138 18才 in 東の山
アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。
『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。
エルフの国とドワーフの国。それらは『恋バト』にも『恋エロ』にも出てこない、だけどファンタジーにおいて定番中の定番、なくてはならない、森に隠れ住む亜人種の国である。
かたやとがった耳と美しい容姿を持ち、何千年もの寿命による深い知識を携え、おまけに特殊な魔法も使えたりなんかする、人間をデフォルトで見下すチートな妖精もどき。
かたやずんぐりむっくりした体型ともさもさした髪や髭を持ち、類まれな特殊スキルによって様々な武具を作り出し、鍛冶の範疇を軽く超えて来る偏屈な天才鍛冶師。
その彼らがウルグレイスの、そしてエトゥーリアの向こう側に存在すると知った日のあの衝撃、あの歓喜。どう言葉にすればお分かりいただけるだろうか…
それをニコに話して数日後、なんと!興味深い事実を彼女は思い出していたのだ。
「あたしはやってないから確かじゃないんだけどね…、確か『恋バト』のメーカーがエルフやドワーフの出てくるファンタジーRPG出してた気がするわ…」
「同メーカーの他パッケージ…」
それがどういう意味をもちどういった影響があるのか今は分からない。が、僕は僕の野望通りに突き進むのみ!
エルフの持つ動物と意思疎通の出来る魔法?…みたいな力。あれこそま・さ・に!僕の求めてやまない力…
あっ、そ、それからこっちが本題ね。
もし良かったらうちの山にも遊びに来てくれないかなー…とか思ってるんだけど、どうだろうか。彼らがフラッとヴィラの山中なんかに、まるでレアキャラみたいに現れてくれたら新たな目玉になるんだけど、彼らは相当気難しいと聞く、無理だろうか。
セザールから、ウルグレイス人にはエルフの血が微かに混じってると聞いて、ウルグレイスのプライドの高さには合点がいった。
けれど本家本元、エルフのプライドは尋常じゃなく高い。人間種などその辺のミミズかダンゴムシくらいにしか思っていない。
だけど一寸の虫にも五分の魂…ということわざもある。なんとか少しは話聞いてもらえたりしないだろうか…?
とにかく行って見なくちゃ分からない。これはある意味観光促進のための大事なお役目なのだ!
ってことで、先ずはウルグレイスからね。
「連れて行くのはヴォルフだけ?シャリムくんは連れて行ってあげないの?」
「ウルグレイスはね…。あそこはこの間までゲスマンと戦争してたでしょ?シャリムがゲスマンでひどい目にあってたって言っても、町の人にはそんな事分からないから多分嫌な目で見ると思うんだよね…」
「…そうね。止めといた方が賢明ね」
「エルフの国が判明したらその時は連れて行こうかと考えてる…」
「見つかるといいわね。で、いつ行くの?」
「うーん、なんかアルバートが貧民政策の経過報告にかこつけてウエストエンドへ泊まりに来ようとしてるからその前に」
「…不憫ね…」
そんなわけで僕はウルグレイス、そして万が一会えた時の為にエルフさんたちにもお土産を用意することにした。それもとびきりキレイなお土産を。
ウルグレイス人もエルフも美しい物が好きだからきっとお喜びいただけるだろう。
そこで僕は比較的小柄な獣人さんたちを引き連れ、以前発見してそのまま放置していた東の山にある小さな晶洞へと足を踏み入れていた。
「はーい、みんなこっちだよ~。はぐれないでね~」
「お前は馬鹿か…獣人の我らが山で迷うものか」
「えー、でも子供たちはウエストエンド産まれじゃない」
「身体能力が違うだろうが。俺たちには持って生まれた方向感覚がある」
「体内ナビ…」
良いなそれ…
「それよりお前の足にしがみつく白黒は何だ」
「知らないのヴォルフ?辺境伯領のさらにむこうにあるすごい遠方の山から一年ぐらいかけて来てくれたパンダ獣人さん…の息子さん。何度離しても戻ってくるの。すごい甘えん坊で…タマラナイ…」
「そりゃ良かったな」
とまあ、大人のみならず子供たちまで動員して何しに来たかって言うと…
「さぁみんなー!キラキラ光る青い石を見つけたら僕の所に持って来てねー!お目当ての石以外は自由に持って帰っていいからねー!」
「はーい」
「うぃーっす」
「了解ー!」
僕のお目当て…、それは世界三大希少石と言われる中の一つ、パライバトルマリンである。
この世界では未だ発見されていないトルマリン。そのトルマリンらしき緑の結晶を僕はもうずっと前に発見していたのだ。
その晶洞を何故今まで放置していたか。
前世的にトルマリンはそれほど高価な石では無い。お高い宝石のイミテーションとして使われたりもしていたぐらいの物だ。
加えて男の僕は宝飾品としての鉱物にそれほど興味がない。希少鉱物なら『メタルダンジョン』や『ゴールドダンジョン』でいくらでも手に入れられる。
それで興味が無かったのだがお土産としてなら話は別だ。『未発見の宝石』となればその価値は爆上がり。僕はそれをウルグレイスへの手土産にするつもりでいる。
そして更に…。
その中でもパライバと呼ばれるネオンブルーが見事なトルマリンは太古の時を経て形成されるという話で、そう簡単には見つからない貴重な石。
もしそれが見つかれば…、それをエルフへの手土産にしたいなー…なんて。
だってこのクラレンスは何千年もの歴史を持つ国。そしてウエストエンドはずっと手付かずだった土地。
西山でも太古の火山石である黒曜石が見つかってるんだからもしかしたらワンチャンあるかも!
因みに何故男の僕がトルマリンに詳しいか…、それは貴族の嗜みだから…、ではなく前世の妹、そして母親が関係している。
妹はピアスやネックレスと言ったピンクトルマリンのアクセサリーをいくつか持っていた。そしてここがポイント、母はトルマリンが肩こりや血行不良に効くとの情報を女性週刊誌で仕入れると、ベッドパッドをトルマリンが練り込まれた、とかいうものに変え、下着もトルマリン繊維、とかいうのに変え、そして僕にもトルマリンの磁気ネックレスを一本くれたのだ。パソコンばっかりしてたら肩凝るだろうとそう言って。ああ、これぞ母の愛…。
そういった訳で少しばかり調べた事があったのだ。オタクの習性として。
エルフ族は長命だ。つまりはご高齢…。希少価値の高い綺麗な天然石であり、そのうえアクセサリーにもなる磁器ネックレスなんて喜ばれること間違いなし!
「ああ…でももうじき日が暮れる…、やっぱりパライバトルマリンは難しいか…」
「あの…これどうでしょう?」
「こ、これは…っ!き、キツネのマイルスさん!これどこに⁉」
「晶洞の奥に磁気を感じて…。磁気に関して犬やアナグマには負けませんよ!オオカミにもね!」
「何だと…」
「今回はヴォルフの負け!マイルスさんありがとう!ありがとう!」
お土産、ゲットだぜ!!!
毎日更新を目指しています。
お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)
この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)




