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102 17歳 Congratulations! 

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


じゃじゃーん!遂に運命の十八歳までラスト一年になってしまった…


しゃがれたブルースを聞きながら夢見がちでセンチな17歳…

しがらみのこの町で強く生きなきゃと思っちゃう17歳…

どんな生き方をしても自分を捨てない半分大人の17歳…


僕がこれから描く17歳の地図は果たしてどうなっていくのだろう。



何とかしなくちゃと思いつつも、やれダンジョンランドだ、やれプレミアムリゾートホテルだ、とバタバタやっていたら瞬く間に貴重な十六歳が終わってしまった。何てことだ…

はっ!もしやこれもすべて王様の策略…、なんてね。


まぁ最悪ベルト地帯で死んだふりして叔父様に丸投げしたように見せかけながら陰から牛耳る、という奥の手も無くはないのでもう少し様子を見るのもいいだろう。…正直、何をどうして良いか分からないし。


唯一の朗報は、ウエディングパーティーのあとアルバートの裏工作により気が付いたら第三王女、第四王女が戦線離脱していたことくらいか…。何をどうやったか知らないけど…アルバートでかした!



このウエストエンドはやや湿っぽいランカスターと違い元は『不毛の荒野』と呼ばれたくらい乾燥した暑い地域だ。

いくら魔法で土壌を改変しようが気候までは変えられるはずもなく、そんなに寒くないのがこの地の冬だ。雪も東西の山の頂に少ーし降る程度。過ごしやすくってとても気に入っている。


そんな冬らしくない冬に迎える僕の誕生日。ウィルは朝からウキウキでパーティーの支度を整えている。いそいそと花を飾って…可愛いなぁ。


昨年のように特別な式典も無いごく普通の誕生日。なのに屋敷に届けられたプレゼントは昨年の倍量で大きなホールを埋め尽くしてしまった…。どうしようこれ…


「ちょ、じゃ、邪魔…」

「レジー様、急いで仕分け居ますから。少しだけ我慢してくださいね」


ウィルは大慌てでランカスターに居るコリンに救援を要請していた。が、すげなく断られていた…。仕方ない。あちらも今は祝宴準備の真っ最中。



…僕のここから三日間の強行軍を教えてあげようか?


昼間はここでこじんまりと、夜はダウンタウンで和気あいあいと、今日はごくごく内輪でアットホームなお祝いを繰り広げる予定だ。


明日は僕を祝いに予約を入れてくれた宿泊客に感謝を込めてヴィラのガーデンでオープンパーティーを開催予定、そして夜は閉園間際のダンジョンランドにちょいと顔を見せたらそのままランカスターの領主邸でご宿泊。


翌日は朝からお屋敷での祝宴である。あ、ランカスターにはもれなくアルバートがやってくるよ。


頭のおかしいスケジュールだがありがたいことでもあるので頑張って全力で祝われようと思っている。



そうこうしてたら僕の招待に応じてオスカーとセザールがご来訪。ローランドはアルバートのお供でランカスターに来るんだって。

いずれにしても誕生日が冬休みの間で良かったよ。おかげで毎年一緒に祝えるよね。


「今日の宴会もだけど明日のガーデンパーティーも楽しんでってよ。豪勢だよ?」

「おう。午前はダンジョンに潜る予定だから昼から行くな」


「なんならランカスターにも一緒に行く?」

「ランカスターはいいかな。アルバートも来ることだし…遠慮しておくよ。僕は公賓の留学生ということで王家には色々と便宜を図っていただいているけど弁えてるつもりだよ」


「そういうもの?アルバートも気にしないと思うんだけど…。」

「ふふ、僕は侯爵家とは言え三男だからね。…そのことに悩むこともあった。だがもうどんな立場も望まない。必要無いのさ。大切なのは心の在り方だと…君のおかげでようやくそう思えるようになった。だから…ね。波風は立てたくない」


「ますます分からない…。どういう意味?」


「大切なのは僕の気持ち、自分がどう在りたいかで…、そこに見返りは必要無いって事だよ。愛したんだから愛してくれ、なんて…傲慢だろ?」

「んー…」


よく分からないけど、つまりセザールは家族やお兄さんたちとの感情の齟齬を乗り越えたって事かな?コンプレックスを克服し自己を確立したと?だから誰の評価も気にしないと?頑張ったから認めてくれ、なんてもう望まないってことか…

それを愛に例えるあたりが実にセザールらしい。


それがアルバートに遠慮する話しとどうつながるのか今一分からないけど…これも彼の成長なんだろう。



セザール、オスカー、ローランド。『恋バト』本家のメインキャラクター。ひょんなことから縁を紡いだ愉快な友人たち。


ウエストエンドの住人たちとは少し違う、社交界で寄って来る彼らともまた違う、いろんな意味でフラットな関係が心地いい。


サロンに響くセザールの美しいピアノの音色。それに合わせてオスカーがバイオリンを弾いたのには腰が抜けるほど驚いた。腐っても貴公子、これぞギャップ萌え。


僕へのプレゼントだというその演奏にウィルもジェイコブもうっとりして聴き入っている。音色につられてシャリムまで降りてきたのは流石の吸引力。


そうそう、ウィルは手作りのアロマキャンドル、シャリムは山中へ月下美人を見に連れて行ってくれたよ。嬉しいことだ。



気の置けない友人と過ごす17歳の誕生日。前世の学校帰りに「礼二の分は俺たちの奢りな!」とマックで祝われた…あの誕生日をふと思い出す…。感無量…。ジーン…



僕の提案したロシアンルーレットによって阿鼻叫喚と共に過ぎたダウンタウンでの夜の話はまた後で。



そして翌々日、公爵邸で開かれる初めての大規模な祝宴に家令のブルックリンは興奮を抑えきれないでいる。


「この屋敷でこれほど公爵家に相応しい立派な宴を取り仕切る日が訪れとは…、このブルックリン、長生きしてようございました…」

「コリンが後を継ぐその日まではまだまだ頑張ってもらわないと…、頼んだよブルックリン」


「そうとも。コリンには早く一人前になってレジーを助けてもらわないとね。私のレジーは忙しすぎるのが玉に瑕だ」


相変わらずの距離感で肩に手を掛けているのが、僕よりも先にランカスター入りをして家人の様な顔で過ごしていたアルバート第一王子殿下、その人である。


私のレジー…とは聞き捨てならないが、この王子様は口だけでかなり無害だと分かってきた今日この頃。なので放置だ。


主賓の僕を抑えて主賓の様なアルバートと横並びで祝辞を受ける僕。あれ?この構図は…デジャブ…


休養中だった例のご当主たちも今では領の運営へと復帰し、日々健やかにお過ごしなようだ。

そして今回、それはもう大量のお祝い品と共に駆けつけてくださっている。


エヴァの毒牙にかかりかけた下位貴族のご当主たちも「よく水際で防いでくれた」とわざわざお礼に来てくれて…、他にも近隣当主や父の懇意にする貴族家の招待客が多いおかげでこの宴は少々おっさん率が高い。


そう言ったわけで政治や経済と言った割と堅めの話題で歓談が進む中、まるで神様の導きかのようにその話が僕の耳に飛び込んできたのだ。


そう。

エトゥーリア共和国の戦況、そして内乱について。





毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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