「あの曲に会いたい」シリーズ(その11) ー 少女
ふとした瞬間に、耳の奥で鳴り出すメロディ。
どこかの喫茶店で、通りのスピーカーから、あるいは記憶の片隅から――
「あの曲、もう一度聴きたいな」と思うことがあります。
このシリーズは、そんな“音の記憶”をたどるエッセイ(ほとんど独り言…)です。
1960年代から80年代の曲を中心に、ジャンルも国境も問わず、ロックもポップスも歌謡曲もフォークも、何でもありです。
え? 私の年齢? それはヒミツです。
シリーズタイトルは、NHKの番組『あの人に会いたい』のパクリです。(;'∀')
でも、「あの曲が聴きたいなぁ」と思うときって、曲を聴くのと同時に――当時その曲を聴いていた“自分”に会いに行くような感覚も、どこかにある気がします。
(こじつけ感ツヨっ!)
投稿は不定期で~す。(;^ω^)
1972年にリリースされた、五輪真弓さんのデビュー曲です。
作詞・作曲ともに五輪さんご本人です。
初めてこの曲を聴いた時の印象は、
「うわっ! キャロル・キングみたい……」
でした。
そして、曲を聴きながら頭に浮かんだ風景は、
なぜか日本ではなく“どこか遠い外国”のような情景でした。
歌詞には“縁側”という、とても日本的な言葉が出てくるのですが、どういうわけか私の脳内では、一向に和風の景色が出てこないのです。
最初の2小節のフワッとしたメロディは「どこに行くの〜?」と、風に乗って漂っていく感じで、3、4小節でスッと着地して安定する。
なんというか、日本の歌の“定番の構成”とは少し違うように感じました。
そして何より、音が違って聴こえました。
アレンジもミキシングも、当時の日本の曲とは明らかに質感が違って聴こえたのです。
特にドラムの音!
あの立体感と空気感は、日本の歌謡曲ではあまり耳にしたことがありませんでした。
そして歌詞ですが、ふと、イギリスのプログレッシブ・ロックバンド、キング・クリムゾンの I Talk to the Wind に似た世界 を感じてしまうのです。
風をモチーフに、喪失や虚無感、そして静かな内省をたたえた詩の空気。
たぶん、この“静かな風の吹き抜ける感覚”が、
私にあの異国の風景を見せたのだと思います。
それにしても、当時の五輪真弓さんはまだ高校生!
なのにこの完成度……
「どんだけ天才なんだ」と思ってしまったのであります。
さらに後で知って驚いたのは、
デビューアルバム『少女』が いきなり全編アメリカ録音 で、しかも キャロル・キングがピアノで参加していた という事実。
そりゃ、この曲がキャロル・キングっぽく聴こえるわけですよねぇ。
めちゃくちゃ納得してしまいました。
(゜д゜)!
も少し歌詞について触れると(あくまで私の勝手な解釈でございますですよぉ〜(^O^;))——
少女から大人へ移り変わる過程で、
純粋な頃の感性や夢が、時間や現実の中で少しずつ薄れていく喪失感。
でも同時に、“新しい未来へ進むための予感”のような、小さな自立の芽生えも感じられる…
そんな、揺れる心を静かに描いている気がしました。
今聴いても、
風が吹き抜けるように、私を“どこか遠くの景色”へ誘ってくれるのであります。
※この曲は動画サイトなどで検索すると聴けます。
(検索ワード:「少女 五輪真弓」)




