こら。


 こらっつうの!


 ぶすー。


 いてーっ!


 「フギャーッ!」


 バリバリ! 


 「いてっ、おお、なかなか元気な子だね。いいねえ」


 よ、よしっ。一矢報いてやったぞ。


 敵もさるもの引っかくもの、いや、違うか。引っかくのは俺様の方だ。

 じゃあ、猿はこいつか。よし、今度こそ、目にもの見せてくれるわ。


 全体、構え!


 「はい、おしまい。次ーっ!」

「ありがとうございました」


 おい、待てっ! 俺様、まだ最後の一撃を・・・一撃を。


 「フーッ!」

「帰るよー、ダグラス」


――――――――――――


読んでくださってありがとうございます。




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