101.5 前夜
アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。
『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。
あと10分で日が変わる。気持ちは既にカウントダウン。
明日、僕は17になる。祝宴の準備にジェイコブをはじめとした全員が今も大わらわだ。
ガタン
「ヴォルフ!こんな時間に不法侵入?人間型の時くらいドアからおいでよ。ま、いいけど…どこ行ってたの?」
「俺がどこへ行こうが関係ないだろう。誰も俺を妨げれやしないんだからな」
「そうだけど…、危ないことはしないでよね。ヴォルフは僕の大事な大事な相棒なんだから」
「ふっ…」
片方の口角をうっすら上げて笑うヴォルフは悔しいけれどカッコイイ…。因みに今のところ仔オオカミは現れていない。
「ほらレジナルド、お前にだ」
「なにこれ、あっ!アメシスト…」
「お前の石だ」
「淡い紫…もしかしてこれ誕生日プレゼント?」
「ついでだ。これも持っておけ」
「白い石…水晶…?」
「石英だ」
「ヴォルフの石だね…」
綺麗な透明感のある二つの石。 絆を深め愛を守り抜く力を育む『愛の守護石』と言われるアメシスト。そして強い浄化の力で不要なものを取り除き前へと進むパワーをくれる石英。
丸く加工してブレスレットにでもしようかな。紫と白を交互に入れて…、そうだ!ヴォルフとお揃いにしちゃおう!
僕の胸には何年か前シャリムにもらった黒水晶が今も揺れている。
黒水晶も邪気を祓うんだっけ。
浄化されすぎてそのうち僕は存在自体がマイナスイオンになりそうだ。
「ありがと、嬉しいな」ノシッ
「お前…、今俺が人間型だと分かってやってるのか?警戒心の無い事だ…」
「ヴォルフに何の警戒しろって?いいじゃん別に」
何でも出来ちゃうこの僕にとって、精神的支柱と言えるのがこのヴォルフだ。なんといっても中身五十歳だからね。安心感が違う。
頼りがいのある中年ならクラウスやゴーディーもいるが、獣人であるヴォルフには僕の心をくすぐるモフモフがおまけでついている。
そうそう、僕の剣につけたキーチャームならぬ剣チャームはヴォルフの抜け毛で作った本物の尻尾タッセルだよ。
「明日の夜だけど…、ヴォルフもダウンタウンに来てくれる?」
「宴か…。アーニーや王都の子供もくるんだろうが。俺が居る必要はないだろう」
「ちょっとした余興をやるんだよ。ヴォルフも一緒がいいなー、なんて…」チラッ…
この余興はちょっとしたダンジョンランドの意趣返しでもある。対象はヴォルフとアーニー。肝腎のヴォルフが居ないと話にならないんだよっ!
「何を考えているか知らないが…、いいだろう、付き合ってやる。その代わり今夜はここで寝かせろ」
「いいよー。じゃぁ獣化して、って、あっ!中央は止めてよね、中央は!端に寄ってよ!僕のスペース!」
「どうせ抱え込むんだから良いだろうが」
「バレたか。それじゃあ遠慮なく。」モフッ
いつも余裕を崩さないすかしたヴォルフ。
その顔が苦痛に歪むまであともう少し、ククク…見ているがいい……スヤァ…
「ふわぁぁぁ、おはよー、ってああっ!ほっぺに歯形がついてる!」
ヴォルフってば…、寝ぼけて骨付き肉と間違えちゃった?
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この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)




