「あの曲に会いたい」シリーズ(その42) ー 3びきのくま
ふとした瞬間に、耳の奥で鳴り出すメロディ。
どこかの喫茶店で、通りのスピーカーから、あるいは記憶の片隅から――
「あの曲、もう一度聴きたいな」と思うことがあります。
このシリーズは、そんな“音の記憶”をたどるエッセイ(ほとんど独り言…)です。
1960年代から80年代の曲を中心に、ジャンルも国境も問わず、ロックもポップスも歌謡曲もフォークも、何でもありです。
え? 私の年齢? それはヒミツです。
シリーズタイトルは、NHKの番組『あの人に会いたい』のパクリです。(;'∀')
でも、「あの曲が聴きたいなぁ」と思うときって、曲を聴くのと同時に――
当時その曲を聴いていた“自分”に会いに行くような感覚も、どこかにある気がします。
(こじつけ感ツヨっ!)
投稿は不定期で~す。(;^ω^)
3びきのくま
2010年にリリースされた、日本の歌手、シンガーソングライター、大貫妙子さんと坂本龍一さんによるコラボレーション・アルバム『UTAU』の中の一曲です。
(今回は比較的最近の曲ですが、大大大好きな曲なので、書かいちゃいま〜す ( ◠‿◠ ))
作曲は坂本龍一さん、作詞は大貫妙子さんです。
もともとは、2008年にリリースされた坂本龍一さんのシングル「koko」(ココ)に、貫妙子さんが歌詞を付け《3びきのくま》として『UTAU』に収録されました。
『UTAU』の全曲が、坂本龍一さんのピアノと大貫妙子さんの歌のみの構成です。
私の大貫妙子さんの印象ですが、もともと山下達郎さんとシティ・ポップの元祖のようなバンド「シュガーベイブ」でヴォーカルをされていたので、"シティ・ポップの人"でした。
でも『UTAU』の大貫妙子さんは、
私の中にあった「シティ・ポップの人」ではありません。
しっとりと、歌詞の一言一言が染み入るように歌っている、そんな風に感じます。
で、この《3びきのくま》、メロディ、歌詞、大貫妙子さんの歌声、坂本龍一さんのピアノの全てが大変美しいのであります。
歌詞ですが、聴いた当初は、
ーーこの広大な宇宙の中で生まれた命の奇跡、でもそれは宇宙の中のほんの小さなピース、そして、いつかは泡のように消えていく、そんな世界を語っている。
そんな風に思っていました。
でも何で《3びきのくま》?
で、調べてみました。
大貫妙子さんご本人がこの歌詞についてこんな風に説明されていました。
この歌詞は、宇宙がテーマです。
そして日本の宇宙科学研究所(ISAS)が打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ」の事も歌っています。
タイトルは「3びきのくま」というイギリスの童話の引用です。
(ここではこの童話の内容の詳細には触れません。
m(_ _)m)
この童話にゴルディロックスという少女が登場しますが、この少女がこのくま達の家に忍び込み、"一番小さなくま"の朝ごはんのお粥を勝手に食べたり、ベットで眠ったりします。
"一番小さなくま"のご飯やベットが、ゴルディロックスにとって"丁度良かった"んですね。
この歌詞では、ゴルディロックスの"丁度良かった"を「ゴルディロックス・ゾーン」になぞっています。
で、私はまず「ゴルディロックス・ゾーン」を調べました。
以下、Wikiの引用です。
宇宙で、生命の生存に適した宙域をたとえるときにもよく使われ、「ゴルディロックス・ゾーン」と呼ばれることもある。その中で、中心星から生命の生存に"ちょうど良い距離"にある太陽系外惑星のことを「ゴルディロックス惑星」と呼ぶこともある。
とあります。
そんで「はやぶさ」の事もWikiで調べてみると、こんな一節がありました。
「はやぶさ」が地球に帰還する時のエピソードです。
この時、地球までの距離は約7万km。
以下、引用です。
はやぶさはカプセルを分離した後、最後に地球を撮影するミッションを行った。このミッションは当初から予定されていたものではなく、開発者たちの「最後に故郷の地球を見せてあげたい」という思いから行われた。
私はこれを読んだ時、頭の中で《3びきのくま》の世界観がパァーッっと広がりました。
「ゴルディロックス・ゾーン」にある惑星で生まれた命の奇跡を「はやぶさ」の奇跡の生還に重ね合わせている、そんな風に感じ、何とも言えない震えの様なモノを感じました。
(大貫妙子さんの才能、感性には脱帽であります。)
この曲を聴くと、広大な宇宙の「ゴルディロックス・ゾーン」の小さなピースである命達の営み、希望、やがて消えゆく儚さ、そんなものがフワァ〜っと浮かんで来るのであります。
※この曲は動画サイトなどで検索すると聴けます。
(検索ワード:「3びきのくま 大貫妙子」)




