「あの曲に会いたい」シリーズ(その28) ー James
ふとした瞬間に、耳の奥で鳴り出すメロディ。
どこかの喫茶店で、通りのスピーカーから、あるいは記憶の片隅から――
「あの曲、もう一度聴きたいな」と思うことがあります。
このシリーズは、そんな“音の記憶”をたどるエッセイ(ほとんど独り言…)です。
1960年代から80年代の曲を中心に、ジャンルも国境も問わず、ロックもポップスも歌謡曲もフォークも、何でもありです。
え? 私の年齢? それはヒミツです。
シリーズタイトルは、NHKの番組『あの人に会いたい』のパクリです。(;'∀')
でも、「あの曲が聴きたいなぁ」と思うときって、曲を聴くのと同時に――
当時その曲を聴いていた“自分”に会いに行くような感覚も、どこかにある気がします。
(こじつけ感ツヨっ!)
投稿は不定期で~す。(;^ω^)
James
1982年にリリースされた、パット・メセニー・グループのアルバム『オフランプ』(Offramp)からの1曲です。
インスト曲です。
インスト曲は何となく避けてきたのですが(書くのムズそうだし...)、私がこの曲を初めて聴いた時、
「うわっ、パットのギターが歌っている!」
なので、ずっと書いてみたいなぁ、と思っていて、ほんで今回ついに書いてみることにしました。
(チャレンジでもあります)
パット・メセニー・グループは、ジャズギターリスト、パット・メセニー率いるジャズ・フュージョン・バンドです。
パット・メセニーは私にとって、ギター・ヒーローの一人であります。
その卓越した演奏テクニック、
リバーブを効かせた透明感のあるサウンド、
そして、コンポーザーとしての多彩な引き出し。
パットは、ジャズ・サックス奏者、オーネット・コールマンを敬愛しているらしく、オーネット・コールマンのようなゴリゴリのジャズもプレイしますが、私が「いいなぁ~」と思うのは、ジャズというフォーマットの上で、カントリー、フォーク、ブラジリアン・ミュージックなど、様々なジャンルのエッセンスの"いいとこ取り"をして、ジャンルフリーのドラマチックな音の世界を聴かせてくれるところです。
(これに関しては、パットの相棒のキーボード・プレイヤー、ライル・メイズの貢献もとても大きいのです。)
で、Jamesですが、何とも愛らしくて美しくて、そしてやさしい曲なのであります。
パットがこの美しいメロディをギターでさり気なく奏でます。
サビのパートでも過度に抑揚を強調するわけでもなく、本当にさり気なく弾いているのです、まるでさり気なく歌っているかのように...私にはそう聴こえるんですね。
タイトルの"James"って誰?
そう思いましたが、無知な私は「きっとパットの友達かなんかだろう」と、さして気にしなかったんですね。
で、後に"James"がジェームス・テイラー(James Taylor)のことであることを知るのです。
(ジェームス・テイラーについては、"「あの曲に会いたい」シリーズ(その25) ー Long Ago and Far Away"で書かせていただいております。)
この事を知った瞬間、《James》という曲の世界に重なるように、まるでホログラムのようにジェームス・テイラーの歌う姿が浮かびあがってきました。(ちょっと大げさかなぁ、てへっ (;^ω^))
パットはジェームス・テイラーも敬愛しているようですが、タイトルは《For James / ジェームスに捧ぐ》ではなくて《James》なんですね。
なので、パットが敬愛するジェームス・テイラーの音楽や歌う姿そのものを、パットの解釈、音楽と演奏で表現したのではないか、そう感じたんですね。
特に、ジェームス・テイラーの曲調を真似しているわけではありません。
あくまでも“パットの曲”です。
けれど、
さり気なく響くパットのギターの音、
抑揚を過度に強調しないソロパート、
そして、流れる様な美しくて愛らしいメロディ。
それらが、
やはり“美しくて愛らしいメロディ”を、
抑えた呼吸で歌うジェームス・テイラーの歌声のように、
私には聴こえてくるのです。
私がこの曲を初めて聴いた時の「うわっ、パットのギターが歌っている!」は、ひょっとして曲のどこかに、そんなジェームス・テイラーを感じていたのでしょうか......なんて、そんな事あるわけないですね。(;^ω^)
でもあの時、確かにパットのギターは歌って聞こえていたのであります。
※この曲は動画サイトなどで検索すると聴けます。
(検索ワード:「James Pat Metheny」)




