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177 18歳 another 記念撮影

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


クーデンホーフ領へビフさんを訪ねてやって来たのだが、背後に何か気配を感じる…


「付いてくるのは誰だ!おや?君たちは…」


後ろにはぞろぞろと列をなすコウテイペンギンさんの群れ…


「人聞きの悪い…俺たちの前をお前が勝手に歩いてたんじゃないか!」

「そーだそーだ!」


「あっ、あっ、ごめんね?そうか君たち鳥人族の…」


鳥って言われてもいまいちピンとこない。


「ん、あれは?うひょおぅ!!!」


「ママー、パパー、置いてかないでー!」


よちよち歩きの仔ペンギン!つぶらな瞳、何たる可愛さ!これだけ居るんだし一人連れて行っても…


「ダメですよレジー様。あとでシュバルツ様のお屋敷に全員招待しますから我慢してくださいね」


ウィルには全部お見通し…



他の子も呼んでみんなで来てねと約束をして大人しく業務に戻る。領主様はやることが多くて大変だ。


ビフさんビルさんとはガラケー開発の進捗具合を確認して、その後ディスカッションの予定だ。

それが終わったら本日のメインイベント、シュバルツとのツーショット撮影会である。


因みにクーデンホーフ領の屋敷にはいつの間にかシュバルツがわざわざ王都の画家に頼んでまで描かせた僕の肖像画が飾られている。少し恥ずかしい…


顔出し実況していた僕だからそれぐらいどうって事無いけど…、どうして江戸時代の藩主といい貴族の当主といい偉い人って肖像画を飾るのか。

偉人とナルシストの因果関係…、これは以前からの素朴な疑問である。



「お待ちしていたレジナルド」

「シュバルツ、益々領内に人が増えたんじゃない?」

「ありがたいことだ」


増えた領民の多くはエトゥーリアからの移住者である。今あの国は比較的平穏に治められているが、どの時代、どの国にでも大いなる希望を胸に抱くフロンティアスピリットは存在する。

これぞ男の浪漫!


「じゃあちょっと工房に顔出してくるね」

「ああ、ではまた後で」チュッ


家人たちの前だというのに息をするように唇に触れるシュバルツ。こう見えて彼は別に禁欲的と言う訳ではない。


ヴォルフたちと違い彼は側夫とはいえ正式な夫である。その気になれば誰の目もはばかる必要は無い。公的な社交場に伴う事も出来る立場の人だ。

だからこそ彼はあえて先日の内々の集まりである記念撮影を遠慮したのだろうと思う。謙虚な人だ。


さて、先に用件を片付けようとやってきたのは『BBブラザーズのドワーフ工房』

どれどれ、進化の過程を拝見しようか。


「レジーよ、やはりこのままではいくら濃度の高い魔石を使ったとて完成させることは出来ん」


「うーん…、どのあたりが問題なの?」


引き継いで説明してくれるのはビルさん。彼曰く、いくらクラレンス、ウルグレイス、そしてエトゥーリアが魔法の国でも個人の持つ魔力の量にはばらつきがある。個々の道具に魔石を内蔵させたところで、全員が僕レベルならともかく、量も波長も属性もバラバラの魔力をどうやって繋げるか…。いずれにしても使い手を選ぶ魔道具など通信機として意味はないと。


確かに…、限られた一握りしか使えないなら今の糸電話と大して違いはない。


携帯の初期ってどんなんだっけ?いや、それより通信の仕組みって…、う~ん…


「あっ!基地局アンテナ!大きな魔力を発する中継地があったらどう?」



その時僕は思い出したのだ。ニコと暇つぶしに話していた、大型イベント会場での通信脆弱を。


「初期はホントに電波弱かったのよね。肝心な時にアンテナ立たなくて。チェック漏れサークルを見つけても仲間に連絡付かなくて参ったわ。でも最近は各通信会社が移動基地局車を出してくれそういう事もなくなったわね」


ニコはそう言った!

そうだよ!電波は基地局アンテナとそれを受け渡す交換局とかのつなぎによってリレーされていく。なら魔ガラケーもその方式でなんとかならないか?


そのアイデアに鼻息を荒くした兄弟たちとがっしり握手をして僕はようやく工房を後にした。



「お客様はいらしたかな?」

「ええレジー様。みんな楽しそうに遊んでますよ」


「おや?あの黄色い羽の子は…」


アヒルちゃん!うぅ!何てあざと可愛いんだ!みにくいアヒルの子なんて言った奴には三日三晩説教してやりたい!


同じ黄色でもヒヨコちゃんたちとはまた違う、このどこかとぼけた感じがいいんだよね。僕は思わず編み物の得意なウィルにアヒルの編みぐるみ制作をお願いすることにした。



「ウィル、レジナルドの支度は出来ただろうか」

「ええシュバルツ様。レジー様はいつもお美しいけど今日はラベンダー色のブラウスにシュバルツ様のお色であるオリーブグレーのトラウザーズを合わせて格別美しく仕上げました」


「君は本当に良く気の付く従者だ。ありがとう」

「僕の自慢だからね、ウィルは」


「ああ本当に。ではレジナルド、こちらへ」



脱線ばかりする僕を根気よく待ったシュバルツは撮影のために当主の正装姿となっている。

初めて見る本気の正装…。おお…良い男。


攻略対象者である彼らはもれなく全員イケメンだが、シュバルツはその中でもいわゆる正統派と言うやつだ。イケメンと言うよりもハンサムと表現した方がしっくりくる。


玄関ホール中央にある階段前で行われるチェキの撮影。

居間からは何だ何だとアヒルちゃんやゴマちゃんやペンギンちゃんたちがお母さんと一緒に覗き込んでいる。


「はいいいですか。チーズ。わぁ!とってもステキに撮れましたよ」

「…ウィル、もう一枚いいだろうか?」



珍しくチェキに食いつくな…と思ったら、シュバルツ?

キス姿って…そんなリア充みたいなこと…。いやリア充だけど。


「わぁー!」

「きゃー!」


興奮したアヒルの親子はどうやら換毛期だったらしい。

玄関ホールに散乱したアヒルの羽毛はファンシーなエフェクトとなって、クーデンホーフ領主の記念写真をそれはそれは華やかに彩ったとか…





毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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