165 18歳 goto ランカスター
アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。
『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。
馬車列車と言えば、王都とウエストエンドを繋ぐ南の路線以外に、実は北側の『トルネード街道』にも馬車列車の路線拡大を地味に進めていたりする。
まぁ…北側領主たちからの陳情が多くてね。
…って言うか、国に言えよっ!っていう気もするけど、北側領主の多くは例の『クーザ』被害者友の会だからね。まあこれくらいは。
その北側路線がついに完成したのはつい先日の事。
除幕式が延び延びになっていたのは当主である僕が不在だったからに他ならない。スミマセン…
そんな訳で、完成の記念にウエストエンドの子供たちを『ダンジョンランド』へ招待することにしたのだ!もちろん獣人っ子も居るよー!
クラレンス王国内での獣人融和はここのところかなり急速に進んでいる。
それもこれも、ウエストエンドへ保養に来たいが為の富裕層に端を発しているのだが…ここまでの道のりは正直楽ではなかった。が…、僕は自分で自分を褒めてやりたい。
つまりもうそろそろ良いだろう…って事。
ここに来ちゃった流れで少し早めの夏季休暇を勝ち取ったアルバートも、あちらでオスカーやローランドと合流するらしいし…、子供たちの修学旅行としゃれこもうか!
「みんな揃ったかな?」
「「「ハーイ!」」」
「いいね。騎士のお兄さんの言うこと良く聞いてお利口にね。」
「「「ハーイ」」」
「じゃあ僕とアルは一足先に向こうで待ってるね。リナルド、アストルフォ、後は頼んだよ」
こうして僕とアルバート、そしてもちろんウィルを連れて、僕たちは『ワープゲート』で一足先に久しぶりのランカスターへと向かったのだが…
僕とアルバートが列車に乗らないのには訳がある。
一国の王太子が来るとなったら当然晩餐会などあったりするわけで…単に時間の節約。そう、血の涙を呑んで僕は堪えた…!時間とは有限なのだ。
「ウィル兄さん」
「コリン!会いたかった!」
「アルバート兄様」
「フェリクス。来ていたのかい?」
「ええ。帰省のコリンに招待を受けまして。ここはある意味親族の屋敷ですし父様も二つ返事で許可をくださいました」
「レジー兄さん、子供たちは三日後の到着でしたね?ではその前に一度ランカスターランドの視察をお願いします」
「コリン、視察って…」
「ふふ」
「フェリクス…?」
なな、なんと!あれからコリンとフェリクス様の発案でいくつかアトラクションが増えているんだとか。意外だけどこれはいい想定外だ。
ここに居られるのは子供たちが到着する日を含めてもほんの七日間。
なのに明後日は近隣領主を招いての晩餐会、さらに僕とはそれほどまだ面識のないランカスター騎士団への激励会、その合間を縫って、そこそこ放置してある領内の報告やら指示出しやら、諸々片付けて…、アルバートも王命を受けてお父様と領内を視察するらしいし…つまり二人とも割と忙しい。
「じゃあ明日にでも行っちゃおうか。今夜到着するオスカーたちも誘って。アルはどうする?」
「もちろんご一緒するよ」
そして日が暮れる頃オスカーとローランドが仲良くご到着。
「良いの?パウル呼ばなくて」
「週末顔を合わせる予定だ。流石にアルバートの前で忠臣の顔を忘れるわけにはいかないのでね」
「あー…」
もう手遅れだと思うけど…
「ハハッ、もう手遅れだけどな!」
「!」
「何だとオスカー!」
ここにも居たよ。デリカシーの無いやつが…
さて。そして翌日。僕が口をあんぐり開けてその目にしたものは…
水車を参考にして開発された…いわゆる観覧車。
馬車鉄道のレールを丸く繋いで木馬を乗せた…まさにメリーゴーランドもどき。
そして、男の子どころか男なら誰でも大好き…ゴーカートだ!
「なかなか面白そうだな!」
「いやー…ホントに…」
「この『くるくる木馬』はフェリクス様が考案されました。動力は人力です」
「くるくる木馬…」
「それからこの『荷車の坂道レース』は僕の考案です。」
「よしよし」ナデナデ…
「あの『大きな車輪』も人力で、あれは」
「発案はオルランドだね。私のところに動力の相談に来たよ。魔石による重量の軽減を助言したのだが…そうか、これの為だったのか…」
ネーミングには難有りだが素晴らしいアトラクションの数々だ。特にあのゴーカート。
モーターの無いゴーカートの動力は、主に坂道を利用した重力とスタート時の人力である。
車体のベースは四輪の荷車。といっても装飾をほどこしなかなカッコよく仕上げてある。それを使って数カ所のコーナーを上手く躱しながら競い合ってゴールを目指すという…実に素晴らしいアイデア。コリン、恐ろしい子…
そしてトライアル。
僕とオスカー、そして護衛のホルス団長やランドの従士から数人が参加したのだが…
「なかなか面白い乗り物だが…、子供たちにこれは危険ではないだろうか。いくらポーションがあるとはいえ…」
「ははっ。角を曲がる時上手く体重移動をしないと」
「クラッシュするよね。…僕みたいに…」
「レジー、お前…大丈夫か?」
「何とか…」
さすが運動神経の塊みたいなオスカーや団長は何だかんだですぐに乗りこなした。
けど騎士見習いの従士や魔法に頼らなければ凡人の僕では転ぶ転ぶ…。それはそれで面白いっちゃ面白いけど。アイテテテ…
「とりあえずコーナーにはクッション性のあるものを設置して…」
「では子供向けには坂の傾斜角をもう少し緩やかにしては?」
「そっか。分ければいいんだ。上級コースと初級コース。さすがローランド」
軽く自分自身に『ヒール』を掛けたらお次は『大きな車輪』あらため観覧車。
さすがにこれと言って大きな問題はない。強いて言うならてっぺんに到着した時アルが盛って困った事ぐらいか。
「揺れるから動かないで!」
「じゃあ揺れるから暴れないで」
あー言えばこー言う…、まったく!
最後は『くるくる木馬』だが…ここには僕の追加案で回るだけでなく縦の動きも追加することにした。
その場でマジックバックから取り出した、ステンレスによく似た金属をらせん状のスプリングへと加工する。
「これを主軸の代わりに使ってみて。もっと動きに遊びが出るから。あ、そうそう。コリンはお父様と同じで土の属性だったね。じゃあ結合の魔法はコリンがやってみようか」
「え…」
「コリン様。私もお手伝い致しますので…」
「ホルス団長、手出し無用だよ。」
「うっ!畏まりました…」
「コリン、出来るとこまで頑張ってごらん。コリンならきっと出来るから」
「は、はい!」
時には愛の鞭も必要である。
毎日更新を目指しています。
お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)
この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)




