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5章…この血に誓う

バイルが目にしたのは

身体中に返り血を浴びた

ヒエンの姿だった…。

ヒエンは生きていた。

不思議な紋様の刺青は

全身に浴びた返り血によって隠されていた。


ヒユリは全力で走り

勢い良くヒエンの胸に飛び込んだ。


『ヒエンお兄ちゃん…

無事で良かった。

心配したんだよ…怪我はない??』


『大丈夫だ…何ともない

少し疲れた休ませてくれ』

バイルはヒエンの受けた傷を見たが返り血なのか自分の血なのか判別が出来なかった。


どちらにしろアンノウンの生命力なら一晩も寝れば直ぐに完治するだろう。


神殿からでた瞬間…

バイルの目に飛び込んできたのは見るも無惨な光景だった…。


破壊され尽くした家々。

辺り一面にあるのは

数えきれない人の亡骸…。バイルは戦いの凄まじさを肌で感じた…。


それからバイル達は

アンノウンとの戦いので

死んでいった者達を埋め弔った。


数時間後…

神殿の中に大勢の人達が集まっていた。


バイルは里の長の話を聞いていた。


『古の時代…

我々アンノウンは争いに明け暮れ世界は破滅に向かっていた。

地表に埋め尽くすほどの

亡骸を残し争いは終わった…。』


里の長はそこまで言うと

口を閉じ黙り込んだ。


『伝承は何を物語っているのか…だが容易に想像できよう!争いの先にあるのは破滅…殺戮の跡には何も残りはせん。』


再び黙り込む長。


『待ってくれ!!

じゃあ何もするなっていうのか!?あれだけ人が殺されて何もするなって…。

奴等はまた来るかもしれないんだぞ!!今度は里を守りきれないかもしれない!そうなってからでは遅いんだよ!!

俺は過去の伝承なんて知ったことじゃないんだよ…

過去に縛られて未来が見えなくなったらおしまいなんだよ!!

今は俺達の未来…

子供達の未来の方が大切だ!!

伝承に縛られていたら…

待ってるのは破滅だけだ』

ヒエンはそう言い放つと

神殿からで出ていった…。

バイルはこれから一体何が始まろうとしているのか皆目検討がつかなかった。


『滅びの運命…。

そもそもの間違いは我々がこの世に存在している事

自体なのかもしれん…。』里の長は独り言を呟いた。

里の男達が広場に集まっている。

ヒエンの考えに賛同し

集まった者達は軽く50人を超えていた。

皆、先ほどの戦闘で最愛の人を失い決意は堅かった。

『時は動き出した。

伝承が語る末路は滅びの道なのかもしれない。

だが運命は変えられる…

いや変えられると俺は信じている…!!』


ヒエンは天に向かって高々と右腕を上げた。

自らの右手首に傷をつけ

傷口から血が滴り落ちた。

『この血に誓う!

俺達は勝って未来をてに入れる!!』


そうすると里の男達も

次々に勝利を誓い、誓いの血を大地に染み込ませた。

バイルはその光景をただ

呆然と見つめていた。



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