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62 15歳 one's way to ヴィラ

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


昨夜はえらい目に遭ってしまった…。ジェイコブはいつものことだけどコリンもだなんて…


コリンはジェイコブから従者の何たるかを一から叩き込まれたうえに、ダメ押しみたいにシュバルツのあの生真面目さをお手本にしたから融通が利かないんだよね。


おかげでジェイコブは僕に完全イエスマンであるウィルは諦め、コリンに全幅の期待をかけてるみたいだし…


あ、けどウィルは農地管理に関して本当によくやってくれてるんだよ?

領内の全ては僕のものだから、「主人の持ち物をきちんと管理するのも従者の役目です」って言ってね。ウィルの整理整頓はお母さん譲りで本当に上手なんだから。


そう言えばコリンとかウィルはゲームに出てきてないのかな…?

シュバルツだって出てるっぽいのに…。あの弟を亡くした元貴公子ってシュバルツのことだよね?多分…



今夜も僕はニコの部屋へお邪魔する予定になっている。

しばらくは裏技をレクチャーしにいくんだよ。だから時間までは真面目にお仕事。今日ばかりは積極的に王子殿下の接待しなくちゃ。


何しろアルバートからは神殿建造の許可とニコの件を許可貰っておかなくちゃいけないからね。許可って言うか…言質ね。


おや?お揃いでこっちに向かって来るのは…


「よおレジー!」

「おはようございますレジナルド様」

「「お、おはようございます!」」


「おはようオスカー、バイヤード。と…、モラック、それからウェイン…だっけ?第一から来た」

「は、はい!」

「な、名前を…っ!」


ふふ。ようやくここに慣れてきたかな?初々しいな。


「今日は四人?毎日よく飽きないよね」


人のことは言えないけど。


「すみません朝早くから」

「お前が出かける前じゃないと繋がらないだろ?許せよ」


「はいはい、良いけど朝食は摂った?装備は?」

「万全だって」


カチャリ


「はい『強化のダンジョン』。気を付けていってきてね」

「おう!」


元々鍛練好きのオスカーは嬉々として強化のダンジョン(初級)を周っている。

バイヤードが付いている限り危険は無いし、何なら僕の『ヒール』でまっさらにして従者の方にはお返ししているから、問題どころか日々健康度は上がっているだろう。


それどころか『強化のダンジョン』に興味津々の騎士たちが入れ代わり立ち代わり非番を利用して常に数名同行するのだから、むしろ過重装備と言えなくもない。


そのオスカーの従者たちにとってこのウエストエンドへの旅は思いがけないご褒美になったみたいだ。

彼らはオスカーの許可の元、ヴィラ併設の(プール)で泳いだり、ダンジョンのクリア報酬からお小遣いと言う名のおこぼれをもらい、ダウンタウンで買い物をしたりと思い思いに楽しい時間を過ごしている。


それをローランドの従者が羨ましそうに見ていたのがまたなんとも。

う~ん…ローランドにも一言進言してやろうかな?



「ジェイコブ、それじゃぁヴィラに行ってく、…あれ?シュバルツおはよう、今日はどうしたの?」


シュバルツに丸投げしている裁判所。

そこは住居併設の24時間勤務、コンプライアンスも真っ青なブラック環境だ。

だからこそ僕はシュバルツに、週に一度必ずお休みを取るよう口を酸っぱくして言い聞かせてある。じゃないと彼、休まないからね。


今日はその休みを利用してジェイコブに貴族名鑑を見せてもらいに来たんだとか。

多分殿下の案内なんかを任せちゃったから今後の為に覚えておくべきだと思ったんだろう。本当に真面目で努力家な人だ。


「えーと、この間はいきなり案内代わってもらってごめんね。お仕事の邪魔じゃなかった?」


「まさかそのような!よもや殿下方を案内する重要なお役目を私に任せていただけるとは…身に余る光栄。ですがあなたと共に案内出来ればもっと満ち足りた時間だったでしょう」


はっ!そうだよ…。一人で王族を案内…なんて言ったら欲しいものを見つけたって買い物一つ出来ないじゃないか。

生真面目なシュバルツは「ちょっとお待ちを」なんて言う訳ないんだし…、あー!僕ってばなんて気が利かないんだ!


「シュバルツ…。今度は僕と一緒にアッパーエリア見て回ろうか?」

「…良いのだろうか?ああ…是非!是非とも!」

「もちろん。殿下たちが帰ったらね。じゃ!」


シュバルツ含めみんなが別ゲーのキャラだって聞いたところで特に何が変わるわけで無し。

だってとっくに四人が増悪を芽生えさす出来事なら潰してる訳だしね。


偶然とはいえ…よくやった自分!


って事はだよ?四人が僕を攻略してくることはもう無いって事じゃん?僕から…なんてことはないわけだし。無いよ?無いって!期待すんな!


はぁはぁ…ムキになってしまった…

とにかくそういうことだから平常心でいこうと思う。



「なんだ。今日もまたヴィラへ行くのか」

「ヴォルフ…。今日は用事があって。昼には戻るよ。アーニーに後で寄るって伝えといてよ」


「この俺を伝達に使うとはな…。余程奉仕したいらしい」

「奉仕…。いいよ。じゃぁ今日はお風呂で洗ったげる。もちろん獣化中ね。あ、逃げた」


お風呂好きな子も多いんだけどな…。ダメだったか…




「おはようございます殿下、少しお話しても?」

「殿下などとよそよそしい…、昨日みたいにアルバートと、そう呼んではくれないかい?」


支配人とゲストがよそよそしくて何が悪いんだろう…

いや、待つんだ僕!ここは下手に出るとこだよ?へそを曲げられて不許可になったら大変だし。


「ではお言葉に甘えて。アルバート、お願いがあるんですけど…」

「何かな?君のお願いなら何だって聞いてあげるとも」


「昨日言ってた神殿の件ですよ。建造の許可を頂きたくて」

「ああそれぐらいの事。父上も難なく許可されよう。伝えておくよ」


よしよし。ここまでは順調…っと。


「それからもう一つ…。実は聖職者の候補に心当たりがあって…」

「そうなのかい?」


「まだ今は修道女見習いの少女なんですけどね。すこ~し魔法の才があるので、多分頼んだら『試練』を受けて女神官になってくれそうかなぁ…なんて。半年くらいかかりそうですけど無事洗礼までたどり着いたら着任の許可を頂けますか?」


「女神官か…。すまないがそれは少し難しいかもしれない」

「えぇ!何故ですか?」


「君も知っての通り女神官は高い癒力のある限られた者だけがなれるのだよ。有事に備えての特別な存在、それが女神官なのだ。大神殿がそのような者を王都から出すかどうか…。事実王都以外の教会や地方の神殿に派遣されるのは神父か、もしくは神官の名代となった副神官だ」


こ、これだから王家と議会ってやつは!権力に任せて良い人材はなんだって囲い込むんだから!


えぇー!だったらニコの底上げする必要ないじゃん!育てるだけ育てて持ってかれるって?冗談じゃない!


じゃぁこのまま見送る?ニコがただの一修道女として暮らしていくのを見守れと?

…いやいやいやいや…聖女だよ?ゲームのキャラ紹介によればクラレンス王国でも五十年ぶり(また微妙な)くらいに現れた聖魔力の持ち主だよ?このまま指をくわえてろって?…無いわ~!


し、仕方ない…。この手は使いたくなかったのだが…


「もし生存を知られればこのウエストエンド含めてレジナルド様が巻き込まれかねない」と、二年前シュバルツ受け入れを頑なに反対していたアストルフォ。


その彼が完落ちしたこの技を…






毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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