【ダンドリアン】
柊学園高等部に、その名をとどろかす、奇妙な三人組がいた。
眉が太くて、とかくよく笑う女子高生・白川実子。
その恋人にして肌が色黒いハンサムなヒーロー然した・加領郷歯車。
そして、二人に比べたら地味な風貌に比べ、いつだって二人をサポートする月影次郎。
毎日をトップギアで生きている彼女達には、エキセントリックな青少年であることとは別に、裏の顔があった。
地球と意識を接続し、過去から未来すべての事項を知る女子高生予言者シロネコとしての顔。
6種の化け物を絶滅に追いやった、生粋の戦闘魔術師カーゴとしての顔。
そして、日本国で一番強いと言われる異能の正統継承者九代目【次郎】としての顔。
彼女達の住む街は、まるでフリーペーパーのように魔術書がそこら辺にあり、探そうと思えば、いくらでもこの世ならざるものが現れる、此岸と彼岸の境界上のような場所で、野ざらしにされた、他人を傷つけるための邪悪な魔術が転がっている。
そういったものを片端から見つけて、破壊して、なかったことにしてく、正義の味方・もののけ三銃士としての顔。
そして、もののけ三銃士には敵がいた。
同じ学校に通う同級生。ちょっとミステリアス雰囲気を漂わせる、絵にかいたようなお嬢様。古来より綿々と受け継がれる呪術師の家系で、御家騒動で家族同士が争う中で精神を育んだ彼女は、その生まれと育ちから『悪』に傾いてしまった。
天才少女・双葉宮咲貴。魔術を作る才能を持った彼女が、この世に力を放ち、それが悪意ある人間と結びついた時、よくない出来事が引き起こされる。
三人の誰が言い出したのかはわからない。三人の誰が最初にそうしたのかは、忘れてしまった。
ただ、三人は、それらを阻止し、打ち果たし、不思議な町を、ただの不思議な町のままにすることにした。
そして、もうひとつ。月影次郎の幼馴染である双葉宮咲貴に、世界はそんなに悪いことばかりじゃないと、思わせることことそが、三人の使命。
勝利条件はただ一つ。双葉宮咲貴を笑わせること。




