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109 17歳 I Gotcha 重要な証人

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


なな、なんという棚ぼた!


彼らの見つけた重要な証人はさらに重要な証拠をもたらしてくれた。

その証人とは四年前のあの夜、木の上から地割れを目撃していた人物だったのだ!


木登りの得意なその男はコソ泥なんかを働く小悪党で、地割れを目撃したあの直後、ちょっとした悪事が見つかり矯正刑務のある監獄に収監されていたんだとか。


その収監された先で同房だった、旅人を襲い捕まったという杜撰な悪党こそが、まさしく棚ぼたの証拠を隠し持っていた人物である。



「我々はこう考えました。ザラキエルの目撃者はパウル殿が命を狙われてたことを証言出来る、と」


言われて見れば!

でもある意味、収監されてたからこそこの男たちは無事だったのだ。


「我らの訪問に〝死の天使降臨”を知った男は「目撃者である自分を連れにきたに違いない」と恐怖におののき保護を求めたのでございます」


「だからザラキエルは…、うん。もういいやそれで。」



目撃者の同房だった男。

なんとその男はロートリンゲンの王都邸に勤めていた元窓拭き人夫だ。


男は侯爵夫人の機嫌を損ねてある日クビを切られたが、逆恨みした男は屋敷を出る際、窓ふき仕事で目にした書類の中から中身のわからないまま(文字が読めないからね)重要そうな紙を数枚抜き取って隠し持って来たのだとか。

きっといつか脅しの材料になればと思ったんだろう。


彼らはすでにその元窓拭き人夫も保護しているのだという。もちろん書類と共に。


手渡された書類をよく見ればそれは一通の書簡。


「何々…。『先日議会にて決議された新たな税、燃料税でありますが国の指定商会は免除されるとの条項を入れていただき、侯爵閣下の経済の何たるかをよくお分かりいただいた賢明な案に我ら商会主一同、ますます尊敬の念を深めております。つきましては新たな制度の導入に際し寄付寄進をさせていただきたく…』」



シュバルツたちを匿う事で、念のため僕はエトゥーリアの国政は諜報に命じて逐一把握している。


意見する人材をほぼ失った議会は無法地帯となり何度も何度も暴挙に出た。


その一つとして、戦争に資源をつぎ込むあまり不足した燃料問題を解決するために、この国は燃料に税をかけるという悪手に出たわけだ。

が、ロートリンゲンは自分の一派と子飼いの金持ちに損害が及ばないよう〝国のために有益な高位貴族、聖職者、そして国の指定を受けた商会主は免除”という一文をぶっこんだのだ。


そこで要約するとこの長い手紙は、「寄付という名のつけ届けをお送りしますね、指定下さい。」というお礼兼催促状である。


この税は当然のことだかがかなり庶民の反感をかったらしく、今はロートリンゲンの強権で押さえられているがこれが世に出れば暴動必至だ。


「これがあれば我々にとってかなり有利であるぞ!」

「この機を逃す手はない!」




こうして王都民にまで飛び火し一気に激化した内乱は、何者かの暗躍により(誰のことかな~?)瞬く間にピークを迎えたのだが、翌週エトゥーリア入りしたクラレンス、ウルグレイスの連合騎士団によって一か月ほどで鎮圧された。


驚いたのはその連合騎士団に、オスカー、セザール、そしてまさかのローランドが居た事だ。


オスカーは騎士見習いとしての演習で、セザールはウルグレイスとの窓口になるため要請されて。(実はウルグレイスの司令官がセザールのお兄さんなんだって)


そしてローランドは…


「まさか休学してまでやって来るとは…恐ろしい執念…」

「当然だ。ことはパーヴェルの将来に関わる。一両日中にシュバルツ殿を連れたクラウス団長も到着するというのに私だけが指をくわえて見ていられるとでも?答えは否だ」


愛は強しか…




そうしてついに合流を果たしたしたシュバルツ。

それを待ってようやく連合騎士団はこれ以上の無益な争いを止めさせる為トップ会談の席を設けた。緊張の時間だ。


官邸の執務室で軍兵に囲まれ守られるロートリンゲン。

対峙するのは変革派の要となるマッケンゼン伯爵、部屋の周囲はウエストエンド騎士団を含めた二国連合騎士団が包囲している。


そうそう、ゲスマンから戻ったウォーデモンは潮目をみて手を引いたようだね。賢い奴め。



ロートリンゲンは様々な証拠を前に糾弾されるが、奴の分厚い面の皮はこの程度では日焼けの皮ほども剥けないらしい。


歩み寄らない両者。無血開城には程遠い。

焦れた聖騎士団のモレー団長とウルグレイス司令はついにとっておきの切り札を出すことにしたようだ。



「ロートリンゲン侯爵!軍議は一個人の道具ではない。何事も天の配剤。貴方も高位貴族の端くれであれば往生際を知り軍を退かせてはいかがか!」


「ぬぬ…、連合騎士団よ。他国の介入を私は許さんぞ!そもそもお前たちは中立の立場では無かったのか!」


「無論である。我らの目的は内乱による影響を懸念しての仲裁。本来ならば他国の政治に口は挟まぬ。だが中立である我らに貴方の悪逆非道な行いを訴え保護を求めてきた者が居る」


「保護だと…?」

「まさか…」


「うむ」


変革派はパウルの事だと思ったのだろう。皆僕の方を見て分かったように頷いているが、違う、そうじゃない。


「その者はこう証言した。ナバテアとの戦乱に乗じてその者たちは貴方に存在を消されたのだと。彼らは戦死者として敵国ナバテアに捨て置かれ命がけの苦役を課せられたと。そして彼らはその悪しき目論見通りその数を半数に減らしたのだとも。気の毒な事だ…」


「な、何の話だ…」


「だが残った者たちには運よく救世主が現れた。ある人物に命を救われ、彼らはどの国にも所属しない幻影としてこの数年隠れ忍び生きてきたのだ。隠れた理由は何故か。それは貴方が彼の生存を許さないからだ!」


ガタッ!


勢いよく立ち上がるロートリンゲン。恐らく不穏な何かを感じたのだろう。


「彼を覚えておいでだろうかロートリンゲン侯爵。貴方が丁寧にもお家を潰し全ての財を召し上げたクーデンホーフ家のご当主、シュトバルツ殿の事を!」


「ば、馬鹿な!」


「何だと!」

「これはどういうことだ!」



静かに前へと進みでるシュバルツ。

それを見て目を剥き腰をぬかさんばかりに驚くロートリンゲンと、幽霊の登場に戸惑いを隠せない変革派貴族たち。


何が起きたか理解できず、恐れおののき堪りかね、兵の一人が悲鳴に近い叫びをあげた。


「か、彼は死んだのでは無かったのですか!ロートリンゲン元帥、これはどういうことですか!」


「ええい!ナバテアの壊れた樹海に救世主など現れるものか!こ奴はよく似た別人に違いないわい!惑わされるな!」



よし!ようやく出番だ。僕だってモレー団長やセザールのお兄さんには負けないゾー!


「語るに落ちるとはこの事だなロートリンゲン!前線で死んだはずの彼らがなぜ樹海に居たとそう思う!」

「そ、それは…」


「お前はシュトバルツたちがナバテアで犯罪奴隷に落とされたことを知っていたんだ!」

「ええい小僧!この痴れ者めが!お前がこの偽物を連れてきよったのか!」


「諦めよロートリンゲン侯!私が偽物かどうかなどいずれ分かることではないか!」


「おのれ…、ど、どうやって…、こ、殺せー!こいつを殺すのだ!」

「で、ですが…」

「いいから殺せ!上官の命令に逆らうつもりか!」


随分使い古されたテンプレじゃないの。

いっせいに剣を構える軍兵たち。だがこれ以上の面倒は御免だ。



「そうはさせない!ロートリンゲン、僕の名を教えてやろう!僕はクラレンス王国公爵家当主、レジナルド・ランカスター、またの名を狂魔力の継承者と言う!」

「なにっ!」


「唸れ『サンダー!』」





『サンダー』とは何のひねりもないもっとも基本的な雷魔法である。

そんなありきたりとも言える中位魔法、『サンダー』でさえも僕の魔力量を持ってすればこれほど凶悪になってしまうのか…


目の前に居た軍兵は一瞬でロートリンゲン侯爵、ただ一人を残して全員失神し崩れ落ちた。



ただ味方も余波で半分失神しちゃったのはご愛敬ってことで…





毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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