ポッテの独白、3
「おう、おかえり〜っ!」
ギルドに戻ってきたアランを見るなり、真横から声を掛ける。真横からだぞ、真横から。なのにコイツ、素知らぬ顔で通り過ぎてくんだよ。え、なに?泣きたい気持ち。いや泣かねぇけど!
コイツはどうにも他人への関心が希薄っつーか、自分の存在感が全く無いとでも思ってんのか。我ながら何でこんなことしてんのか分かんねぇんだけどよ。気になるもんは気になるから、もう徹底的に行ってやるぜ!
まずはアランの行動範囲の把握。
主に森。ソロでダンジョン攻略に乗り出すような無謀さは無し、安心。薬草採取、失せ物捜索、小型魔獣の一定数討伐等の依頼が主。どうやら依頼をこなす途中で遭遇した魔物を仕方無く討伐している模様。謎。
アランの拠点。飯が美味いと評判の宿屋らしい。部屋までは不明。そこまで干渉したらオレがヤバい奴になりそう。
アランの戦闘スタイル。装備は軽装、短剣を装備しているが魔法も使えるらしい。大型の魔物を狩った経験があるっつーことは、そこそこ上級の魔法が使えるのかもしれねぇな。
アランの無事を確認したり声掛けて無視されたり、っつー日課を繰り返す内に、興味半分で踏み込んでみようと画策した。アイツが受けそうな依頼を確認、森のちょい奥まった場所に群生しているらしい薬草の採取。なんで場所を知ってんのかって?情報収集はお手の物ってな。
意気揚々と先回してやる。来ない可能性を考えなかった訳じゃなかった、が。アイツなら選ぶっつー確信めいたもんがあった。来なかったらオレが泣くだけで誰も損しねぇしな。
さて、森に入るってことは魔物と対面した時の備えもしとかねぇとな。最低限の薬類と、魔物が忌避する匂袋を身に付ける。念の為、携帯用の寝具も持って…と。
道程は思いのほか順調で、昼頃には目的地へ到着した。さて、アランは今日中に来るだろうか。とりあえず安全な木の上に寝転べるスペースを作り、のんびりと待つことにした。と、その前に。
依頼の花を一輪、根元の土ごと掘り出す。ひとりで待ってんのは寂しいじゃん?お前さんがお供になってくれよ。
そんなこんなで、お花ちゃんと待つこと数時間。人の気配が近付いてくる。余程慎重に行動したのか、既に日が傾いていた。
さて、お花ちゃんと一緒にご挨拶にいきますかね。花の根元の土を軽く払い落としながら、木から滑り降りた。




