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52 15歳 at コンサバトリー

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


決行は翌朝。オスカーには残った三人に「絶対余計なことは言うな!」と重々言い聞かせてある。アルバート辺りに「一緒に連れていけ」とか言われたら面倒だからね。


明日の予定は確かアッパーエリアへの見学だっけ?ちょうどいいや。正直めんどくさいって思ってたんだよねぇ…

こうなった以上案内は誰か代わりに…、誰を?

…シュバルツ…、シュバルツはどうだ?彼元貴族だしぃ?真面目だしぃ?もと大臣だしぃ?行程表さえ持たせれば案外イケル気がする。

えっ!計画的だろうって?まさか…そんな訳ないじゃん…。無いってば!


あーそうそう。オスカーには今すぐ戻って寝るよう促すのも忘れてないよ。


そんな僕に一言物申そうとやって来たのは忠実そうな従者の一人。



「大丈夫。当家の団長は二人とも王城の聖騎士団に負けないくらい強い。オスカーは良い騎士になれる素質があるのに過信がすぎてこのままじゃダメになる。大方君たちがチヤホヤ持ち上げてきたんだろうけど」


「言葉もないです…」


「危険な目には合わせない。だけど責任って言う言葉の重みは身をもって理解してもらおうと思ってる。そうしたらきっと今より立派な男になるよ。君たちが望む通りの」


「レジナルド様…。くれぐれもケガなど負わせないでくださいね」

「分かってる。僕の言う責任はオスカーの口にする責任とはわけが違う」



こうして急遽決定したダンジョン行きだが…。


「強化のダンジョン…、レジナルド、あんな奥地にどうやって行く。あれか?」

「ヴォルフ…、ううん、別のがある」

「…お前の奥の手はいくつあるんだ。呆れた奴だ…」


「お、おい!強化のダンジョンってあれだろ?A級以上をめざす冒険者とか傭兵が行くって言う…、危ないんじゃないのか?」

「あれ?アーニーがそれを言う?…って、ああ」


そう言えばアーニーはあの時瀕死で僕の力は見てないんだっけ。息を吹き返したのは全てが済んだ後だもんな。


「お前な…こいつがそんな可愛いものか…」

「な、なんだよオオカミ…」


「ありがとアーニー。心配してくれるの?」

「バ、バカ言え!心配なんかするか!けどお前に何かあればみんなが困るからな…」


「そう言う事にしといてあげる。可愛いよね、僕のアーニーは」

「う、うるせぇ!」



と言うわけで翌朝、明るいコンサバトリーでの朝食の席に居るのは僕の頼れるクラウスと後追いでやってきた元ランカスター第一騎士団長のゴーディ。今はウエストエンド特別部隊の隊長、クラウスに負けないイケオジである。


特別部隊…、それはついに開かれたこのウエストエンドが外界の脅威、…簡単に言うと物理以外のめんどくさい有象無象に巻き込まれないよう、常に国中を回り情報を集め、場合によっては対処してもらう為に、元第一の団員から選抜した諜報部隊、つまり、…エリートのことだ。


誤解しないで欲しい…


僕は公正に全員シャッフルして選抜しようと思った!能力を鑑みて!

なのにもともと僕付きだった元ランカスター第二騎士団員たちは「我々には栄えあるウエストエンド第一騎士団員としての誇りがある!何があろうとレジナルド様のお傍を離れない!」と言って、国中を股にかけるエリート部隊選抜への参加を頑なに拒否したのだ!


誇りがあるとまで言われて強制は出来ない。ありがたいことだ。


それにしても、元第二よりも能力の高い元第一所属だった彼らを以てしても、最初はここを出ることを躊躇したんだから、僕が頼んだのはかなり危険な任務に違いない。


「僕の為とは言えそんな危険に身を投じろなんて頼んじゃって…ごめんね。無理ならいいんだ…」


反省のあまり思わずしょんぼりした僕を見ていきなり何人も名乗りを上げてくれたのには驚いた。もしかして脅しみたいになっちゃったかな?さらに反省…




「…とまぁ、そんな訳だから午後から良い?」


団長二人連れてけば楽勝っしょ。


「坊ちゃま。我々は本日、各地に散らばった隊員が情報を持ち寄る招集会議の予定でしてな。騎士団長、部隊長が居なくては話になりませぬ」


「え…?あー…、今日だったかぁ…。えっと、じゃぁいいや。常駐の団員から二名選抜してくれる?オスカーに危険があっちゃいけないからね。強いのを…えーと、一人はオレガリオで、もう一人は…」


「ロジェはどうですかな?」

「いや、第一から編入されたバイヤールこそ安心して後ろを任せられよう。どうか彼を」

「水の騎士バイヤールか…、よく知らないんだよね。第一の騎士はみんな本邸に居たから…」


「だからこそです。第一の騎士たちはあの日坊ちゃまに付き従えなかったことを負い目に感じております。若き彼らにどうか懺悔の機会をお与え下さい」


「懺悔はいらないけど、まぁゴーディ隊長がそこまで言うなら…。じゃぁバイヤールとオレガリオを呼びだして」


そのあと二人には僕が『近道の鍵』と言う、希望のダンジョンへ直通でいける便利アイテムを持っていることをついに白状した。

これは行き先があくまで〝ダンジョン限定”だから『ワープゲート』がバレるよりは騒ぎにならないはず…あ、あれ?


「坊ちゃま、まさかとは思いますが一人で危険なS級…よもやSS級ダンジョンに行かれたりなど…」

「…ゴーディー…何の事かな…?」


「坊ちゃま。ハミルトンの財だけでは納得いきかねるあれらの金銀財宝の出どころはまさか…」

「…やだなぁ、ジェイコブまで…」


「坊ちゃま。私は以前より何度も伺いましたぞ。あれだけの数の封鎖石、封印石をどうされたのかと。やはり『障害のダンジョン』へ行かれていたのですな?」

「…クラウスってしつこいよね…」


「坊ちゃま!あれはまさにS級ダンジョンではありませぬか!このジェイコブの目を盗んでそんな危険を冒されるとは…。当主としての自覚をお持ちくださいとあれほど何度も申し上げたではないですか!」


「ごめ、ごめんってば…」


坊ちゃまの威厳は台無しである…



もっともらしい演出の為、僕は屋敷の空き部屋にもっともらしい装飾をしてみた。

なんとも言えないもっともらしい雰囲気を漂わせたその部屋…。中央にはもっともらしい扉がある。

それはあるアンティークな装飾の付いた鍵穴をはめ込んで新たに作成したものであり、そしてその扉の鍵穴と対になるのが…


『近道の鍵』ダンジョンへの入り口である。


ダンジョンの行き先は登録された鍵の所有者が口頭で指定する。つまりジェイコブとかがただ開けても向こう側に出るだけなんだよね。

だから実のところ、今までだってすごく無造作にチェストのひきだしの中に置いてあったのだ。使用人たちにも「この鍵いつ使うんですか?」などと言われながら。


オスカーには『強化のダンジョンに繋がった扉』とだけ説明する予定である。

彼はゲームによればあまり深く物事を考えないタイプなので多分これで大丈夫だ。ここまでだって何も聞かれてないし…


「坊ちゃま、ブランドフォード伯爵家のご子息がおいでになりました」


よし。時間だ!



毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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