番外 デュトワ家 祝賀パーティー
アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。
『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。
「よく来てくれたねレジー」
「当たり前じゃない。それで僕の可愛いラシエールは元気?」
場所はウルグレイス王都、デュトワ侯爵邸である。
本日は日中デュトワ家の初孫となるラシエールの『祝福』があり、夜は夜で御披露目パーティーがあるのだ。
もちろんママである僕の参加は必須な訳で、今日はここに泊めていただく予定である。
儀式の場所はウルグレイス大聖堂、第二王子ユージーン様の職場である。
初孫の『祝福』とあって祖父母の興奮はクライマックスを迎えているが…第三者目線で思うところがあったりする。
「ゼザール、前から言おうと思ってたんだけど、貴族のご子息であるお兄さん二人とも独身って…どうなの?」
「ああその件か…。実はね、下の兄ギュスターブは…その…」
「何かあるの?」
「第三王子のヴェルナー様と何やら怪しくてね…」
…びっくり!!!
専属護衛がどうとか言ってたのは覚えてるけどいつの間に…
あの勝気な第三王子がねぇ…。ああ!だからついに護衛の任を引き受けたのか。まあ前線のお仕事が減ったからって言うのもあるんだろうけど。
「そしてね、上の兄ヴィクトールは…その、婚約者を亡くしているんだ。流行り病で」
「え…」
「兄と婚約者であられたメラニー様はそれはもう睦まじくてね。今だ心の傷が癒えないでいるんだ…」
「あ、その…、ごめんなさい」
「いや。だから両親も今は何も言わないのさ」
長兄が司令部でのし上がった理由が分かった気がした。
そんな感情やあんな感情、全てを仕事に没頭して忘れようとしたのだろう。あの優し気な長兄にそんな過去が…
…と言う事はこの子ラシエールは初孫にしてオンリーワンになる可能性を秘めているのか…これは…
侯爵と夫人の溺愛に合点がいった。
「侯爵、こちらがエルダーの息子エルウィン君です。従兄弟…というか、弟…というか、とにかく異父兄弟…みたいなものなので仲良くしてくださいね」
「光栄ですぞレジナルド殿。まさかハイエルフのお子と兄弟になるとは…」
「王も王妃も大変にお喜びでございましたわ。狂魔力が発現しなくてもこれで十分甲斐はあったと仰られて」
「家格がさらにあがりましたな」
「それは良かった。あっ、ほら見て!」
「ププププ」
「アブブ、ブブ?」
「アプー」
「かんわい~い!おしゃべりしてる~」
「ふふ。兄弟だって分かるんだね」
たおやかな気配が既に漂うラシエールは僕たちの遣り取りすらニコニコと嬉しそうだ。
そしてエルフの血を引くちびっこギャングは今ネコを10匹ぐらい被っている…なんてこった。
「レジー、こうして君との子を腕に抱けることが何より幸せだよ」
「セザール…。ありがと。セザールはいつでも僕のマイナスイオンだよ」
セザールにエスコートされて向かう大聖堂。そこには大勢の賓客がラシエールとエルウィンを一目見ようと押しかけていた。
衆人環視の中ユージーン様の柔らかな声で受ける『祝福』によりラシエールには小さな魔力が芽生えた。
属性は風、空を意味するラシエールにピッタリの属性だ。因みにセザールと同じね。
披露のパーティーはこれまた盛大で、信仰対象であるハイエルフのエルウィンが参加することで、ウルグレイス王が王城のホールを開放してくれたのだ。そのほうが王家の出席が楽だからね。
「レジー、良いのかな、小さな赤子を連れまわして…」
「光球の残滓が残っているうちは大丈夫。だからあっちもこっちも『祝福』と披露パーティー急いだんだよ。半年以内にって」
「じゃあ少し目を離しても大丈夫かな?」
「…侯爵夫妻どころか王と王妃までベッタリついてるんだから平気じゃない」
「じゃあバルコニーに行こう。夜風が気持ちいいよきっと」
久しぶりにゆっくり語りあう友との時間。セザールには元ナバテア、レイジタウンの話なんかもしながら今度は一緒に行こうね、なんて呑気に話してたら王城の護衛騎士が血相を変えて飛びこんできた。何事!?
「ここにいらしたのですかレジナルド様!すぐにお戻りください!」
「何があったの!」
ホールに戻った僕とセザールが眼にしたもの。それは…
ここは植物園かな?って言うくらいホール中にびっしり花を咲かせて、ラシエールに一輪の薔薇を捧げるエルウィンと嬉しそうに薔薇を受け取るラシエールの姿だった。
……皆さん大喝采だったから良かったようなものの……メッ!
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この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)




