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76 16歳 at 大広場

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


いやぁしかし…、ジェイコブを困惑させているのが大量の贈り物だなんて。


そりゃ侯爵家の当主が誕生日を迎えたんだからプレゼントが届くのなんて本来なら普通だよ?だけどうちは普通じゃなかったから、この十六年間ずっと。


さすがのジェイコブも屋敷に贈答品が届くといった、貴族家なら当たり前の現象を忘れていたのかな?焦るジェイコブ。それはそれでなんか面白い。


「こちらでございます坊ちゃま」

「んー、どれどれ…ゲッ!」


ウエストエンドの当主邸は結構広くて大きいんだよ?だって元は第四王女の住まいだったんだから…。その大きな屋敷の大きなホールが誕プレで埋め尽くされているだなんて…、何事?


「社交界では潮目を読む者がのしあがっていくのです。誰に阿るか…、それが今はレジナルド様だと言う事でしょう。」

「ジェイコブ…」


「ましてやレジナルド様のお姿は殿下やそのご学友、先日のブラッドリー様などが一目で射抜かれたと王都の社交界では今や知らぬ者がおらぬ程ですからな」


えーと、クラウスの言うお姿って…、狂魔力を制御しきった安心感ある姿ってことかな?

狂魔力の件さえなければ僕は公爵家の子息であり裕福なハミルトン侯爵家の当主。親しくしておいて損のない相手だからね。なるほど。


「そうか…。じゃあ人が動き出すね。流入も増えるだろうし…。クラウス!」

「はっ!」


「団員に言って南北の領門にはめ込んだ封鎖石のグレードを2段階上げるように言っといて。うちはね、誰でもは必要ないんだよ、誰でもは。今まで以上に選別が必要だ。門前で騒がれても面倒だし、えーと、馬鹿が来ようと思わないよう『審判の門』だっけ?徹底的に周知させて」


「ははっ!」


それにしてもこれ…、一両日じゃ収拾つかないやつだ。一つずつ宛名と中身を確認して重要度ランクをABCに分けろって…?あー、無理無理!


「ウィル、コリンと…」

「贈り物の整理ですね。お任せください」


「察しが良いね、ありがとうウィル。ジェイコブ、送り主には適当にお礼の返事出しといて。あ、特Aにはお礼の品も。僕の名誉にかけて素晴らしいものをね。それじゃあ夕食は宴会場で済ませてくるよ。戻ったらすぐ休むからそのつもりで」

「はっ」


「行こうヴォルフ!」


僕は仕分けをウィルとコリンに丸投げして共同食堂なんかが軒を並べる大広場へと逃亡した。

…そう言えば高校時代クラス一のモテ男が言ってたな。バレンタインはお返しをするのが面倒なんだって…。なるほど、よく分かった。




「レジナルド様ー!こっちこっち!この子たちの真ん中にどうぞ」

「フロプシー、ベンジャミン、子供たちもいっぱいお揃いで」


ウエストエンドの獣人族の中でウサギ獣人は一定の数を誇る一大勢力だ。

その中でもこの野ウサギ二人は仲の良い新婚さんで、多産なウサギ獣人らしくあっという間に家族を増やして勢力拡大に貢献している。


「フワフワフワフ…うぅ~ん至福…」


「今日はレジナルド様のお祝いなので良耳の子供たちを選りすぐりました!」

「尻尾もよりフワフワな子を揃えたんですよ?」


なにそのサービス?すっかり見透かされている…


「よう飼い主。やっと大人の仲間入りだな。お前が座ってる椅子はガキどもからの祝いだ。お前の専用だとよ」

「アーニー…、ガキどもって、もうみんな大きくなってきたっていうのに。背だってもうすぐ追い抜かれちゃうよ?」


「そういえばお前もいつか俺を追い越すって言ってたな。で?いつ追い越すんだ」

「う、うるせぇよ!くそオオカミ…」


「ほら。これは獣人一同からだ」

「クッション…。ありがとう。二人ともみんなにお礼言っといてね」


獣人一同からのお祝いは各々の毛を組み合わせたつぎはぎカバーのクッション。中身は換毛期の毛寄せ集めだって。これでいつでもモフモフを感じろって事だね?ジーン…


そういえば世界獣人ネットワークで、このウエストエンドは獣人の楽園としてその道では(どの道?)かなり知れ渡っているんだとか。

おかげでこの数年の間に方々から迫害された獣人族が集まり結構な居住割合になっている。


片やアーニーからの要請を受けた僕は、人手を増やすために難民流民の受け入れを国中に拡大した。

東の貸し馬車屋がそうだったように、難民流民を着払いで運んでくれる貸し馬車屋を各地数カ所に用意したのだ。

そしてそれは思った通りの成果を見せ領民の数は今も地道に増え続けている。


それらの結果、実はつい最近領民の数は1000人を突破した。北に向かってどんどん拡大を続ける領内。

その中で人間種と獣人族は互いに敬意を払いながら日々手を取り合って暮らしている。むしろ種別に関係なく古参と新参のほうがモメるというか…

それがシュバルツとハイネン氏、二人が抱える最近の悩みだ。



そして待ちに待った朗報!キュートなチンチラ獣人、チラーミィさんがエトゥーリアの失恋青年と手を繋いで結婚の報告にやって来た。


「ハーフの子って大抵可愛いんだよね。赤ちゃんできるの楽しみだなぁ」

「耳や尻尾はどうなるんだ?」

「前代未聞だ。誰にも分かるものか」


「そう言えばコアラ獣人のマーチもこのあいだガタイの良い男の人にしがみ付いて歩いてたけど」

「ありゃ大工のジョンだ。」

「どいつもこいつも繁殖の時期か」

「やめてよ、その言い方…」


「あんたたち何近所のおばちゃんみたいな話ししてんのよ」

「ようこそニコ!まあそこ座って」



ニコが入領して初めての宴会。ぜひ共同食堂に来るよう伝えてあったのだ。

訝しそうな二人に紹介された女神官様は不思議とアッサリ受け入れられた。何て言うか、前世で医療系営業職だったというニコは何かと上手いんだよね。


「ニコは獣人ってどうなの?」

「好きよもちろん。実家にはパグとフレブルとエキゾチックがいたし。」


なるほど。つぶれ系がお好みか。


「それにしても礼、レジー君、両手に花とはやるじゃない」

「そう言えばお前はシャリムの味方らしいな。俺の前に顔を出すとはいい根性だ」


「あっ!そ、その、ヴォルレジがダメな訳じゃないのよ。ただそのイチ推しではないって言うか…、あーもうっ!仕方ないでしょ。あたしクーデレとかヤンデレが沼なんだから」

「ええいっ!何の主張してんだよっ、いい加減にしろ!」


こんなところで性癖のカミングアウトをするんじゃない!


「ところでレジー君、ヴォルフとアーニーとシャリム。誰が一番進んでるの?」

「何が?」

「こうりゃ、」

「何の話かなー!この神官様酔っぱらってるみたい。誰かお水持って来てー!」


何言いだすんだか、この腐れ神官め…。なのにそれに乗ったのがまさかのヴォルフだなんて!


「誰と進んでるって、そりゃ俺だろ。なあレジナルド。何しろ俺たちは風呂にも入った仲だからな」


「オオカミ!ワナワナ…お前そんなことしてやがったのかっ!」

「アーニー落ち着いて!じ、獣化中の話だから!」


「いいかオオカミ!言っとくけど俺はレジーにキスされたこともあるんだからな!」


「あ、ちょ、アーニー!何言ってんの!」

「え?ちょっとその話詳しく!」


売り言葉に買い言葉だとしても言っていい事と言わなくていい事があるでしょうがっ!ああもうっ!


「ええいっ!もう終わりったら終わり!さあニコ行くよ!お仕事の時間だ!」

「ええー、しょうがないわね。あっ、アーニー。その話今度じっくり聞かせて、約束だからねーーー!」



ニコの欲望にまみれた渾身の叫びは宴会の喧騒に搔き消された。






毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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