「あの曲に会いたい」シリーズ(その39) ー 甘い罠(I Want You to Want Me)
ふとした瞬間に、耳の奥で鳴り出すメロディ。
どこかの喫茶店で、通りのスピーカーから、あるいは記憶の片隅から――
「あの曲、もう一度聴きたいな」と思うことがあります。
このシリーズは、そんな“音の記憶”をたどるエッセイ(ほとんど独り言…)です。
1960年代から80年代の曲を中心に、ジャンルも国境も問わず、ロックもポップスも歌謡曲もフォークも、何でもありです。
え? 私の年齢? それはヒミツです。
シリーズタイトルは、NHKの番組『あの人に会いたい』のパクリです。(;'∀')
でも、「あの曲が聴きたいなぁ」と思うときって、曲を聴くのと同時に――
当時その曲を聴いていた“自分”に会いに行くような感覚も、どこかにある気がします。
(こじつけ感ツヨっ!)
投稿は不定期で~す。(;^ω^)
甘い罠
1977年にリリースされた、アメリカのロックバンド
Cheap Trickの曲です。
作詞・作曲は、チープ・トリックのギタリスト、Richard Alan Nielsen。
Wikiによると、本国アメリカよりも先に、日本で大ヒットしたらしいのです。
いわゆる、1980年代から90年代にかけて起きた
“Big in Japan”現象ですね。
私も大好きな曲でした。
ですが、当時の私は、そんな事情も知らずに、一聴して、
「うわぁー、いい曲!
なんだかウキウキする甘いメロディと
タイトなリズムがサイコー!」
なんてつっておりました。
個人的には、サウンドはロックというより、
パワー・ポップ(Power Pop)かなぁ~と。
歌詞も、非常に“甘くて優しい”のです。
さらにWikiによると、
1978年に日本武道館で行われたチープ・トリックのコンサートがライブ録音され、
『チープ・トリック at 武道館』としてリリースされました。
《甘い罠》も収録されていますが、
スタジオ版よりもテンポが速く、少しハードなサウンドになっています。
このライブアルバムから《甘い罠》がシングル・カットされたバージョンが、
アメリカでヒットしたようです。
ではなぜ、この“Big in Japan”現象が起きたのでしょうか???
ここからは、私見であります。
1977年頃のアメリカの音楽シーンを振り返ると、
やはり、まず浮かぶのは――
イーグルス《Hotel California》
ボストン《More Than a Feeling(宇宙の彼方)》
フリートウッド・マックのアルバム《Rumours(噂)》
スティーリー・ダン
フォリナー...
といった顔ぶれです。
イーグルスのような“大人感”、
ボストンのような“圧倒的な音圧”、
スティーリー・ダンのような“知性”、
フリートウッド・マック《Rumours》のような“複雑な大人の人間模様”。
それらと比べると、
《甘い罠》のスタジオ・バージョンのサウンドは、
当時のアメリカの音楽シーンでは、
あまりにも“正直なポップ”で、
インパクトが少なかった。
そんなふうにも感じます。
実際、『チープ・トリック at 武道館』のライブ・バージョンでは、
よりインパクトのある、ロック・サウンドに聞こえます。
《甘い罠》が日本で“ロック”になって、
本国に凱旋してヒットした。
そんな感じなのでしょうか……。
当時、世界的に音楽業界で使われていた
“Big in Japan”という表現。
今、あらためて考えると、
なんだか凄い言葉に響きます。
※この曲は動画サイトなどで検索すると聴けます。
(検索ワード:「甘い罠 チープ・トリック」)




