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7 11歳

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


2人を別邸付きの使用人として引き取ってから僕の着替えは自分の手からウィルの手に担当が代わってしまった。


僕の従者となった二人は、日夜僕の身の回りを何一つ不自由ないよう整えるのが仕事だからだ。


何故子供の彼らを下働きでなく従者としたか。それはウィルが教えてくれたコリンの事情にある。


どうやらコリンはまごう事無き父の血を引く僕の異母兄弟らしい。そしてウィルとコリンは異父兄弟。

つまり僕とウィルだけが他人であり、…だけど一周回ってもはや兄弟みたいなものと言っても良いんじゃなかろうか。


という事はだ、この二人にはきちんとした貴族教育を受けさせないとマズイじゃない?


だからと言って本邸の公爵がそれを認めていない以上、僕が勝手にそういう扱いをして、ましてやそれがばれた日には、彼らが、いや、あの女がこの二人をどうするか分かったもんじゃない。


ウィルは家令に母親から渡された紙を渡したと言った。そこにはコリンが公爵家の血を引くと書かれていたのだろう。そう予想する。


多分あの女は知っている。コリンが公爵の庶子だという事を。

だからあんなにまで辛く当たったのだ。それならこのままいつまでも大人しく引き下がるまい。


そう言った訳で僕の従者として一緒に教育を受けているんだよ。礼儀作法から一般教養、美術音楽、そして貴族年鑑まで、着々と彼らは身に着けている。いいアイデアでしょ?


何度となく嫌がらせはあったけどね。

すでに何度も暗殺を受けている僕からすれば、今さらちんけな嫌がらせの一つや二つ増えたところで何も変わらない。

何度も本邸に二人を返せって言われたけど、それについてはそのたびにお金の力で黙らせてきた。

なにしろ金遣いが荒いからねぇ、あの親子。お金も無いくせに豪遊するから常に勘定書が溜まりに溜まっているのだ。


しばらくすると僕というATMを利用するのにちょうどいい担保くらいに思い直したんだろう。思いのほか何事もなく2年の月日は過ぎていった。





僕の年齢は十一歳となり、フワサラの髪はサラ要素が強くなりいわゆる天使の輪なんかが輝くようになってきた。う~んキューティクル。


ウィルがほぼ毎日「可愛い」だの「美しすぎて心臓が止まるかと思った」だの言ってくれるが、主人を従者がおだてるのなんか当たり前じゃないか。

うっかり調子に乗ってあとでショックを受けるのは御免だ。これからも信じないでおこう。


そして肝心のレベルだが…


自慢じゃないけどとっくにカンスト状態である。

今は天井開放された無限レベルアップを黙々とこなしているところ。


当然アイテムも目ぼしいものは既に手に入れて、今は残りのいくつかと、ダブったアイテムの数を積み上げているところ。


そうやって集めた僕の財産、資源は、当初の計画通り全てウエストエンドに隠してある。

ああ!持ってて良かった『ワープゲート』!ドラ〇もんで言うところのどこでもドアだ。ホントにあれは良い働きをしてくれる。まさしく夢のアイテム!


そんな時だ。


「坊ちゃま、本邸に動きがございました。愛人エバが何かを企んでいるようですぞ?」

「ジェイコブ!それは本当か!」


「実は本邸の人の出入り、届けられる書簡、そういった動きを全て見張っておったのですが、あの愛人めは最近ジョット男爵と遣り取りをしておるようですな」


「ジョット男爵だって!」


ジョット男爵…、それは子供の僕でさえその名を知ってる悪名高きエロ男爵じゃないか!


とにかくその性癖は守備範囲が異常に広く、老いも若きも、そして男だろうが女だろうが、病的なその性欲を満たす為なら誰にでも手を付けるという異常性欲者。

社交界でも毛嫌いされ、自領の、さらに自分の屋敷から出てくることもせず日がな一日淫行に耽っているという、あの有名なジョット男爵…


「ジェイコブ、エバの動きに注視して。それからクラウス、ウィルたちから目を離さないで。嫌な予感がする…」



そんな日々でもやるべきことはある訳で…。

その日は数か月に一度の、どうしてもスルーできない王家との面談日。王家と言っても王や王子がわざわざ来たりはしないけどね。


僕には常に魔力の状態を報告する義務がある。面倒な…


それは領内にある聖堂にて行われるが、そこに王家の代理としてやって来るのは右か左かいずれかの大臣だ。

その大臣と神官の前で鑑定の水晶を使って現在の魔力量、そして波長を確認していただくのだが、…馬鹿正直に申告する義務迄はない。


内包する魔力量はMAXを100として、そのキャラによって上限の設定が成されていた。その魔力量によってレベル上げの困難さがまるで変ってくるのだ。


どういうことかというと、つまり魔法にしろ剣術にしろそのキャラの持つ魔力量で威力が違ってくるから魔物へのダメージも違うって事だね。

魔力量70のキャラがワンターンで倒せる魔獣も魔力量30のキャラじゃ3ターン必要、みたいな。


これは通常なら20~40くらいで生まれてきて本人の持つ上限を目指してコツコツ増やしていくんだけど、僕は狂魔力の特性上、初めから70くらいで生まれてきてただでさえ有利なのに、上限が200くらいあるんだよね。

で、当然今の僕はすでにそれに近いわけだ。てへ☆



バックインバックで忍ばせたマジックバックからこっそり隠ぺいアイテムを取り出し、お腹のところにペタッと貼ればあーら不思議、あっという間に僕の魔力量は85。えっ?真実を明かしちゃいけないのかって?


十一歳の子が魔力100オーバー…、そんなの脅威でしかないでしょ?

あっという間に隔離される未来しか見えないよ。だからもうしばらくは少し普通より魔力の多い子、ぐらいで留めておきたい、行動の自由を奪われないためにもね。


どうせ僕はいつかウエストエンドに行くつもりだ。

だけどあそこを自分の領地にするまでは事を荒げるわけにはいかない。

公明正大移住するのと、訳アリで幽閉されるのとでは天と地ほどもその先の自由が変わってくる。


僕は囚人になりたいんじゃなく、0から作り上げる僕の、僕だけの町、一国一城の領主になりたいんだ!



「こ、これはすごい…。十一歳にしてすでに85とは…。狂魔力とはこれほどなのか…」


静かな聖堂内は右大臣の唾をのむ音までをもはっきりと響かせる。


「ですがオルグレン侯、魔力の波は問題なく安定しております。これは亡くなられた公爵閣下の弟様には見られなかった傾向。内も外もいたって平常そのものでございます。」


「ふむ…、制御出来ておるという事か…?いやだがまだわからぬ!魔力の最盛期は二十歳を少し超えた頃、この魔力が100を超えた時…、その時が来ねば確証は持てぬ!引き続き注視せよ!」


酷い言い草だなぁ…。十一歳のいたいけな少年になんてことを。

けどその頃には狂魔力なんか、幼児の癇癪みたいなものになってるだろうけどね。



ようやくお仕事が終わって別邸に戻った僕に駆け寄る二人の従者…が来ないだと?


「大変ですお坊ちゃま!あの女が、エバ様が無理やり二人を連れ出してしまいました!」

「な、何だと!ジェイコブ!そこんとこ詳しく!」




毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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