「あの曲に会いたい」シリーズ(その17) ー Oo You
ふとした瞬間に、耳の奥で鳴り出すメロディ。
どこかの喫茶店で、通りのスピーカーから、あるいは記憶の片隅から――
「あの曲、もう一度聴きたいな」と思うことがあります。
このシリーズは、そんな“音の記憶”をたどるエッセイ(ほとんど独り言…)です。
1960年代から80年代の曲を中心に、ジャンルも国境も問わず、ロックもポップスも歌謡曲もフォークも、何でもありです。
え? 私の年齢? それはヒミツです。
シリーズタイトルは、NHKの番組『あの人に会いたい』のパクリです。(;'∀')
でも、「あの曲が聴きたいなぁ」と思うときって、曲を聴くのと同時に――
当時その曲を聴いていた“自分”に会いに行くような感覚も、どこかにある気がします。
(こじつけ感ツヨっ!)
投稿は不定期で~す。(;^ω^)
Oo You
ビートルズ解散後の1970年にリリースされた、ポール・マッカートニーの初のソロアルバム《McCartney》からの一曲です。
この曲に行く前に...
私、ポールのシャウト系のボーカルって大好きなんです!
Long Tall Sally, Drive My Car, Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band, I've got a feelingなどなど、挙げればキリがないですが...
そして、ポールって、曲によって声色を変えて演出が付けられるとても器用なボーカリストだと思っております。
例えば、2枚組アルバム「The Beatles」(通称、ホワイト・アルバム)の中の《Why Don't We Do It In The Road》と《I Will》を聴き比べると、同じ人のボーカルには聴こえないです。
特に《Why Don't We Do It In The Road》なんて「なぁ、道路でやっちまおうっぜ!誰も見ちゃいねぇよ」と、荒ぶる男を演じているように聴こえちゃうんですよね。
と、前置きが長くなりましたが...
このアルバムで全曲、全ての楽器をポールが演奏しています。
4トラックの機材を使って、殆んど自宅で録音したらしいです。
《Oo You》は、ギターのリフがカッコいいシンプルなロックで、当初はインストゥルメンタル曲。
そこへ後から歌詞が乗せられたらしく、ポールはゆる〜くシャウトしています。(笑)
私が知る限り、こんな“脱力した(?)シャウトのポール”は、この曲だけです。(他にもあるかも)
いつもなら、声色や表現を緻密に作り込む完璧主義のポールです。
しかし、この曲では「演じていない」んですね。
演技派のポールが演技をしていない、珍しい、いや、貴重なトラックではないでしょうか。
伸び伸びと一人で多重録音を楽しんでいる素のポールが目に浮かぶ様です。
まるで、自宅の片隅で「まあ、これでいいか!」と肩の力を抜きながら録音しているような、そんな空気さえ感じてしまいます。
(次のアルバム「Ram」では、一曲目の《Too Many People》から気合十分なポールに復活してますね!(^O^))
もっともアルバム全体が、ゆる〜い、温かい雰囲気を持っているので、きっと当時のポールの心境(ビートルズのゴタゴタから解放された安堵感とか?)が反映されているのかも、なんて思うのでした。
※この曲は動画サイトなどで検索すると聴けます。
(検索ワード:「Paul McCartney Oo You」)




