「あの曲に会いたい」シリーズ(その25) ー Long Ago and Far Away
ふとした瞬間に、耳の奥で鳴り出すメロディ。
どこかの喫茶店で、通りのスピーカーから、あるいは記憶の片隅から――
「あの曲、もう一度聴きたいな」と思うことがあります。
このシリーズは、そんな“音の記憶”をたどるエッセイ(ほとんど独り言…)です。
1960年代から80年代の曲を中心に、ジャンルも国境も問わず、ロックもポップスも歌謡曲もフォークも、何でもありです。
え? 私の年齢? それはヒミツです。
シリーズタイトルは、NHKの番組『あの人に会いたい』のパクリです。(;'∀')
でも、「あの曲が聴きたいなぁ」と思うときって、曲を聴くのと同時に――
当時その曲を聴いていた“自分”に会いに行くような感覚も、どこかにある気がします。
(こじつけ感ツヨっ!)
投稿は不定期で~す。(;^ω^)
Long Ago and Far Away
1971年に、アメリカのシンガー・ソングライター、ジェームス・テイラーがリリースした曲です。
私がこの曲を知ったのは、ジェームス・テイラーのオリジナル音源ではなくて、アメリカのジャズ、フュージョンギターリスト、アール・クルーが1977年にリリースしたアルバム『フィンガー・ペインティングス』に収録されているカバー・バージョンでした。
『フィンガー・ペインティングス』の収録曲は全てアール・クルーのアコギをフィーチャーしたインストナンバーで、私がこの《Long Ago and Far Away》を最初に聴いた時は、アール・クルーのオリジナル曲だと思っておりました。
(『フィンガー・ペインティングス』のレコードを持ってましたが、私、ライナーノーツって殆んど読まないんですよね〜、何でしょう、メンドかったんですね。(^O^;))
後にジェームス・テイラーの作品である事を知るのですが、何故かオリジナル音源を聴かなかったのです。
アール・クルーのバージョンがあまりにも素晴らしいので、それで満足していたんでしょうかねぇ...
とにかく大好きな曲で、よく朝に聴いておりました。
ちょっと物悲しいメロディだけど、静かな朝にピッタリの爽やかな曲だ、なんて言いながら。
それから約数十年後、某動画サイトで、ジェームス・テイラーが《Long Ago and Far Away》を歌っているライブ映像を偶然目にしたのです。
これが、物凄く悲しい歌に聴こえたんですね。
アレ?こんな悲しい曲だっけ?
それで歌詞を見てみると、やっぱりとても悲しい歌なんですね。
むかし、若者がひとり腰を下ろし
ただ“待つこと”に身をゆだねていた。
世の中は思った通りにいかない。
夢と現実は一致しない。
愛とは、物事が語られる時に耳にするただの言葉。
私が歌うこの曲は何故こんなに悲しいのだろう。
私は数十年前に、こんなに悲しい歌を"朝にピッタリ"なんて言って聴いていたのであります。(゜д゜)!
"Long Ago and Far Away (昔、遠く離れて)"というフレーズは歌詞には一度も出て来ません。
このタイトル、どういう意味なのでしょう。
"ただ待つ事に身を委ねた若者"は、自分の未来に失望して、まだ起きてもいない未来を"過去のモノ"として葬り去ってしまった、という事なのでしょうか?
この若者は、ジェームス・テイラー自身なのでしょうか?
(´-`).。oO
少なくとも、私にとっての"Long Ago and Far Away"は、この曲を清々しい朝の曲として聴いていた数十年前の私自身を意味しているのであります。
※この曲は動画サイトなどで検索すると聴けます。
(検索ワード:「Long Ago and Far Away James Taylor」 「Long Ago and Far Away Earl Klugh」)




