129 17歳 coming soon ウインター
アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。
『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。
「レジー、アーニーに聞いたよ。色々と大変だったんだってね」
「いやもう…、あんなこんなよりもその後がね…、ハハ…」
あの騒動からはや数日、耳の早い何人かは既に僕とアルバートの婚約決定を知っている。
因みに屋敷でそれを報告した後、時を同じくして騎士団に謎の病が蔓延し、半数以上の団員が寝込んで居たのだがあれは一体なんの病だったんだろう…
クラウスが『キュア』も『ヒール』も要らないというので自然治癒に任せてしまったが…、代わりに見舞いへ出向き一人一人手を取りながら
「ランカスター公爵家として名誉あるこの日を迎えられたのも狂魔力を持つ僕を君たちが恐れず今までずうぅぅぅっと側に居て支えてくれたおかげだよ。これからもうんと甘えていいかな?」
と励ました翌日全員完治していたのでホッと胸をなでおろした。
ウィルとジェイコブはあまり動じず。
すでにアルバートがここに来るたび主人面していたため、いつかこうなる気がしていたと言われてしまった。
「でもっ!でもっ!僕はこれからもレジー様の従者ですからね!僕だけですからね!」
「もちろんだよウィル」
「王城の使用人なんかにレジー様は渡しませんからね!」
「僕の着替えもお風呂も手伝っていいのはウィルだけだよ。だからずっと側に居てね」
「レジー様…、おじいちゃんになっても付いていきます!」
「それより坊ちゃま、『ワープゲート』とか言うアイテムの事でございますが」
ギクッ!
「そんなことではないかと当たりは付けておりましたが…、このジェイコブにも秘密とは水臭いではないですか。この老いぼれ…坊ちゃまにとってはもう用無しですかな?」
「そっ!そんな訳無いじゃない!僕は有能執事のジェイコブが居なきゃまだまだ半人前、用無しなんて言わないでよ!」
「では坊ちゃま、隠し持っているアイテムをリストにしてご提出くださいますな?坊ちゃまの有能執事たるもの全て把握しておかなければ。魔石鉱石、金銀財宝もですぞ。」
「う!」
その後リストを見たジェイコブから「これほどとは!ほとんどがSSダンジョンでは無いですか!」と、半日に渡りお説教を受けたことは言うまでも無い…
そんな苦行を乗り越え今日は久しぶりの領内パトロール。その帰り道にアッパーエリアでセザールとバッタリ会ったわけだ。
「その後?ああ、アルバート殿下との婚約のことかい?」
「そうそう。バックレるはずだったのにまさかこんな…。もう開き直ったけど」
「ふふ…、それを聞いた時は僕も少し動揺したよ。だけどね、アーニーに言われたんだ。呼称などに意味はない、ってね。本当にそうだ。僕はいつもうわべに振り回される」
「うーん…、よく分からないけどこれはある意味契約婚だよ。王家はこれで狂魔力を王家の血筋に取り戻しランカスターは公爵家として本来持つべき権威を取り戻す。そのついでに宮廷は便利なドラ〇もんを手に入れ僕は、ふっふっふ、有無を言わさぬ権力を手に入れる。ってね」
「王の思惑はともかくアルバートはけっしてそれだけで君を求めている訳ではないよ?分かっているのかい?」
「まあ…。けど僕も嫌いじゃないよ」
彼は無印の攻略対象者だし、あれでなかなか良い王子様だ。
「やれやれ…、分かってるんだか無いんだか。でもそうだね。婚姻はまだ先だろう?この国では一年の婚約期間が必要だったね?」
「あー、そうそう。助かるよね」
「じゃあその間にウルグレイスへ来ないかい?今回の件でゲスマンの皇帝が停戦を申し出て来てね、ようやく安心して故郷の地を踏めるようになったんだ」
あー、棚ぼたというか何というか…、皇帝一気に老け込んだからね。臣下も込みで。
「停戦っていうか…これは事実上の終戦だよ。戦争するような気力もう無いんじゃない?」
「ウルグレイスにとっては怪我の功名さ。じゃあレジー、約束だよ」
ウルグレイスには一度行きたいと思っていたところだ。
芸術と神の国ウルグレイスに僕は興味津々。今まで見たどことも違う独特な国でありクラレンス王国に匹敵する大国であるウルグレイス。とても楽しみだ。
おやあれは…
「ローランド、パウル。相変わらずベッタリして…仲いいね」
「それは君もだろう。父から伝言だ。婚約式の準備に着手すると」
えっはやっ!
「アルバートも随分張り切って色々考えているようだが…君にお祝いを言った方が良いだろうか…?」
「スルーで宜しく…」
『ワープゲート』の存在を知られ両大臣に散々詰め寄られたあの夜。
悪用はしていない、という言葉は何とか信じてもらえたが、今後事あるごとに呼び出されるだろうし場合によっては貸せと言われるのが目に見えている。それでも腕づくで奪われなかっただけまだマシと言うところか…
そんな中、ローランドは左大臣家の息子という立場を悪用、…最大限に生かし、裁判所でたまったパウルの書類仕事を手伝う、という名目で僕に毎週末『ワープゲート』で送り迎えをさせるという言質を取ることに成功していた。何て奴だ。
「レジナルド様、その…、おめでたいことなのでしょうが少し残念です…。私はレジナルド様の隣に立つ兄の姿を夢見ていたので…」
「シュバルツ?あー、なんかクーデンホーフ領が栄えたら隣に立ちたいとか何とか言ってたっけ。立てばいいのに隣くらいいつでも。ねぇローランド、」バシィ!「痛っ!」
「そう言う意味じゃない!馬鹿か君は!」
ニコとローランドは僕の扱いが雑なんじゃないの?こう見えても一応狂魔力様だよ?
「あー、そう言えばさ、アーニーがシュバルツをエトゥーリアの首相にして第二夫君にしろとか言うんだよ。そうしたらエトゥーリアが僕のものだって。どう思う?ホントふざけてるよね」
「何を馬鹿なこと…」
「そ、それは…」
「んん?え、あっ!ご、ごめんごめんパウルごめん、こんな失礼な事…。ほんの冗談だから。あっ、あっ、もう行くね。今のは忘れてっ!じゃっ!」
しまった…。この二人は軽口の通じない生真面目カップルだった…。失敗失敗。
「そんな手が…」
「パウル?」
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この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)




