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6 9歳

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


裏技レベル上げ脳死周回をはじめてかれこれ二年の月日がたった。


僕は九歳となりレベルは600ほどになっている。

このレベルはすでにこの世界のトップクラス。英雄とか勇者とかと同じくらいである。

むしろ600程度で止まっているのは、ここまで来ると1上げるのに必要な経験値が尋常じゃない数値だからだ。果てしない…


だが勇者の彼らはいざとなったらアイテム諸々使って一時的にでももっと爆上げするからね。それでも800くらいだろうか。

なんと!別邸付きの騎士団長、クラウスが言うには亡くなった先代は例の魔力暴走中、測定値が900くらいだったらしい。そ、それはビビるわ…


でも僕の目標はあくまでカンスト。いや、上限解放。全く以て問題ない。



そんな時だ、本邸から戻ったメイドの一人がある情報を教えてくれたのは。


「なんでも旦那様が囲って面倒を見ていた女性が亡くなったのですって。それで息子二人が下働きとして本邸に連れられて来たようですよ。子供の面倒を見るのが女性との約束だったからと」


「面倒って…、僕より年下?」

「いいえ、坊ちゃまと同じ年の子、それから三つ下の子ですわ。もしかして旦那様のお子かしら…?お盛んですこと」


お盛んって…、九歳児の前で言っちゃダメでしょ。まぁいいけど。

多分あれだ。母が言っていた狂魔力の継承を恐れてたってやつ。それで慰めを求めちゃったかな。男ってほら…弱い生き物だから。


「狂魔力の継承者が坊ちゃまだったと知って安堵なさったあの時の顔は忘れもしませんわ。亡き奥様もそう申しておりました。あの人には父としての情が無いと」


「ん~、別にいいよ」


下手に情なんか無いほうが後々都合が良いし。


「それにしても…、坊ちゃまは怖くありませんの?身体に流れる狂魔力のこと…。最盛期になればその魔力は…」


「怖くない。あのね、みんな魔力量にレベルが追い付いてなかったから暴走したんだよ。僕はそうならない。制御出来る自信がある。どの属性も均等にレベルを上げつつバランスを考えながら対称となる属性を…って考えるのも難しいから全部カンストさせる。大体それで問題無しだ」


「坊ちゃまは本当に賢くていらっしゃるから…。何を言っているか分かりませんけど、どうかその方法で必ず生き延びてくださいましね。信じておりますよ」


別邸の使用人たちは僕に心からの忠誠を誓ってくれている。これも叔父様による教育の賜物。叔父様は本当に良い貴族だ。


「けどその子たちのことは気になるな。なにしろ女狐は一銅貨すら他人に恵むのを惜しむような人だから…。ジェイコブ!」


「はい、なんでしょう坊ちゃま」


「女狐の動向調べてくれる?嫌な予感がする。それから僕は…本邸に様子を見に行くよ」

「ではクラウスをお連れ下さい。坊ちゃまの魔力には本邸の誰もすでに適いませんが念のため」

「分かったそうするよ」



別邸に本邸の人間を近づけたくない僕は、三日に一度、父の会計チェックのために本邸を訪れている。もちろんその時は有能執事のジェイコブも一緒だ。


別邸からは正面よりも裏庭のほうが近い。その庭から直接サロンへ入ろうとすれば、一瞬にしてザザーっと恭しく僕を出迎える使用人たち。

それに引き換えあの女ときたら…、相変わらずだな。本当に態度が悪い。


「あらあら、侯爵様がこんなあばら家に何の用かしら?ごめんなさいね。どこかのドケチが手入れの予算を出し渋るものだから…、ほら、錆びた窓の蝶番さえ直せないの。ああ嫌だ」


「僕は十分な予算を父にお渡ししているよ。修繕費なら父から受け取ると良い。ああそうだ。先日は真っ青なケーキの差し入れをありがとう」


「有名なカフェのケーキですのよ。王都へ出掛けた際に手に入れましたの。で、召し上がって?」

「気持ちだけは頂いたよ。だけど僕は合成着色料が青々しい食べ物は口にしない事に決めてるから。でもおかしいよね?ネズミが齧ったら死んじゃって…なんでだろう?」


「まぁ!おかしなこともあるものね。喉でも詰まらせたのかしら?ではまた美味しそうなものを見つけましたら差し入れますわね」


見え見えのやり取りをする僕らの後ろを、身体よりも大きな、洗濯物がパンパンに詰まった木桶を小柄な子供がヨロヨロと運んでいく。


新参か…、あの子だな?


視界の隅で危ないな、と思った時には案の定、彼は木桶を思いっきりぶちまけていた。


「まぁぁぁ!何をやっているの!シーツが泥だらけじゃないの!早く拾いなさい!」

「別に良いじゃないまた洗えば。君大丈夫?」

「う…ごめんなさ…」


「だめよ!水も石鹸も無駄じゃないの!こっちへ居らっしゃいな!誰か!鞭を持って来て頂戴!」


「す、すみません奥様!折檻なら僕が、僕が受けますからコリンのことはどうかお許しください!」


そこに大急ぎで駆け付けたのは顔の良く似た、でももう少しだけ背の高いあずき色の髪をした少年で…きっと彼の兄さんだ。ああもうっ!見なよ!プルプル震えてるじゃないか!


「いいえ!この子は今朝もお皿を割ったのよ!なんて役立たずなのかしら…許しがたいわ!」

「コリンはお腹が空いて力が入らないんです…。僕ならいくら鞭打っても構いませんからどうか!」

「お黙り!そういうお前も飼い葉を滅茶苦茶にしてたじゃないの!いいわ、一緒にそこへお並びなさい!」



僕は極力この世界の常識を尊重しようと思ってる、価値観に合わせようとは思ってる。思ってるよ?けど、前世の記憶があるからね。どうしても倫理観的にこれはNGでしょ!


「止めてってば!鞭とか折檻とか…見るのも聞くのも不愉快だよ!」

「いいえレジナルド様。これは本邸の問題。わたくしは本邸の差配とこの二人に関して旦那様から一任されておりますの。使用人の無作法を放ってはおけませんわ。ここは公爵家ですのよ!いくら財があろうと田舎の侯爵家と一緒にされては困りますわ!レジナルド様と言えど口をはさむのは不躾ですことよ!」


おっと、軽くハミルトンをディスったな、こいつめ…


まったく実の父ながらどうかしてるよ。こんな女狐に差配を任せるなんて公爵家のお先は真っ暗、まさに掃き溜めじゃないか…


「こんな子供に土下座までさせて…大人の風上にも置けないな!クラウス!すぐに起こしてあげて!」

「はっ!」


「大人だからこそ教えてあげるのでしょう!使用人の身の程ってものをね。とにかく!この二人は本邸の使用人。口出し無用に願いましょうか!」


なんだってこんなムキに…はは~ん、公爵が市居の女性と浮気をしたのが気に入らないんだな。

それも最期の頼みを聞くほど入れ込んでたって事も。それで子供に八つ当たりをしてるのか。ホントに器の小さい…


「…分かった。修繕費の名目でいくらか追加の予算を回しておく。だからこの子たちは別邸でもらう。それでどう?」


「…それならまぁ…よろしくてよ。でもいいかしら。この子たちの今後の処遇はわたくしが決めること。今だけですからね。たとえレジナルド様でも好き勝手にはさせませんから!覚えておいて!」


女狐の眼が奥のほうでゆらりと揺らめいた。どんなけ目障りなんだよ…


「さぁ行こうか二人とも。何も心配いらないからね。ところで君の名前は何?」

「ウィルです。ウィルと言いますレジナルド様」


「ウィルとコリンだね。僕のことはレジーでいいよ。別邸の者にはそう呼ばせてる。歳も近いんだしレジーって呼んで」


「レジー様…」


潤んだ目で僕を見つめる兄のウィル。ホッとしたのかな?


この日から僕には二人の従者が出来た。





毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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