第十二話 本戦開幕
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予選が終わった翌日。
グランド・ハント・サバイバル本戦が、ついに始まった。
本戦は三日間。
舞台は――巨大な無人島。
本戦の様子は、
闘技場に設置された巨大な魔導モニターを通して、
会場内はもちろん、
バルカンの街全体へと
リアルタイムで配信される。
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闘技場中央。
司会のパンヤーが、開幕から全力で声を張り上げた。
「さぁさぁさぁぁぁ!!
待ちに待ったこの瞬間だぁ!!」
観客席の熱気が、一気に跳ね上がる。
「グランド・ハント・サバイバル!!
本・戦・開・幕・だぁぁぁ!!」
割れんばかりの歓声。
その隣で、進行役のミーヤが一歩前に出た。
「それでは――
本戦進出パーティーを発表します」
場内が、すっと静まり返る。
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「第一位――《河内の風穴》」
どよめきが走る。
「レン、ラミール、ポポの三名からなる、
この大会でも名の知れた有名パーティーです」
安定した実力。
誰もが納得する名前だった。
「第二位――《黒牙の咆哮》」
再びざわつき。
「ガルド、バイゼル、ノア。
闇属性の魔術を扱う、謎めいた三人組です」
正体も経歴も、詳しくは知られていない。
だが、予選順位が実力を物語っていた。
「第三位――《空白の足跡》」
視線が一斉に集まる。
ゼン、ルル、シノ。
パンヤーがにやりと笑う。
「予選三位!
だがよぉ――こいつら、一番“読めねぇ”チームだぜぇ!」
ミーヤが淡々と補足する。
「特にゼンは、
大会参加者の中でも突出した魔力量を記録しています」
「第四位――《深森の観測者》」
「フィン、リリィ、サージ。
純粋な魔力量ではこの順位ですが、
知略と分析を得意とするパーティーです」
「第五位――《紅蓮の翼》」
「レオナ、カイ、ミル。
攻撃特化型で知られる、実力派パーティーです」
五組。
この五組が、三日間の本戦を戦い抜く。
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「続いて、本戦ルールを説明します」
「本戦は三日間。
魔獣討伐によって得られる討伐ポイントの合計で、
最終順位を決定します」
「魔獣は脅威度によって、
獲得できる討伐ポイントが定められています」
「脅威度Fは五ポイント。
Eは十、Dは十五。
以降、五ポイントずつ加算され、
最大でAランクまで存在します」
観客席から感嘆の声。
「なお、この島は一つの無人島ですが――
内部は五つの自然エリアに分かれています」
魔導モニターに、島の立体図が映し出される。
森、湿地、岩場、丘陵、湖。
「各エリアには、
一体ずつ“希少魔獣”が存在します」
「その討伐報酬は、
脅威度に関係なく五十ポイントです」
どよめきが、さらに大きくなった。
パンヤーが叫ぶ。
「ちなみにだぁ!!
“希少魔獣”ってのはなぁ、
この世界でも発見自体がめったにねぇ魔獣だ!!
倒せたら――
そいつはもう、相当ツイてるってことだぜぇ!!」
ミーヤは続ける。
「討伐した魔獣の魔獣石は、
大会支給の《魔獣石ポーチ》に収めることで、
自動的にポイントへ換算されます」
「対人攻撃は禁止。
ただし――妨害行為は失格対象ではありません」
パンヤーが豪快に笑う。
「つまりだぁ!!
邪魔される前提で考えろってこった!!」
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「それでは――」
ミーヤが告げる。
「本戦を開始します」
ミーヤの言葉と同時に、
巨大な魔法陣が展開された。
次の瞬間。
五組のパーティーを、光が包み込んだ。
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転送。
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ビーストアイランド。
《空白の足跡》は、森のエリアへと降り立った。
湿った土。
視界を遮る濃い木々。
空気に溶け込む、魔獣の気配。
ルルが周囲を見渡す。
「転送魔法...」
「……魔力濃度、結構高いわね」
シノは静かに頷いた。
「複数……近くにいます」
ゼンは歩きながら、内心でAIに問いかける。
(島全体の地形と、
希少魔獣が出やすい地点を把握できるか)
――解析開始
――地形・魔力分布照合
――希少魔獣出現傾向を算出
――推奨ルートを提示
(助かる)
ゼンは仲間たちに向き直る。
「よし、効率よく回ろう」
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森の中。
最初に現れたのは、Fランクの小型魔獣。
――解析結果
――魔獣名:ウィンドインプ
――脅威度:F
――属性:風
戦闘は一瞬だった。
魔獣を討伐し、
魔獣石を魔獣石ポーチに収める。
――ポイント加算:五
闘技場の実況が入る。
「おっと!
《空白の足跡》、まずは五ポイント獲得だぁ!!」
その後も、二体。
Fランク魔獣を確実に仕留め、
合計十五ポイント。
「《空白の足跡》、着実にポイントを積み上げています!」
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同時刻。
他のエリアでも、動きがあった。
「岩場エリア!
《河内の風穴》が次々と討伐!
現在トップクラスのポイントです!!」
さすがの安定感。
「湿地エリア!
《黒牙の咆哮》、Dランク魔獣を撃破!
十五ポイント獲得!!」
闇属性の魔術が、確実に結果を出している。
「一方で――
《紅蓮の翼》、まだ討伐報告はありません!」
攻撃特化型が、足止めを食らっている。
「《深森の観測者》は慎重な立ち回り!
Fランクを一体討伐、五ポイント!」
各パーティーの個性が、はっきりと表れ始めていた。
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森の奥へ進んでいたゼンたちは、
苔むした石碑を見つける。
魔力が、かすかに流れている。
「……これ」
ルルが目を細める。
「魔獣じゃないわね。
でも、ただの石でもない」
シノは周囲を警戒しながら言った。
「何か……仕掛け、ですね」
島に散りばめられた、戦闘以外の“何か”。
ただ魔獣を倒すだけではない。
それが、この大会の本当の顔なのだと――
誰もが直感する。
闘技場のモニターが、その石碑を映し出す。
「おおっとぉ!?
ただ狩るだけじゃねぇぞぉ!!」
パンヤーの声が弾む。
「グランド・ハント・サバイバル!
この島、まだまだ仕掛けがありそうだぁ!!」
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こうして――
グランド・ハント・サバイバル本戦は、
ようやく始まった。
これは、まだ序盤に過ぎない。
この島で起きる出来事も、
人の“変化”も――
すべては、これからだ。
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第十二話 完
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▼ グランド・ハント・サバイバル
進捗データ
パーティー:空白の足跡
現在順位:3位
総獲得ポイント:15
討伐魔獣:3種




