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164 18歳 in 私室

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


ん…、んん…、ん…ん?んぐ!


何で?どうして?目が覚めたらアルの顔面ドアップ!くぅぅ…!

両手の縄はどうした!あっ!焼き切れてる!魔法で焼いたのか!ぬかった!


コンコン


「レジー様、洗顔ボウルをお持ちしました。」


ドン!ドタッ


「ありがとうウィル!入って!」


チラ「おはようございます殿下。あの…、まだ婚約中ですからね?」

「そうだねウィル…。自重するよ…」ハー…


「全く…、ほら、手貸してください。火傷しちゃって…『ヒール』はい、これで良し」


あーあ、シオシオになっちゃって。せっかくのイケメンが台無し…


「お顔拭いて髪をとかしてあげますから元気出して、ね?」

「クラバットも結んでくれる?」


「はいはい」


お母さんか!



リクエスト通り一連のお世話をしつつ、コンサバトリーに用意した朝食を口まで運んであげてるのは昨夜の彼への憐みからだ。

言っとくけどアレ自分でぶつけたんだよ?…オイルなんか持ってくるから…


「はい、アーン」

「うん、完熟だね。美味しい」ペロリ


指まで舐めるのはお約束、と。


なんだかんだで朝食ラストのイチゴをアーンしながら僕はここ半年の成果を報告していく。

一応夫になる人だからね。次期王様だし。



「って言う訳でエルフさんのおかげで僕にお花を咲かせる魔法ウソが生えました。それからドワーフさんのおかげで色んな可能性が広がりました」


「昨日の印画だね」

「チェキっていいます。それと総力を尽くして今電話を開発してもらってます」


「電話…?糸電話とは違うのかい?」


「あれは〝糸電話”なんてふざけた名前がついてますけど実質的には魔法を用いた念話です。だからお互い魔法が使えないと使えないでしょ?属性にしても合ってないと使えないし。クラレンスとウルグレイスはともかくエトゥーリア議会は属性持ちが居なくて通信担当にクラレンス貴族の一人を雇ったって言ってませんでした?」


「ああそうだ。そういえばどこかの誰かさんはしばらく光属性を隠していたね…」


「ゴホ…、そんなことよりこれが出来上がったら画期的ですよ!その魔道具を持つ者同士、魔力の有無を問わず誰もがどこででも通話可能になるんですから」


「それはすごい。では商人なども手に入れたがるだろうね」

「便利ですからね」


僕がイメージを伝えたのは固定電話でなくガラケーのほうだ。

何故ならどうせ電話線の代わりに魔石による魔力を使用するなら固定である必要性が無いからだ。


かといって文明がそこまで成熟していないこの世界でスマホまでは望まない。混乱必至だ。


だけど王都と領地、二拠点生活が当たり前の貴族社会や、キャラバンや行商人など一か所に留まらない彼らにとっても電話は重宝すること間違いなし。

ここでも…、ウルグレイスでも…、そして魔法レベルがそれほど磨かれていないエトゥーリアでも。


なんならドワーフの村とビルさんたちだって即時連絡が可能になる。ってことは…、魔道具の受発注なんかも容易になると言う事にほかならない。


そこまで聞いたアルバートが当たり前の考えに行きついた。


「君が彼らと既知を得たなら今後発注は君を通していいだろうか?ドワーフの国は遠い」


「ですね。でも僕はドワーフの国を乱すつもりはないので国の注文は今後もドワーフの村でお願いしますね。」

「大量発注でなければその兄弟でもかまわないと思うのだが…」


「ドワーフの国にも経済基盤は必要ですからね。住み分けですよ。あそこは既製品、クーデンホーフは一点物のスペシャルオーダー品、ってね」


「いつも半年以上先を見越して発注をするのだよ。先祖がドワーフより手渡されたという魔道具を介してね」

「えっ⁉ 」


未知の魔道具だと!


「それってどんな…」


「水鏡型の魔道具を通じて、これもまた魔道具である専用の注文書を使い届けるだけのものだよ。そして完成した品は半年かけて我が国へと運ばれる。遠路はるばるいくつものキャラバンを経由して…。まったく彼らは用心深い。手間だとは思わないかい?」


「…納品まで半年とか…」



距離感の短縮…。それはタイパに無頓着なこの世界の人であっても歓迎すべき事柄である。


そう言ったわけで実は僕の発明した馬車列車は、クラレンス王都駅からウルグレイスに向けて現在急ピッチで延長工事の真っ最中である。


あ、僕は資材の差し入れ以外もう手伝ってないよ。楽しちゃダメ、ってね。


そしてすでに元ゲスマン皇都のあったエンマ近くまで路線は延び、街道沿いには『エンマ駅』が出来上がっている。


そしてウルグレイスとエンマ間は、エンマがクラレンスとエトゥーリアの共同統治国になったことで、その山中に安全かつ手っ取り早く抜けられる山道も少しだが整備されている。


だからこそウルグレイスからのウエストエンド旅行がハードル下がったわけだ。じゃなきゃあれほど観光に来ないって。


気前よく資材を無償で差し入れしたのは一種の先行投資だよ。



「我々三か国に囲まれトラキアの民は暮らし辛いだろうね。あそこは中立国だが民族的にはゲスマン、ナバテアに近い」


「それ以上に問題はナバテアかな。いいですか。今トラキア、そしてエンマは立地的にはナバテアとゲスマンに挟まれているんですよ。僕の存在が抑止力になるゲスマンはともかくナバテアは一歩間違えると調子に乗りそう…ゲスマンが引くなら俺たちが圧す、ってね」


「ふふ。君の恐怖を知らないからね」

「えーと…、その言い方止めましょうか」


語弊があるでしょ…



「何を考えているの?ナバテア、エトゥーリア間の休戦期間はもう終わりだろう?」

「…実は僕海鮮丼って大好きで…」


「海鮮…ああ!魚介類が好きって事かい?」

「ヴォルフも好きだしアーニーとかにも食べさせてあげたい…」

「妬けるね…」


ベスポジに居るんだからそのジェラシーは飲み込んで欲しい。


フー…「ナバテアも海に面しているんですよね…」

「そうだね…」

「シュバルツとのことでエトゥーリアとは縁が濃くなったことですし」

「不本意ながらね…」

「エトゥーリアの近くにもう少し占有地があっても良くないですか?」


「君それって…」

「エトゥーリアに一部あげてもいいかな。ナバテアからの賠償金代わりに」


「…手に入れる気かい?」

「人聞きの悪い…。お譲りいただくだけだってば。それなりの代替地と引き換えに」



ゲスマンの皇帝が逃げこんだゲスマン皇国の東部のさらにその奥には手つかずの山岳地帯があるという。

そして魔島の更に向こう側には自然豊かでそれなりに大きな島が幾つかがあるという。



さて、彼らはどちらを選ぶかな?




毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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