エピソード 48
そこから、少しだけ進みいよいよ注目の時がやってくる。
言うまでもないことだが、当たりはひとつ。
つまり、そのひとりの名前を言えば、それは終わるわけなのだが、そうならないのがこの四人、というか、五人ということになる。
「……最下位から順に呼ぶことにしよう」
ミカエルの提案にふたりの男とひとりの女性が賛成するものの、ひとりだけそれに異義を唱える。
「結局上に寝られるのはひとりだけなのだから、その者の名を呼べばいいだろう。時間の無駄だ」
男の言葉は正しい。
だが、当然のようにその男は残り三人に袋叩きにされる。
「だから、君はつまらぬ男なのだよ。ルシファー」
「まったくだ。しかも、これは薫子も賛成していること。つまり、貴様は薫子に反旗を翻した。これで、貴様の蛸部屋行きは決まりだ」
「そして、ガブリエルと仲良く一晩を過ごすわけだ。そして、上で寝る僕の邪魔にならぬよう一晩反省しながら寝てくれたまえ。まあ、ガブリエルの咆哮で寝られないと思うけど」
「ふざけるな。貴様こそ蛸部屋だ。ウリエル」




