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99 16歳 welcome! ダンジョンランド

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


街道から領内を横切り園内へと到着する三人の王子を乗せた仰々しい馬車群。光属性の三人を乗せたそれらはどこはかとなく輝いて見え…これはもう既にある意味エレクトリカルパレードと言ってもいいんじゃなかろうか。


領民は旗を振って大興奮。ならば領主として最大限盛り上げるしかないよね?


「ようこそお越し下さいました皆さま。オルランド様、フェリクス様、ランカスターの領内はいかがでしたか?」


王子様を出迎える僕の姿を見て領内中から集まった人々の興奮はピークに達したようだ。


以前は滅多に姿を見せない座敷童のような存在だった公爵家の忌み人が、なんと公爵当主になって帰ってきたのだ。興味津々なのも無理ないだろう。


割れんばかりの掛け声と喝采。王族を迎える自領の当主を一目見ようと後方ではマサイジャンプが起こり、今にも地面が割れそうである。


「…私が聞いていたよりはるかに領都が賑やかで驚いてしまいました。…その…領民も元気そうで…」

「過剰にね。それよりもレジナルド、その姿は…」


「これですか?お二人をお迎えするのに用意しました。このランドのシンボルです。似合いますか?」

「その…、ああとても…に、にあ」

「お可愛いらしいです。見惚れてしまいました」


「フェリクス様はお口が上手ですね」



そう。ランドと言えばこれだろう。〝カチューシャ”


どの動物にするかはウエストエンドの獣人投票によって決められたのだが、そうなってくると俄然有利なのがウサギな訳で…、数の暴力…ランドのメインカチューシャはうさ耳になってしまった…


だがしかし。これも人間種と獣人の友好政策の一つ。

当主である僕が率先して獣人に寄せる事で、ここを訪れる全ての人が、キャストである彼らに何も言えなくなるようにとの小細工である。

僕ってあったまいい!


「レジナルド。その耳私にも一ついただけますか?揃いにして歩きましょう。父からも言われているのです。ここに一定数の獣人が移住したと聞き、これを機会に獣人への偏見が減るようふるまえと」


「そうなんですか?ではフェリクス様には髪色に合わせたライムグリーンの垂れ耳を用意しましょうね。」


あのエセ平和主義の王様がそんなことを…

だが僕は騙されない。あのおっさんは成婚率を上げるため隙あらばこうして合同デートをセッティングしてくる曲者なのだから。


にしても…フェリクス様は十三歳か…、まだまだ耳の似合うお年頃。可愛い。


耳をつけた僕と弟をやけにアルバートがチラ見してると思ったら…いつの間にかこっそりオオカミ耳を買い込んで装着していたのには笑うしかない。

ホントに困った王子様だ。けど悪い人じゃないんだよねぇ…



本日の来園者は王子様御一行と王家がチョイスした貴族たち。

残念ながら庶民の参加は沿道のパレードから入り口前で行われるセレモニー観覧まで。一般開放は明日の予定だ。


テープカットなど一通りのセレモニーを終え門をくぐると、興味深そうにきょろきょろと周りを見回しながら、招待客も護衛や従者と共に方々へ散らばっていく。

そして園内で僕たちを待つのはいつもの面々、それとコリンだ。


「やぁアルバート、待ってたよ」


「お待たせしたねセザール。ローランド、オスカー、いいね君たちは。一足先にウエストエンドを満喫できて」


「言っても仕方ないだろう。王族には王族の義務がある」

「俺たちはなんだかんだ言ったって今はまだただの学生だからな」

「ふふ、だけどレジーは王太子としての責務に取り組む君を見直したと言っていたよ?」


「そ、そうか…。それならまぁ…。だがさすがに今日はレジーを独り占めさせてもらう。君たちは好きに楽しむといい」

「兄上勝手なことを仰らないでください。父上からも厳命がありましたよね?機会は公平にと」


黙ってないのは第二王子のオルランド様。意味ありげにこちらを見るけど成長期前の少年に何を感じろと?ましてや結婚相手とか…無いわー。


「そ、その前にフェリクス様、僕の弟は同い年なんです。挨拶をさせていただいても?」

「ええ、かまいませんよ」


「フェリクス様、改めてランカスターの次男となりましたコリンと申します。僕の出自はご存じでしょうが僕は自分を恥じてはいません。学院ではどうかよろしくお願いします」


「コリン、もちろんあなたは立派なランカスターです。仲良くしましょうね」

「君の入学時私は最高学年に居る。困った事があったら言うんだよ。そうだ、コリン、君は学院で弟の側近となるがいい。そうすれば口さがない者は近寄れまい。いいね、フェリクス」


「はいオリー兄様」

「オルランド様…、お気遣いありがとうございます」


フェリクス様は大変可愛らしい、そして素直で心根の優しい方だ。末っ子ということで王妃様に溺愛されているらしい。それでどことなく幼い感じがするのか。


そしてアルバートの一つ下が十五歳のオルランド様だ。

こちらはちょっと勝気な王子様。お兄ちゃんに対抗意識があるのかな?そして弟にはいいとこ見せたいと。それはそれで微笑ましい。



ストローを差したカップを片手に園内をまわるという、王族にあるまじき気取らなさで視察を続ける中、第三王子のフェリクス様が素朴な疑問を口にする。


「ねぇレジナルド、あのくるくる回る遊具は何故ティーカップの形なのかな?」

「何故って……さぁ?あ、恋人同士とかなら「私を一気飲みして!」的な…?」

「ぶふっ!」


「汚いなぁアルバート、吹き出さないでよ…」

「兄上…」

「お兄様ってば…。それよりレジナルド、早く『イースタンマウント鉄道』へ行きましょう。今日はアレに乗るのを楽しみにしていたのですよ」


おっ!フェリクス様には〝鉄”の素質がおありのようだ。



「是非今度は本物の馬車鉄道でウエストエンドへお越しください。車両の豪華さが雲泥ですよ?」

「『ウエスタン急行』のことですね。ええいつか必ず!」


「フェリクス様、あの車体には作成された順番によって少しづつ違いがあって、それぞれ10系15系20系と別れているのですよ?さらに細かく言うとその中でもまた型番が分かれていて…今度教えて差し上げます」


コリン !?

そう言えば王都へ行く途中、気の沈んだコリンはちょいちょい「新鮮な空気を吸ってくる」と言っては車掌と言う名の御者のところへ行っていたような…あれか…!

あの時父との関係に思い悩んでいたのが嘘だとは思えない。と言う事はあの時御者のトムじいさんによって沼に落とされたか…。トムさんや…



「それにしても本当に獣人の方々が園内を闊歩しているのですね」


「ええ。彼らは偏見の少ない未来ある子供たちに風船を渡したり飴ちゃんを配ったりして互いの懸け橋になってくれています。犬に猫にアヒルに…そうそう、小型の黄色いクマ獣人もいるんですよ?」


「赤と黒の服を着たネズミ獣人さんが握手をしてくれました」

「ではリボンをつけたもう一人のネズミさんをお探しください。彼のガールフレンドです」


お子ちゃま接待要員である少しカラフルな制服を着た獣人に加え、本物のランカスター騎士団とは区別した、少しコスプレ見のある騎士風制服とやっぱり少しコスプレ見のある執事服に身を包んだ従士たち。


彼らは園内を常に巡回し、困った事があれば執事に、危険なことやアトラクションで手に負えなくなったときなんかは騎士に言えば対応してくれることになっている。


あっ、そうだ。子供向けのエリアには赤いキュロットスカートの女性も居るよ。

言っとくけどお姉さんに不埒な真似したらレジー君のきっついお仕置きが待ってるよ。気をつけて!



こうして翌日からは満を持しての一般開放。そのオープニングには長蛇の列ができ、翌日以降も満員御礼。

領都の宿屋も食堂も嬉しい悲鳴に喉を枯らし、日持ちの良い焼き菓子『白いカップル』そして『九鳥サブレー』もなんとあっという間に完売だって!


なかなか上々の滑り出しと言えるんではなかろうか。


気になってチョコチョコ様子を見に来ていたせいか、運がいいと『レジー君の家』周辺で本物のレジー君を見れる、などと言って大勢の人が柵にびっしりかじりついていたのにはビビった。

僕の姿を見るとその日一日良い事がある、などとまるで隠れ〇ッキーかハッ〇ーターンの♡みたいな扱いになっていたのには苦笑するしかない…

でもまぁ…、それもダンジョンランドを盛り上げる要素になるなら甘んじて隠れレジー君で居ようと思う。



みんなもいつか遊びに来てねー☆





毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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