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もののけ三銃士・誠一と左子


月本市は、5年前に4市町村が合併して生まれた歴史の浅い町である。


工業都市、山奥の農村、ベッドタウン開発が進み始めた何もない町、その他もろもろが無理やり合併しているだけなので、非常にまとまりがない。



そもそもが、ある女子高生魔術師が無理やり開いてしまった3つの異界門の影響を受けた区間を片っぱしから一纏めにしてできた都市であるから、足並みなどそろうわけもない。


それでも、2人の逸材がいたおかげで、この町はなんとか形を保っていた。


1人は、月影次郎つきかげ じろう。この地域一帯を治める月本一族の分家の末裔。夜属性最強外法『月影降臨術』を用いて、扉を開けた魔術師を封印した男。


もう一人は、女郎屋敷小夜子。異界より現れた異形共と『平行協定』を結びつけ、行政代執行権を行使できる地球上でただ一人の女。



 この二人が、共同であたらねばならなかった事件が、一つある。



 月本市鬼郷町下集落(元・鬼郷村のあった地区)にて、異能を隠し生きていた半人半妖の元村民達が、独立を訴え武装蜂起した。


 月の光が届かぬ暗い森の奥であるため、月の光を媒介にする月影降臨術は通用せず。


 この世の化け物である彼らには、異世界の介入を防ぐための契約である平行協定は、執行できない。



 鬼の末裔 蓑火

 陰の宿主 新宮

 狐の守手 伏見



 最終的に彼らを説得することはできず、山の一区画を消滅させることで、事態は収束した。



 彼らがなぜこのような暴挙に出たのかはわからない。


 わからなくてもいいのかもしれない。



 彼らは死傷者なんて出さずに、しれっと山を降りて、普通に生きている。


 半分化け物であることなんておくびも出さずに、適当に生きていた。


「最後に一花咲かせたかったんじゃないの?」


 と言ったのは誰だったか。


 

 案外、それが真実かもしれない。



 伏見誠一は、狐の守手の一族の若頭領として、緊張しっぱなしで高校に入学したのだった。



 人数が少なすぎて小・中一貫校だった義務教育時代からは考えられない人の波にさらわれて、フラフラしている時に、証城寺文蔵と出会った。


 よくつるむようになって、自分が半分化け物であることを伝えても、平気な顔をしていた友。(「あ、やっぱ動揺した方がよかった?」と言われた時はふざけているのかと思ったが、後日、自分以上の化け物がいることを知る)



 二人で、ちょっとした事件を解決することになった時、(通称、紙女事件)三人目こと鍋島千草とも出会う。



 そうして三人組が確立された時に、誠一は彼女に出会う。



 彼の人生で初めての、心身共に混じりっけなしのまっとうな人間、島左子と。


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