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異世界魔獣図鑑 ~AIスキルが優秀すぎて無双します~  作者: 宮田 喜助


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第十一話 選別の予選


グランド・ハント・サバイバル予選当日。


三人が辿り着いたのは、

魔獣闘技場ビースト・コロシアム


巨大な石造りの闘技場は、

朝からすでに異様な熱気に包まれていた。


すり鉢状に広がる観客席はほぼ満員。

期待と興奮、そして剥き出しの闘争心が、

空気そのものを震わせている。


「わぁ……」


思わず、シノが声を漏らした。


続々と集まる参加パーティ。

その中に――

祭りの夜に絡んできた、あの三人組の姿もある。


こちらに気づくと、

にやりと笑い、あからさまに指をさしてきた。


「……」


「ほっときましょ」


ルルは短く言った。


そのとき――


闘技場中央の高壇に、

やたら動きの大きい男が飛び出してくる。


「よく集まったなぁ!!

 冒険者の諸君!!」


場内が一気にざわつく。


「いまから!!

 グランド・ハント・サバイバル予選を行う!!」


「司会を務めるのは、この俺!!

 パンヤーだぁぁ!!」


拍手と失笑が入り混じる。


「……変なやつ出てきた……」


ゼンがぼそりと呟いた。


その横に、落ち着いた雰囲気の少女が進み出た。


「進行役のミーヤです」


「それでは、予選の説明を行います」


闘技場中央に、

巨大な水晶と魔導金属で構成された装置がせり上がった。


魔力測定装置エレメイン


観客席がどよめく。


ミーヤは、闘技場中央の装置を指し示した。


「本大会の予選は、戦闘ではありません」


「ここで計測するのは――

 純粋な魔力量です」


「属性の相性や戦術は関係ありません」


「パーティ全員の魔力を合算し、

 その総量のみで評価します」


「各パーティは順番に前へ出て」

「パーティ全員が一度ずつ、この装置に攻撃してください」


「攻撃方法・属性は問いません」


「決勝進出は――

 二十パーティ中、上位五パーティのみ」


怒号が飛ぶ。


パンヤーが腕を振り回した。


「魔力が足りねぇ奴はなぁ!!

 本戦で生き残れねぇ!!」


「ちなみに今年の本戦は特別だ!!

 本戦会場ビーストアイランドには!!」


「百種類!!

 合計五百体以上の魔獣を放ってある!!」


悲鳴と歓声が同時に上がる。


「それでは――」


ミーヤが告げた。


「予選を開始します」

「冒険者ランク順に、パーティを呼んでいきます」


最初に呼ばれたのは、

Aランクパーティ《河内の風穴》。


「Aランク……」

「参考になるぞ……!」


先頭の男が前へ出る。レン


「天を巡る風よ」

「荒れ狂う力を束ね」

「我が前に顕現せよ――暴風」


巨大な竜巻が生まれ、

エレメインを正面から叩いた。


――キィィィンッ!!


10698 PR


「で、出たぁぁぁ!!」

「一万超えぇぇ!!」


「いきなり大会記録更新だぁぁ!!」


観客席が総立ちになる。


続いて二人目。ラミール


「深き水よ、我が声に応え」

「圧を宿し、刃となれ」

「――水槍」


――キィン!


5665 PR


「五千超え!!

 高圧水魔法だ!!」


最後に三人目。ポポ


「大地よ、沈黙せよ」

「重き力を束ね」

「――衝砕」


――キィン!


7785 PR


ミーヤが告げる。


「合計、24148 PR」


「無理だ……」

「これ超えられるパーティあるのか?」


冒険者たちの声が漏れる――


その後も、

次々とパーティが呼ばれ、

歓声・嘲笑・落胆が繰り返された。


そして――最後。


「次が、最後のパーティです」


会場の視線が一斉に集まる。


「パーティ名――」


一拍置いて。


「《空白の足跡》」


ざわ、と空気が揺れた。


「空白……?」

「聞いたことねぇな」

「新参か?」


嘲るような笑いが漏れる。


最初に前へ出ようとしたシノは、

その空気に、足が止まった。


「……っ」


肩が、わずかに震える。


ゼンは何も言わず、

そっとシノの肩を叩いた。


シノは一度、深く息を吸い――

小さく頷く。


前へ。


「無垢なる魔力よ」

「我が意思に従い」

「――魔力弾」


小さな魔力弾が放たれる。


――キン。


355 PR


「おっと……これは厳しい数値だ」


「はぁ!?」

「冗談だろ!」

「おままごとかよ!!」


嘲笑が闘技場を包む。


「……ご、ごめんなさい……」


「大丈夫、私に任せて」


次に、ルルが前へ出る。


「天より降り注ぐ光よ」

「集い、定まり、道を示せ」

「――聖光柱」


――キン!


2564 PR


実況席が叫ぶ。


「2500超え!!

 平均値以上だ!!」


「しかし――

 なんて美しい光魔法だ!!」


観客からも感嘆の声が上がる。


ルルは振り返った。


「任せたわよ、ゼン」


「はいよ」


ゼンが前へ出た瞬間、

頭の奥でAIが静かに告げる。


――解析開始

――魔力測定装置エレメイン構造把握

――安全域内で最大出力を推奨


ゼンは、わずかに口角を上げた。


「やってやる」


右手に火属性。

左手に風属性。


「天の裁きを成せ―雷鳴」


轟音。


雷柱が、

エレメインを直撃する。


――キィィィィン!!


16698 PR


一瞬、

会場が止まった。


次の瞬間――


「でたぁぁぁ!!」

「これは二重詠唱だ!!」


「そして大会記録を!!

 大幅に!!上回ったぁぁ!!」


装置に亀裂が走り、

観客が総立ちになる。


「なんなんだ、あいつ!!」

「最後に全部持っていきやがった!!」


ミーヤが告げる。


「《空白の足跡》」

「合計、19517 PR」


「順位、第三位」

「決勝進出、確定です」


嵐のような歓声。


「よし」


ゼンが拳を握る。


三人は顔を見合わせ、

ぱん、とハイタッチ。


こうして――

グランド・ハント・サバイバル予選は、

大きな衝撃を残して幕を閉じた。



第十一話 完


ここまで読んでいただきありがとうございます。


次回は、いよいよ本線スタート。

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