11 俺様、ブチである。三毛じゃない。
11 俺様、ブチである。三毛じゃない。
そろそろ温かいものが恋しい季節になってきた。
ニンゲンというものは、温かいものに関しては、実に優れた発明をする。
そう、まずコタツ。
これは最高だ。NEKO星の連中にもぜひ教えたい。
この、一度入ったら二度と出られなくなるほどの心地よさ。
ん?
いかんいかん。
こんな快楽を覚えてしまってはNEKO星人滅亡してしまうかもしれない。そうか、奴らの、そういう作戦なのかも。
コタツのいけないところは、全身で入ってしまうので、頭までぼうっとしてしまうところだ。
その点、ストーブはよい。
体の片側だけ温まるが、反対側は涼しいままだ。
寒さを覚えたら反対を向けばよい。
フニー。
俺様、温まりすぎてなんだか眠くなってきた。
ぬくぬく。
「あっ! ダグラス、危ない!」
俺様、いきなり抱き上げられた。
ん?
何が起こったのだ?
「あっぶなーい。あーあ、焦げちゃって」
なぬ? 焦げた?
「見て、ママ。ダグラスったら、三毛になってるー。面白ーい」
「あら、ほんと。夏毛はブチで冬毛は三毛なのかしら。こんがり焦げておいしそうね」
なにー!
なにー!
俺様、白黒だったはず。白い毛がお焦げになって茶色が加わり三毛になってしまったということかー!
恐るべし、ストーブ。
「かわいいから写真撮っとこ。はーい、こっち向いて、三毛ちゃん」
「フーッ!」
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読んでくださってありがとうございます。
こんな馬鹿な、と思われるかもしれませんが、これは、私が昔飼ってた猫に本当に起きた事件です。しかも、やったの、一匹じゃなかった。ブチの子は三毛になり笑われましたが、三毛の子はあんまり目立たず笑われませんでした。三毛の方がおトク?
明日が最終回です。よろしくお願いいたします。