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68.5 王様ゲーム

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


「あっ、ドンキーさんいらっしゃーい!」

「じゃまするよ」


ドンキーさんがディーディーたちとやって来たことで今ここには現キング、前キング、キングの息子アルバート、の三人のキングが揃ったことになる。


と言う事は、だ。

やらねばなるまい。宴会につきもののあのゲームを。


そう。『王様ゲーム』だ!


「ウィル、ちょっとこんなの作ってくれない?」

「レジー様、何ですかそれは?」

「いーからいーから」


その辺で集めた枝の先端にちょっとだけ切り込みを入れて1から8までの番号を刻んだら…、あとは割り振りを決めるだけ。


「さぁ!みんな集まってー!王様ゲームの時間だよー!」


「王様ゲーム…?」

「なんだそれは」


怪訝そうにワラワラと集まる宴会のゲストたち。

ところが肝心のキング二人は浴びるように飲み続けている…。仕方ない。キングの息子ひとりで我慢するか…

ともあれ、僕は誰にでもわかりやすいようお手本付きで説明を始めた。



「いい?まずはひとり王様を決めます。1を引いた人ね。試しにまずは僕が王様やります。そうしたらとりあえずそこの7人、この枝を引いて誰にも見せないように何本線が入ってるか確認して。あ、言っちゃだめだよ!自分の枝に何本線が入ってたか誰にも知られないで!」



言われるがままに枝を引く獣人たち。けど念のためウィルとオスカーに仕込みで引かせることにする。とっ散らかると大変だからね。



「そうしたら王様である僕の言葉は絶対になりまーす。僕が言った番号の人は僕の言うとおりにしてくださーい。じゃぁまず、7番が5番を背負って食堂1周ね!」


「僕7番だけど…」

「俺5番」


「オスカー様?ぎゃームリムリムリ!体型見てくださいよ!」

「ウィル、王様の言葉は絶対だから」

「そんなぁ…」


ぷっ!細身のウィルが絶賛成長中のオスカーをおんぶとか…。これこれ、これが王様ゲームの醍醐味だよね?

ゼーゼー言いながら戻ってきたウィルとその背中で大笑いのオスカー。


「みんなやり方は分かったみたいだね。」


けどなんだろうか?妙にみんなの目がキラキラ…ギラギラ?しているのは…。不穏だ…


「じゃぁとりあえずゲストの4人と…あと僕と…8本か…、あと3人はー?」

「俺だ!」


「アーニー?じゃぁハイこれ」

「面白そうじゃねぇか」ビッ


「あれ?エル、君も?」

「アーニーが参加するならあたしも参加する!」サッ


「レジー様、私も参加していいですか」

「クラリス…、もちろん良いよ」ヒョイ


「じゃ、言い出しっぺの僕も」ピッ


「はい次アルバート」

「ああ、ありがとう」スッ


「ローランド、君も引くといい」

「仕方ない…」スッ


「ではセザール、どうぞ」

「これは見ものだね」スッ


「じゃ、次俺な」ヒョイ「やった!1だ!王様だ!じゃあ3番が王様を背中に乗せて腕立て伏せ10回な!」


「げっ!」



ま、まさかの一番手…。僕はみんなの視線が集まる中、背中にオスカーを乗せ腕立てを…


「ぐ、ぐぎぃ…」


なんとか10回やりきったが…、実は身体強化しちゃえばなんてことないんだけど…、それじゃぁつまんないからね。あー、疲れた。


「次行こう次!」



「やった!あたしが王様!」(任せてアーニー、ちゃんと盗み見たんだから…)「えっと…、そうだ、5番が8番にそこで壁ドンする!」


「俺か…、で?8番は誰だ」

「…僕だけど…」


また僕かっ!っていうか、壁ドンっていう概念があったことに驚きだよ!? さすがベースが乙女ゲー…


「やれやれ。ま、壁ドンぐらいいいけd」ドン!!!

ドガッ!!!「ぶへっ!」


「これでいいか?」

「よ、よくな…」


「アーニー!それ壁ドン違う!せっかく応援したげたのに!バカー!」

「わ、悪い…」


誰が相手を壁にブチ当てろっつった!まったく。アーニーのせいで酷い目に遭った!

そうこうしてたら次の王様はローランドか。何を命令するつもりかな?ちょっと気になるんだけど…。



「で、では…」(アルバートから圧を感じる…彼の番号は…)「7番と…」(奴は何番だ?まったく、くだらないが仕方無い…、魔力で…)「…2番、互いに目を合わせて「好きだ」と一言」


おっ!王様ゲームの定番罰ゲームじゃん…、まさかローランドがって、何っ!


「おや?相手は君かい?ふふ、嬉しいな。レジナルド、こっちを見て」

「え~…」

「王様の命令だよ?ほら早く」


「チッ…はいどうぞ」

クイッ「レジナルド…、好きだ。私は君に夢中だよ。君は?」


「く、くくっ、…、仕方ない…。アルバート、僕も好きです。アルバートのその整えられたキレイな爪が。はい次!」


「レジナルド様、そりゃないですって」

「王子様が気の毒ってもんだ」


「ええい、うるさい!ルールは破ってない!」


それからあごクイは王様の命令に入って無いからね!



「お?また俺か。じゃ8番が王様の椅子になる。空気椅子、60秒な」


「げげっ!」


オスカー!お前僕に何の恨みが!太ももが…大腿四頭筋がプルプルする…


「や、痩せてオスカー…。お願いだから…」ガクッ



ヘロヘロの僕はこれで最後と宣言した。その最後の王様はリス獣人のクラリスである。あー良かった。彼女なら脳筋命令は出ないだろう。


「ではいいですか?」(獣人族の視力を舐めないでね!セザール様!応援してますから!)「4番と7番が鼻先をちょっとだけくっつけて30秒です」


「これは…照れくさいね。だけど嬉しいよ」

「なっ!…確かに筋肉は無事だ…。無事だけど、心が無事じゃない!」




あのオスカル様をドアップで見続けるのはなかなか恥ずかしい体験、ある意味今日一番精神がやられた最終ゲームだった…。クラリス、恐ろしい子…


ゲームの面白さに目覚めた領民たちは思い思いに王様ゲームを楽しんでいる。

僕は風紀衛生上良くない命令はしないよう固く言いつけその場を後にした、…のだが、それよりも待てよ…?なんか全部僕に絡んでたような…?え?気のせい…?



「ウィル…、不正は無かったよね…?」

「…アノ程度を不正とは言えませんね…残念ながら」

「オスカーも?」


「あれは一番不正からは程遠い、完全なクジ運です」


僕は二度と『王様ゲーム』なんかしないってこの日の星空に誓ったよね…





毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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