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エピソード 51

そして、最後のひとり。


「まあ、順当にいって、ここはミカエルね」


薫子のこの言葉はすべての点で微妙である。

順当というところもそう。

そして、その後に続くミカエルという名も。


「一応聞くけど、僕が上ということでいいんだよね?」


蛸部屋に行く気のないミカエルとしてそう尋ねるのは当然である。

だが、現実は非情である。


「下から名前を呼んでいるのだから、ミカエルは下から三番目というに決まっているでしょう」

「理由を聞かねば承服しかねる」

「あなたは私がいない時に仕切っていたという事実当然これはマイナス要因です」

「だけど、食事は三回とも僕がつくった。ルシファーは掃除をしていただけだ」

「そうね。そのとおり。では、言わせてもらいます」


「朝食のソーセージが少し焦げていました」

「でも、オムライスは渾身の出来。絶対においしかったはず」

「そうね。でも、ケチャップのかけ方に創造性が微塵もなかった。あれは大幅減点」

「そんなことで……」

「そんなことと言いましたね。お仕置きです」


ということで、第一回蛸部屋脱出ゲームの勝者はルシファー。


「悪魔ごときの後塵に拝すなど屈辱の極み」

「それよりもガブリエル。君はもう少し小さくなれないのかい」

「そして、酸素も足りない。まあ、僕たちは死なないけど息苦しいことには変わりない」


天使たちは四人から三人に減り、若干ではあるが環境が改善された蛸部屋で一晩を過ごすことになるのであった。


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