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 澄みきった青空の中に一筋の線を描きながら飛翔魔法で走る馬車列が続く。

 魔法に集中しながらそろそろ見えてきた懐かしい情景に瞳が揺らいだ。

 馬車の窓から見える眼下の景色に胸が締め付けられながらあえて感情を表に出さないようにじっと見つめる。


「懐かしいか? 故郷だろう? それとも久しぶりすぎて何の感情もわかないか」


 目の前の男の言葉に悟られぬように無表情のまま答えながらこの国に来た理由から本当の目的を知られないようにただじっと魔法に集中していた。


 この国で生まれ幼い時にすごしていたレラノーク国。


 私の故郷があって両親の眠っている国にやっと帰れるのに心が騒がないわけがない。そして幼い頃によく遊んだあの子に会えるかもしれないという期待が後押しするが、その淡い気持ちが膨らまないように深くかぶったフードの中できつく唇を噛みしめる。


(こんな私で帰ってきたくなかったな)


心の底でそっとつぶやいて、まもなくの到着を目の前の男に告げた。

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