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「あの曲に会いたい」シリーズ  作者: あみれん


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40/43

「あの曲に会いたい」シリーズ(その40) ー  各駅停車

ふとした瞬間に、耳の奥で鳴り出すメロディ。

どこかの喫茶店で、通りのスピーカーから、あるいは記憶の片隅から――

「あの曲、もう一度聴きたいな」と思うことがあります。


このシリーズは、そんな“音の記憶”をたどるエッセイ(ほとんど独り言…)です。

1960年代から80年代の曲を中心に、ジャンルも国境も問わず、ロックもポップスも歌謡曲もフォークも、何でもありです。


え? 私の年齢? それはヒミツです。


シリーズタイトルは、NHKの番組『あの人に会いたい』のパクリです。(;'∀')

でも、「あの曲が聴きたいなぁ」と思うときって、曲を聴くのと同時に――

当時その曲を聴いていた“自分”に会いに行くような感覚も、どこかにある気がします。

(こじつけ感ツヨっ!)


投稿は不定期で~す。(;^ω^)

各駅停車。

1974年にリリースされた、日本のフォークグループ、猫の曲です。

作詞は喜多條忠さん、作曲は猫のベースプレイヤー、石山恵三さんです。


この曲のメロディ、アレンジ、そして歌詞のすべてが、当時のサブカルの雰囲気を鮮やかに蘇らせてくれるようです。

メロディは、「(その7)ー 愛と風のように/白い冬」で書いた、1970年代前半に流行った、あの特徴的なリズムにのった、開放感あふれるタイプのもの。


アレンジで特に印象的なのは、ブラス・セクションです。

ひょっとしたら、これはアメリカの60年代後半から70年代前半にかけての、いわゆる「ブラス・ロック黄金期」の影響でしょうか。

特に、ChicagoやBlood, Sweat & Tearsが、メインストリームで大成功していましたね。


1970年代は、日本でもブラス・セクションを用いたアレンジが流行していた時代でした。

特に、時代を先取りしていた筒美京平さんの楽曲には、その傾向が顕著で、

70年代日本ポップスにおける「ブラスの標準語法」を作った存在だったようにも思います。


野口五郎さんの《私鉄沿線》(1975)

郷ひろみさんの《よろしく哀愁》(1974)

西城秀樹さんの《情熱の嵐》(1973)

岩崎宏美さんの《ロマンス》(1975)

など……


そして、「各駅停車」というフレーズ。

この言葉、当時のラジオから、よく聞こえてきたような気がします。


何と言いますか、高度経済成長期を経て、日本社会全体が効率やスピードを追い求める社会になりつつある中で、

それに対するカウンター的な感覚として、若者文化・サブカル的感性の中に生まれてきた言葉――

そんなふうにも感じられます。


特に、日本の作詞家・放送作家・ラジオパーソナリティであった、かぜ耕士さんのラジオ番組や、著書『各駅停車の青春に』の影響は大きかったのではないでしょうか。

急いで目的地に到達することよりも、その過程や、途中で目にする景色を大切にする。

そんな価値観を、この「各駅停車」という言葉は、象徴していたのではないでしょうか。


この曲の歌詞では、女性と別れた"僕"が、各駅停車にのって、思い出の街を出ていく情景が語られます。

私は当初、

「なんで、わざわざ各駅停車?」

と思ったものでしたが、こう思い直すようになりました。


「それは…各駅停車だったら気が変わった時にいつでも戻れるから」


なんちゃって。

でもこれじゃ、歌詞の世界が台無しですね。(;^ω^)


お後がよろしいようで。m(_ _)m


※この曲は動画サイトなどで検索すると聴けます。

(検索ワード:「各駅停車 猫」)


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