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147 18才 in エルフの里 ②

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


「あれは我らの祖父母がこの地に降りてどれくらいたった頃かのう…?」


空から来た彼らのおじいさんおばあさんたちは、快適な居場所を作るために先ずは多くの植物を作り上げた。

その影響を受け世界には徐々に様々な生命体が生まれ始める。昆虫から哺乳類、そしてホモサピエンスへと…


「だが我らのように長く生きられたものはおらぬ」

「消えていった生物たちのほうがはるかに多い。長命種であるドワーフや獣人でさえ我ら程は生きられぬ」

「何度も生まれ何度も死に絶え、そうして生物は今の形になったのじゃよ」


「そうだのう…あれは始まりの人間形であったか…」


「その中に格別強く美しい魂を持つ種族がおった。己の場所を愛したそ奴らの魂は死ぬとそのままその土地と融合し、強く美しき精霊となったのじゃて。それがヴェッティルよ…」


「いくらきれいに見えてもあれらは所詮死者の魂じゃ」

「形代を持たぬ奴らは好き勝手をしていつも我らを困らせよった」

「そのうち消えたがの」


「へ、へー…」

「感想はそれだけかの?お前の気配はよく似ておる。…分からぬがヴェッティルに通じる何かをお前には感じる」


ギクッ!

それはあれかな…?死者の魂…って部分かな?これがホントの風評被害…


「それからそこの。驚くべきことじゃ。闇魔法の使い手が残っておったとは…」

「お前は地のエルフの混ざり者で間違いないのう」


「え…えー!どういう事?」



彼らが言う混ざり者とは、どうやら原初の力を色濃く残す人間種全般を指すらしい…。


その前提で地のエルフ、つまりダークエルフは少々負の側面を持ち、陽気な彼らとは何かにつけ衝突していたのだとか。


そのうえ闇を好む地のエルフと緑を好む彼らとでは居住環境も合わない。

そこで自分たちだけの居場所を求めダークエルフは移住し…、別ルートで人間種と結びつき血を薄めていったのだとか。


それがゲスマンやナバテアといった肌が浅黒い国々の始祖。なるほど、あれらの国々が少し残忍なのはその因子があるせいか…


なのに何故ナバテアやゲスマン、トラキアの彼らが魔力を持たないか。


地のエルフは闇の中において魔力を育てる。

つまり人と結びつき明るい陽の下で活動し夜は灯りをともすと言った、暗闇を怖れる暮らしの中で、彼らの魔力は徐々に枯渇し終いにはダークエルフごと消滅していったのだとか。んー、なるほどね!


「だからシャリムは…。じゃあ彼の闇魔法も徐々に消えちゃうの?」

「ふむ…、この者に宿った魔力は消えぬ。じゃが陽の下で生れる次代は無かろう」


「一代限定…」

「別にいい」


僕の中でシャリムがSSレアからSSSレアにランクアップした瞬間だった。





久々に見た懐かしき同胞、ダークエルフの末裔が居た事で彼らの警戒心はほんの少し緩んだようだ。


「だからと言って今は里に入れるわけにはいかん」

「そうじゃ。今はそれどころではない」

「大人しく帰るが良い」


深刻な顔でそれでも侵入を拒否する四人のエルフに、僕は良ければ事情を聞かせてほしいと願い出てみた。

ここまで来て「はいそうですか」って訳にはいかないんだよ!



「お主が知ってもどうにもならぬわ」

「じゃがまあ良い。実はな、この地には近頃異変が起きておる…」


「異変?」


「発する気が変わってきよる」

「ここには我らの欲する全てが揃っておるのじゃがな…、異変によって我ら自身が脅かされておる。気の塞ぐ者、眠れなくなる者、肌や髪からも艶が失われた…」

「何を仰る。十分お美しいですよ」


「分かっておる。だがもっと美しかったのじゃ」

「…」キュ


ナルシストだなぁ…



「おい長耳。こいつの魔法は尋常じゃない。レジナルドに見せたらどうだ」

「そう。イソヒヨドリは何でも出来る…。ゲスマンも消したし…」


シャリムってば人聞きの悪い…。一部焦がしただけだってば。


「ふむ…。地を護りしヴェッティルの混ざり者であれば何とかするやもしれぬのう…」



不本意な死霊呼ばわりはともかく、彼らは可能性に賭けることにしたようだ。

ご機嫌さえ損ねなければ基本彼らは大らかな陽キャなのだ。


様子を見に出てきた男女合わせて四人の彼らは千年越えの老エルフ。気の乱れに寝込んで居るエルフの長は2000歳のハイエルフ。彼はウルグレイスの建国を知る唯一なんだとか。

そして里中には1000歳以下の若輩エルフがいっぱい居るんだって。超楽しみなんだけど!



「しかし我らの里に獣人風情を招くとはな…」


「むかっ!ヴォルフは獣人でも完全獣化の出来るハイスペックだよ。ヴォルフ見せてやって!」

「くだらん…が、いいだろう」


そう言いながらプライド高いんだから。


が!

完全獣化を見たじいさんたちは俄然興奮し始めた!


「その姿…お前は今は亡きフェンリルの子孫ではないか!」


何だとっ!


フェンリル…、それは魔獣であったり聖獣であったり、だけどファンタジーに欠かせない定番中の定番!


「ちょちょちょ、それホント!?」


「本当じゃ。獣化したその姿こそが証じゃて」

「お前の先祖とは仲良くしておったのじゃぞ。白き狼よ、それを早く言わぬか!」

「幾分小さくなったがの。相変わらず美しい毛並みではないか」


ヴォルフの毛並みは僕が毎日ブラッシングしてますからー!


僕の中でヴォルフがSレアからスキップしてSSSレアにランクアップした瞬間だった。



懐かしき友人であるフェンリルの子孫が居た事で彼らとの距離は一気に縮んだようだ。

ここまで来たらすでにオトモダチと言っても過言ではないだろう。



「着いたぞ。この先が問題の場所じゃ」


ワラワラ出てくる金髪の美男美女。四方八方からジロジロ見られ、これは完全に見世物である。


「人間…。人間だわ」

「でも気配が変ね?」

「あちらの黒いのは仲間かしら?」

「あれはおばあさまから聞いた地のエルフに似ているわ」

「白い狼よ。珍しい…」

「素敵な毛並みね。撫でてみようかしら」


「およしなさい。白き狼は少し不機嫌だわ。あなた方にも聞こえるでしょう?」



それっ!まさにその力が欲しいんですって!

その力さえあればもう二度と野生の動物さんをナデナデして「そこじゃねぇよ」って顔されることも、いそいそと餌を差し出して「これじゃねぇよ」みたいな顔されることも無くなるはず、…ああ…



「はい注目ー!僕は遠い国からやって来たレジナルド。皆さんとお友達になりたいなと思ってやってきました。ところでなんでも困りごとがお有りだとか?僕が何とかして見せましょう」


期待の声半分、嘲笑の声半分、黙って様子見してるのが半分…あれ?合計がおかしい…


「その代わりと言っては何ですが…」


「なんじゃ。我らに条件を出すつもりか?」

「まぁまぁおばあさま、一応聞いてみましょうよ」

「そうよ。内容次第でやってしまいましょう」


陽気なのに好戦的。これぞまさにエルフ。



「上手くいった暁には僕にご褒美として魔法を一つ教えてください。条件はそれだけです」





毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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