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エピソード 37
それから十分後。
三人分のプレゼンテーションを聞き終えた薫子はあくびをしながらのひとこと、「みんな同じだった。そして、なによりもつまらない」で片づける。
当然気合いの入ったプレゼンをおこなったルシファーは項垂れ、ルシファーの言葉をパクったウリエルと、そのウリエルの言葉をパクったガブリエルは見事なばかりのガッツポーズを披露する。
「まあ、そういうことなら三人を連れて買い物に行きましょう」
「勝負はそこで決まるわけだ」
「望むところ」
「どんなものでも持つ」
「頑張ってね。三人とも」
三人の強い決意を高みの見物と決め込んで茶化したtついでに留守番をする気満々であったミカエルだったが、ここで事態が急変する。
「ミカエル。言っておきますが、あなたの態度は非常に悪い。今のところあなたがダントツで最下位であることを自覚しなさい。このままではどれだけおいしい料理をつくっても今夜の蛸部屋行きは免れないと思いなさい」
「マジ?」
「もちろんマジです」
薫子のこのひとことにより、慌てたミカエルも急遽参戦することになり、全員で今夜の食材を探しにいくことに決まった。