76.5 聖女爆誕
アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。
『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。
ほろ酔いのアルコールをセルフデトックスで浄化した後、僕とニコは予定通り今現在『メイズ』に居る。
ここは聖女が聖女たるタイトルを取るためのミニクエストである。
ゲームの中身はさして難しくない。ここへの切符を手に入れるための『試練』の方がよっぽど大変。『試練』をクリアーしてここのマップさえ開放してしまえば攻略できない人はほぼ皆無だ。
実際ここはなんと言うか…、『誓いの祠』と同じで、あそこほどじゃないけど課金ポイントと言えるだろう。課金次第で楽勝なのがこの『聖なるメイズ』である。
ではどんなクエストなのかと言うと…、早い話がまぁ…パッ〇マンだ。
メイズの中に点在する聖なるエナジーを、お邪魔虫である〝ボンノー”を躱しながら全部回収して、回収し終わったところで出現する敵〝ゾクシン”を五体全部倒すって言う。
そして肝心の課金だが、実はメイズの入り口には小さな泉がある。その泉にコインを投げ入れ祈りをささげると攻略のための便利アイテムが浮かび上がるってわけだ。
さて、そのお賽銭にはランクがある。当然ランクとはお値段と比例するものだ。世知辛い…
ささやかな祈り:メイズ内の〝ボンノー”出現率を減少させます
真剣な祈り:回収後に出現する〝ゾクシン”を一体減らします
切実な祈り:アイテム〝サトリ”により一定時間無敵になります※連続使用不可
ぶっちゃけ…、このゲームのアルゴリズムはほぼ体に染みついている。
何故ならゴールまで行くとマップを出る前に『身を清めなさい」と、浄化アイテムがもらえるのだが、その中には0.75の確率でレア級の浄化ポーションが混じっていたのだ。当然レアハンターである僕はそれ欲しさについついやり込んでいた。
と言う訳なので今回課金が要るか?って言ったら別になくてもクエスト完了出来そうなんだけど…
「ケチケチしないでバンバン祈りを捧げなさいよ。裕福な侯爵様が何言ってんのよ」
「つい前世のクセで…」
さすが根っからの重課金者…
それにしても、う~ん…、煩悩や俗心に打ち勝たずして聖女になるとは邪道な聖女だと思わなくもない。
だけど煩悩だけで作り上げたウエストエンドには煩悩の塊みたいな聖女が相応しいのかもしれない…
「そこストップ!今出るとその先で挟み撃ちにあうからね。一体消えるの待って」
「あー、右じゃない、左の出っ張りで待機!」
「次くるからジャンプしたらダッシュね。分かった?」
「はいそこ!トントントンって進んだらピッと行ってサッと隠れて」
「助かるけど…、うるさいわね。頭上から声が降って来るって…どうなのよ」
「しょうがないじゃん。僕は応援しか出来ないんだから」
僕は風魔法を応用して空中に浮かび、ずっとついて回ってニコへアドバイスを送り続けている。
あー!自分でやれないのがもどかしい!
あれ…?もしかして聖女のタイトルが入らないだけで僕にもプレイは出来るんじゃないの?レアポーション…後で試してみよう…
それにしてもさすが僕。アドバイスが的確過ぎてなんとほんの四回目で、アイテム〝サトリ”を使わないままボス戦まで来てしまった。
「え?じゃぁここで〝サトリ”を使って無敵のまま〝ゾクシン”の数を減らしとけば後は楽勝じゃない?よし!これで終わらせるわよ!」
「オッケー」
こうしてニコはタイトルをとり、誰にもナイショでこっそりと聖女になった。
無事スキル欄に『スーペリオンキュア』があることも確認したし、これで一安心だ。
それにしてもせっかくの聖女だと言うのに誰にも知られず、なんて…。ホントに良いんだろうか…?
だけど彼女には彼女のしたい事やりたいことがあるんだ。
ベターライフ神殿でまったり過ごしたいと言うならそうすればいいと思う。僕だって好きなことしてるんだし。
僕もニコも二度目の人生。悔いの残らない毎日を送る事こそ一番の命題じゃないだろうか。
うん。自分勝手上等!
その後選手交代して一時間ほど『メイズ』を楽しんだのもささやかな自分勝手。
いっぱい浄化アイテムも手に入れたし、次こそはレアポーションを…
あー楽しかった。
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この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)




