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84 16歳 meet to 偉い人

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


「面を上げよレジナルド・ランカスター・ハミルトン候」


「はっ」



ここは謁見の間。真正面には王様が、その隣には王妃様が、少し後ろには正妃様の子であるアルバートを含めた第一から第三までの王子と第一王女、側妃様方の子である三人の王子と五人の王女が立っている。子沢山だな。


そして両サイドには右大臣左大臣を筆頭にずらりと議員貴族が並んでいる。おっとこれは!ランカスターとは歴史の違う、格式の高い本物の公爵家当主もお出ましではないですか!


そこら中から感じる視線。見られている…。凄く見られている…。ヒ〇キン並みの注目度だ。



「陛下に置かれましてはご機嫌麗しきお姿、まことに喜ばしきことと存じております。狂魔力を持つ私レジナルドがこうして陛下のご尊顔を拝見仕るとは恐縮の極み。すぐにでもこの場をお暇する所存でおります」


「そう言うでないレジナルドよ。お前は我ら王家のまごう事無き縁者ではないか。が、お前の気持ちは理解も出来よう。お前にそうまで言わせた今までの待遇まことに申し訳なく思っておる。して確認なのだが…狂魔力が制御出来ておるのは真実であるのだな?」



…極々丁寧に下から遠慮する体で会見を終了しようと思ったのに…。ましてやほーら、やっぱりね。やっぱり王家はちゃっかり制御出来た狂魔力を手に入れる気で…思った通りだ。


今の今まで放置しといてそんな調子の良い事…、お天道様が許してもこのフルカンスト様は許しません!

とは言え、制御出来てない…なんてこと言おうものならウエストエンドが牢獄になる。ヴィラの運営も不可能になるだろうし…むむむ…


「…お陰様で問題なく制御出来ております。ご安心ください」


返事はこれ一択…。仕方ない。


「陛下。ハミルトン侯爵はまだランカスターに居られた成人前より歴代稀に見る魔力量ながらついぞその波長が乱れることはございませんでしたぞ。それはこの右大臣オルグレンが証言いたしましょう。何より先だって対面を果たした高度な風魔法を操る息子が、本人そしてウエストエンドに大気の乱れは感じないと申しておりました」


わお!右大臣、それからブラッドリー氏も援護射撃ありがとう!



「では私からも改めまして…。陛下、ウエストエンドにて行われた直近何度かの魔力測定、その魔力量は常人の上限である100を遥かに超え既に130へと達しております。」

「「「おおー!!」」」ザワザワ…

「そしてレベルは限界値の1000…、これは狂魔力をもった過去の誰よりも大きな数値でございます。」

「「「なんと!」」」ガヤガヤ…

「そしてその波長は…ぐっ、露ほども、全く乱れてはおりませんでした…」


左大臣ー?え?何?悔しいの?不本意なの?どういう事?

けど正直に報告するところがさすが生真面目なローランドの家系。でも魔力130はまだ正直な申告値じゃないんだよ?実は200いってます、言わないけどね。


「父上、何度も申し上げておりますがウエストエンドの領内は緑と水に溢れ平和そのもの。彼はその類まれな狂魔力を全て領地運営へと還元しております。人々は皆笑顔で充実した日々を送り…あの地はなんと素晴らしいことか。その事実を今改めて議員貴族たちを前に証言いたしましょう」


「陛下。その皆とは所詮難民貧民、そしてあろうことか獣人族ですぞ。騙されますな」


カッチーン!どこのどいつだ!覚えておくかえらな!お前だけは何があろうと絶対ウエストエンドに入れない!あいつは永久に出禁だ!


「アッカー侯、かの地が難民貧民を無償で受け入れたことはむしろ国益であると言えよう。多くの領がそれにより治安が向上したと報告しているのだ。そしてそれは王都も例外ではない」


「では仮にそれらを認めるとしてもだ、獣人族と共存するなどと…下品な!」


お前もか!出禁二人目!だいたいそう言う思想の方が下品でしょうが!


「ウィルモット侯!我がクラレンス王国はゲスマン、ナバテアと違い獣人族を受け入れている!彼らを排除していたのは遠い過去の歴史だ!なんと恥知らずな事を…」


「殿下迄そのような…。何が恥知らずなのでしょう。奴らはいざとなれば素手で獣を刻むのですぞ?そんな者どもをどうして受け入れられる。野蛮なことこの上ない!」


フンガー!!!もう許せない!


「言っときますけど彼らは不要な殺生なんかしませんよ。敵が牙を剥かなければみんないたって温厚だ。いいですか?この世で飢えてもいないのに命を奪うのは人間だけです。愚かな人間だけが身勝手な利益のために同族で殺し合う…。…どっちが下品で野蛮か少しは頭を使って考えたらいい!!!」


「なんだと!獣人を庇い立てすると申すか!」

「やはりお前は狂魔力の継承者だな!とっとと帰って不毛の地より出るでない!」


「よさぬかアッカー!!ウィルモット!レジナルドはれっきとしたこの王家の血を引く者!それ以上は不敬と見なすぞ、良いか!!」


「陛下!ですが…!」


「黙れ!もうよいアッカー!そしてウィルモット!我がクラレンスは獣人差別を許さぬ。良いか、ウエストエンドへと蟄居された大叔母である第四王女、誰もが逃げ出すウエストエンドでその大叔母に従い最後まで世話をしたのが獣人と聞く。それ以来この国は獣人への無用な偏見を捨てたのだ。其方らは当分出仕を控えて歴史を学び直すがよい。晩餐会への招待も取り下げる!退がれ!」


「む…」

「ふん!」



さすが王様。これだけの言葉でこの場の騒ぎを収めるとは…

けど…納得してないって顔だな、あれ。ゴーディーに言って諜報張り付かせておこう。嫌な感じ。


それにしても第四王女ねぇ…。ま、考えた事あったんだよね。誰があの不毛の地にポツン…と建ったお屋敷で王女の世話したんだろうって。

でもこれでどうしてウエストエンドの西山に昔獣人族の里があったかなんとなくだけど理由が分かったよね。やっぱモフモフは正義だ。


「レジナルドよ。醜いところを見せた。が、あれはほんの一部の者ども。王子たち、そして行商や市井の御者などからも多くの称賛が届いておる。社交界においても今ではむしろ好意的な声の方が多いのだよ。ましてや此度の功績。騎士たちからの報告もそれを後押ししておる。皆今宵の舞踏会をとても楽しみにしておってな、許しては貰えぬか」


つまり…一部には居るって事ね。反感もってるあいつらみたいな奴が他にも。やれやれ。


「陛下にそこまで言われては…。ですが夜会への招待はこれきりでお願いします。社交界に不要な揉め事を増やしたくは無いので」

「レジー…、私が付いていながらすまなかった。舞踏会では君からひと時も離れずエスコートするよ。安心して欲しい」


なぬっ!?


ひと時も離れずエスコート?…ヒロイン不在になってるせいで王子の行動パターンがおかしい。

いやそれだけじゃない。


意味ありげに僕を見る王家の面々…

恐怖じゃない。蔑みでもない。値踏みにも似た、でもそれともまた違う、不快ではないけど落ち着かない、何とも言えないこの視線の意味は一体…





毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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