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126 17歳 in 王城の大広間 ③

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


『恋バト』における最終クエスト、それがベルト地帯崩壊を防ぐ一大クエストである。


きっかけはパーカー。

あの馬鹿が魔石欲しさに魔の森、つまり樹海に突っ込んで(おかげで何人もの傭兵がタヒった)魔石と間違え封印の石を持ち帰るという、前代未聞の大失態をやらかしたのだ。

そこからスタンピードよろしく魔獣の大暴走が始まる。

それを防ぐのが聖女と攻略対象者ご一行様ってわけ。

え?学生ごときがあり得ないって?…僕もそう思う。けど、そういう設定だからしょうがない。


そこで最終決定打となるのが、聖女の持つ聖属性の最上級魔法である『スーペリオンキュア』に、ゲームのアルバートが持つ光属性の最上級浄化魔法、『セラフィックライト』をクロスさせた最終奥義、その名も『天界の慈悲(ヘブンズマーシー)』。


確かあの光を浴びた魔物はもがき苦しみながらベルト地帯へ引き返していったんだっけ。

瘴気を酸素代わりにする魔物にとって清らかな森にされてはたまったもんじゃないのだろう。

魔物を掃討しないでベルト地帯に返すあたり、さすが全年齢向け乙女ゲー。


あの奥義を発動するには95パー以上の好感度ゲージが必要となる。けど僕とニコの好感度はお互いすこぶる高い自覚がある。


なにしろ同じ日本人で同じ転生者で同じゲームのアクティブユーザー、ついでに互いに恩を感じあってて、そのうえ趣味に生きる者(オタク)と言う共通項もある。低好感度の訳がない!

大体ニコからは恋愛感情ともまた違う、何かこう…多分好意的な熱い視線を良く感じるし。


まあ、要するに魔力の波長が合わないと発動しないって言う奥義ね。けどフルスキル様にとっては波長など変幻自在。朝飯前だ。




「さて到着…っと。あの皆さん…、そんなに見ないで…」


ネタバレした以上コソコソする必要はない。

僕は王や大臣の集まる巨大な円卓のある会議室へと、何故かピンク色のセーラー服に身を包んだニコを連れてワープしていた。

場違いなことこの上ないが、『恋バト』のヒロインたるやこれが勝負服なんだとか…

いやそうだけどなんかコスプレ感が…、あー!もういい!今は一分一秒が惜しい!そんなことより早く彼らを助けてあげたい!


なのに止まらないツッコミの嵐…


「『ワープゲート』…便利なものだ」

「あの…ここだけの秘密ってことでお願いします…」

「あの場に居た者とは箝口の制約を交わしておる。安心せよ」

「その代わり分かっておるな…」


左大臣…、それ悪代官の台詞だから…




ところ変わって大広間。

まさかここでニコの『スーペリオンキュア』が役立つとは…。やっぱりカンストは正義!取ってて良かった聖女のステータス!


「酷い有様ね…。こんなのもうあたしの好きな『恋エロ』じゃないわ」

「本当に…。早くニコの大好きな『恋エロ』に戻そうよ…」


「いいの?そんなこと言っちゃって」

「いいよ。こんなのより100倍マシだ」


「…そうね。ゲーム覚えてる?」

「もちろん一言一句漏らさずに」

「良かった」

「ニコは?」

「愚問ね。じゃあさっさと行くわよ」

「オッケー」



ニコの手を取り体内に流れる魔力のリズムを同調させていく。


しかし…、まさかこんな厨二クサイ台詞をリアルで詠唱する日が来るとは…

周囲の眼がすごく気になる…。ニコは平気なんだろうか…、って、ノリノリだと!?



「「慈悲深き天界の光よ、慈愛に満ちた天使の息吹よ、彼らを癒し道標となれ。深淵に囚われた意識よ、闇から目覚め光の道を進むがよい。いま闇を照らせ!『天界の慈悲(ヘブンズマーシー)』」」


カッ!


まっ、眩しいーーー!!!

立ち上がる巨大な光の環が広大な王城全体を包んでいる!画面を飛び出した最終奥義は流石…エクセレントの一言!


ゲスマンで僕が置き土産に放った光属性の上級攻撃『天罰(ジャッジメント)』、あの宮殿全体を包み込んだ怒りの閃光とは比べ物にもならない輝き!

さすがベースが正ヒロインである聖女の神聖力!目、目が開けられないっ!!!


どこからともなくそこらじゅうから感嘆の声が聞こえる。


「こ、これは…」

「なんと神々しい…」

「これが天界の光…」


「お、おおっ!皆が目覚めた!目覚めたぞ!」


「レジー!レジナルド!オルランドが…弟が眼を覚ました!」

「でかしたぞ!レジナルド!女神官ニコ!」


「神官ニコよ…其方の持つ力は一体…」


ああー!恐れていたことが起こってしまった!


「神官ニコ、おぬしはもしや…」

「全部狂魔力のおかげです!人智を超えた狂魔力によって生み出された力です!」


「!」


ニコぉ!?

ほらぁ…大神官がこっち向いたじゃないの…


「う、ううむ…、なるほど。大天使ラビエルの異名は誠であったか。…これがラビエルの癒し…」


大神官?ま、まあ死の使い(ザラキエル)よりはいいか…


それに案外悪い気分じゃない。褒められた事がじゃないよ?皆の無事な姿を見れたことがだよ。


目の前に広がる安堵と歓喜に満ちた光景…、なんて…なんて…、ああ…なんて疲れた一日なんだ…

もうそろそろ部屋に戻って良いだろうか…。両の瞼はすでに限界をむかえている…


ああん?誰だよ!僕の肩を掴むのは…。僕は今からヴォルフのモフモフを堪能しながら長い長い一日に終わりを…



「さあ行こうか、レジナルド君」

「へっ?」

「ゲスマンの報告を聞かねばならん」

「はっ?」



ええー⁉もう勘弁してよ…




毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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