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145 18歳  visit ウルグレイス大聖堂

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


「あーあ、神殿でクルッポーの使役陣見見たかったなぁ…」


「見てどうする。記憶して盗むのか?」

「…そう出来たらいいんだけどね…。魔方陣って言うのは大体小難しいって相場が決まってる。さすがの僕も一目で暗記は出来ないよ。残念。でも気になるじゃん」



今日は念願かなってエルフの情報を持っているかもしれないという第二王子殿下との面会日。


僕の護衛が獣人だと知ったことで王家は面会場所に大聖堂を指定した。

何故なら宮殿はさすがに貴族以外立ち入り禁止だし、神殿は誰でも入れるが武器の持ち込みが禁止される。そのためヴォルフのいざとなったら飛び出す鋭い爪や牙などが武器とみなされたためだ。


大聖堂を訪れるのにそういった制限はない。ここは誰もが訪れ礼拝を行う場所である。



「でも良いんだ。もし本当にエルフの魔法を手に入れたら動物も魔獣も意思疎通し放題。魔方陣なんかなくったって僕は天才アニマルトレーナーだ」


「ほーう?そうなったら俺の心が読める訳か」

「これほど見るのが怖いものも無いよ…」

「ふっ、そこへいくとお前は分かりやすい」


あー、そうでしょうとも!



失礼なヴォルフは無視して、僕は意識を目の前に現れた線の細い神官へと集中させていく。


彼が第二王子ユージーン様か。どことなく後光を感じるのは…目の錯覚?


ゴシゴシ「…」

「ああ失礼。今しがたまで浄化の魔法を行使していたので少し余韻が…」

「ではウルグレイスの浄化は光系統なのですね?」


「我がウルグレイスの魔法はクラレンスとは少し違ってね。光ではなく日輪と言うのだよ」


日輪…つまり太陽…ってこと…?光と何が違うの?どゆこと?


「日輪とはね、太陽でありそして樹木の歴史を示すものでもある」


ああ、年輪のことか…。じゃあ日輪魔法ってのは植物魔法の系統…?


「日輪はクラレンス王家の持つような強い光は放たない。柔らかい木漏れ日の様な光、浄化の光だ。そして主となるのは植物を司る力。その日輪を持つのは王家に限られる。クラレンス王家の持つ光の守護と同じように」


はい来た、エルフの遺伝子ー!


「君たちクラレンスがエルフの持つ多様な力、その中でも光の力に特化して研ぎ澄ましてきたように我らはエルフの力、その本流をひたむきに追及し続けたのだよ」


クラレンスで言う〝アークトゥルス”。それがウルグレイスでは〝日輪”ってことだな。


「そして君たちが研鑽の過程で狂魔力を生み出したように我がウルグレイスでは魔方陣を生み出した。これはエルフの残した様々な書付がもとになっているのだが…、まだまだ十分解読は出来ていない」


「クルッポーの使役陣もその一つですね」


「その通り。だが私の行使するエルフの魔法陣は日輪の魔力を要するのだ。つまり代々必ず王家から誰かが従事する」


じゃあどっちみちクラレンスでは無理って事か。言うなれば僕でも…。ちぇっ!


「ふっ」


そこ笑わない!



「それで君は…何でもエルフについて知りたいとか」


「ええ。この国の始祖はエルフの末姫を母に持つと聞きました。残念な意見の相違によって彼らが遠方へ去ったと聞いていますが…かれらの現在地に心当たりはないでしょうか?目星だけでもかまいません。僕はどうしても彼らに会わなくては」


「何故…?彼らは神聖な存在。彼らの里もまた決して侵してはならない聖域なのだよ。いくら我らが袂を分かったとは言え、興味本位でそれを望むのであれば私はむしろ君を遠ざけねばならない」


ギクッ!

興味本位どころか下心しかないんですけど…。えーとえーと、どうしよう…。そうだ!あれだ!


「え、ええと…ユージーン様もご存じなように私は狂魔力と言う忌まわしい力をこの身に秘めておりまして…」


「忌まわしいなどと…。そんなに自分自身を卑下してはいけないよ。君は立派にその力を制御しているではないか」


卑下どころかひけらかす勢いですけど何か…?


「と、とにかくその狂魔力ですが今後も子孫に継承されていくのであれば、危険を抑えるために、その、なにか有益な情報を得られないかと思いまして…」


「……君が狂魔力の制御を可能にしたその方法を踏襲すれば良い、と言うのがクラレンス王家から我がウルグレイス、そしてエトゥーリアとの三か国同盟時にあった、今後の危険回避に対する説明だと思ったのだが…」


なるほど…。こんなあっさり狂魔力を王家に戻すなんて安易だなって思ったら…そういう事か。


「ですがその方法は非常に困難を伴う方法でして」


いやこれホントだよ?身体は子供、中身は大人だったから良かったものの…過酷だよ?


「他に方法があればそれにこしたことはないかと…。何しろエルフ族は全ての根源。何か知っているかもしれない…」


「ふむ…」


おっ?これってばあと一押し?


「それに…、もうお聞きになりましたか?」

「何をだろうか?」


「ウルグレイス王は私とこの国の関係を強化なさりたいようです」

「ああ。王たる父は我が国も狂魔力の継承者を得られぬかと…、もちろん未来的な可能性の話だが…そう考えているようだね」


目的は血統か!…どうせ継承はランダム、血筋だけでも欲しいって事か…あ、あれ?



「で、でも結局令嬢ではなくデュトワ家のご子息が側夫に…。その、男同士で子供なんて…」


「デュトワのご子息と…?ああ分かった。君は魔力の譲渡や波長の同調を容易く行うと聞いているが…本当かい?君の血を分け与えられた従者は狂魔力によって不思議な加護を得たとも聞いているが…」

「ええまぁ…」


詳しいな、ウルグレイス王家…。はっ!諜報…?

うっわ…。ヴォルフの目が細くなった…。ステイ!ステイだよヴォルフ!


「それを踏まえてだね、古代エルフの魔法には血脈を受け継ぐための特殊な魔法があるのだ。何故なら長命種には往々にして起こり得ることだが…彼らの繁殖力は実に弱くてね、そのため不測の事態に備え決して血が途絶えることがないようこういった魔法が存在するわけだ。私はその魔方陣を確立している」


な、なるほど…。確かに自然界でも捕食される動物ほどたくさん産むんだよね。

不老長命のエルフなんて繁殖力強いと収拾がつかない。これも自然の法則か。


「だがその行使には実に繊細な魔力操作、そして膨大な魔力が必要となる。恐らくは私にも私の兄にも、王である父にも不可能であろう。ハイエルフ以外でそれが出来るのは…」


フー「不可能を可能にする狂魔力の継承者、僕ですか…?」

「御名答。だから性別などどちらでも構わない。父はそうお考えになったのだろう」


不可能を可能にするのはフルスキルですけどね…、ありませんよ?そんなスキル…。まあいい、一旦保留だ。



「でしたら尚更、万に一つの危険も取り除かなければならない…そうではないですか?」


「…いいでしょう。では私は知る限りのことをお教えします。ですが彼らは特殊な魔法を用いその場所を隠匿している。たとえ近くに行ったとてその場所を見つけ出すのは容易ではない。それでもかまいませんか?」


「充分です」


「それからこれは門外不出の秘匿事項。決して誰にも漏らしませんよう…。そのための制約魔法をかけさせていただきますがよろしいか」


「もちろん」


といっても制約魔法って言うのは極端にレベル差があると効かないんだよね。

つまり上限解放してる僕には誰の制約魔法であっても効かないんだよね。ナイショだけど。

婚約時の制約も全然効いてないんだよね。ナイショだけど。




とにかく!エルフ国へのマップ(のようなもの)、これにて開放!





毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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